
昨今、「住宅ローンが払えない」と悩む方が増えています。
理由は、予期せぬ失業や減収から病気や事故、病気、離婚、学費の負担などさまざま。
もし、住宅ローンを払えないと、督促状が届き、競売にかけられてしまいます。
この記事では、住宅ローンの返済に苦慮して悩んでいる方へ向けて
- 住宅ローンを払えないとどうなるのか?
- 住宅ローンを払えないときに検討するべき7つの解決策
- やってはいけないNG行動
をご紹介します。最後までお読みいただき、住宅ローンが払えないピンチを切り抜けてください。
この記事は、ファイナンシャルプランナーの資格を持つ専門家が監修しています。

秋山 芳生
Contents
1.住宅ローンが払えない3つの原因
住宅ローンが払えない3つの原因は以下の通りです。
- 収入の減少
- 支出の増加
- 離婚
それぞれ順番に解説します。また、住宅ローンが払えないときの解決策は3章で紹介していますので、併せてお読みください。
1-1.収入の減少
住宅ローンが払えなくなる理由として、病気、けが、失業など、さまざまな理由で収入が減ってしまうことがあげられます。
住宅ローンの返済額は、安定的な収入が入ることを前提として設定されているため、突然の失業や減給、予期せぬ病気や怪我による休職は想定されていません。
退職金も予定通りに支払われるとは限りませんので、注意してください。
住宅ローン借り入れ当初の見込みと実際の状況がかけ離れてしまい、収入が減ってしまうと住宅ローンが払えなくなってしまいますので、注意が必要です。
1-2.支出の増加
住宅ローンを組む際に、将来のライフプランを組んではいても、支出が予想以上に増えてしまうことがあります。
例えば、家族の突然の病気、事故に怪我による治療費、高齢の親の介護費、会社の倒産、子どもが親の希望よりも学費がかかる学校に進学した、などが予想以上に「支出が増える」原因です。
計画的に貯金をしていても、予期せぬ支出により住宅ローンの返済が滞ってしまうことで、住宅ローンの返済が困難になります。
1-3.離婚
離婚により、住宅ローンの返済ができなくなってしまうこともあります。
夫婦2人で住宅ローンを支払っていく計画が、離婚により崩れてしまったり、子どもへの養育費や別居中の家賃など予期せぬ支出が増えたりすることが主な原因です。
離婚は精神的にも負担が大きく、人によっては新生活、仕事、育児が困難になり、減収につながるケースも少なくありません。
離婚の際は、住宅ローンの返済計画についてもう一度考え直し、家を売るか住み続けるか決めることをおすすめします。
住宅ローンが支払えなくなる原因は上記のように多岐に渡ります。共働きを前提にローンを組んで、出産・子育てで収入が減る場合も多いですし、変動金利の場合は金利上昇によってローンの返済額自体が増える可能性もあります。
安定的な収入が入る前提でプランを組んでいたら想定外の出来事で収支が悪化したり離婚したりすることもあるので、もし支払えなくなった場合の対処法を事前に検討していきましょう。

2.住宅ローンを払えないとどうなるの?
住宅ローンが払えない状況になってしまったら「家を手放さなければいけない」と不安に思いますよね。
住宅ローンを払えないと最終的には競売になってしまいますが、実際は滞納期間の長さによって状況が変化します。
実際に、住宅ローンを滞納してから競売にかけられるまでの流れは以下の通りです。
滞納期間 | 実際の流れ |
---|---|
1か月前後 |
|
2~3か月 |
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5~6か月程度 |
【6か月の滞納】期限の利益の損失となる
【競売にかける手続きがスタート】 |
8~9か月程度 |
【競売がスタート】 |
10~11か月程度 |
|
13~16か月程度 |
【競売完了後に強制立ち退き要求】 |
住宅ローンを滞納するとどうなるか、こちらの記事もご覧ください。
以下で、段階ごとに解説していきます。
2-1.住宅ローンを滞納したときの流れ
住宅ローンを滞納するとどうなるのか、一般的な流れを見ていきます。
今現在、返済で悩んでいる方は、銀行からの手紙などを確認して、自分が今どの段階なのか把握することから始めてください。
- ●1か月前後の滞納
-
一時的にローンの返済が遅れてしまったときは、できるだけ早く返済すれば問題は生じません。
口座に入金すれば自動的に引き落としされるケースがほとんどですが、入金後に金融機関に電話連絡するように督促状などに記載されている場合もあります。
うっかり入金を忘れたのではなく、返済が苦しくなってきているときは、次の2章を参考に家計の見直しや売却を検討してみてください。
- ●2~3か月の滞納
-
銀行から督促状や催告書が届いたり、電話連絡がきたりすることがあります。
返済が遅れている理由や、遅れた分はいつ入金できる予定なのか誠実に伝えるようにして、銀行との信頼関係が崩れないようにすることをおすすめします。
- ●5~6か月程度の滞納
-
金融機関によって異なりますが、住宅ローンを約5~6か月滞納すると、「期限の利益の喪失予告通知(最終督促)」が届きます。
これは、「このまま返済されないと代位弁済になります」という予告です。
代位弁済とは、保証会社が金融機関に住宅ローンの全額を建て替えて返済することを言います。
- ●6か月程度の滞納
-
6か月程度滞納すると、「期限の利益の喪失」となり、住宅ローンを分割して返済できる権利がなくなるため、残りの住宅ローンの一括返済を求められます。
普通は一括して返済などできませんので、保証会社が住宅ローンを代位弁済します。保証会社によって代位弁済されると、「代位弁済通知書」が届きます。
代位弁済されると、金融機関の代わりに保証会社から借入金を返済するように求められることになります。このあとは自宅を競売へかける手続きが進んでしまいます。
なお、代位弁済の時点で、いわゆるブラックリスト(個人信用情報機関)に掲載され、クレジットカードなどが作れなくなります。
- ●8~9か月程度の滞納
-
代位弁済した保証会社が裁判所に競売を申し立て、競売開始決定が出ると「差押え通知書」が送られてきます。
次に、裁判所から「競売開始決定通知書」が届き、いよいよ競売が始まります。
- ●10~11か月程度の滞納
-
裁判所の執行官が家の現況調査を行います。インターネット上に、住所や写真などの競売の情報が公開されます。
- ●13~16か月程度の滞納
-
裁判所から「競売の期間入札通知書」が届きます。
ここには、入札の期間と開札日(落札者が決まる日)が記載されています。競売が完了すると、強制的に立ち退きを要求されます。
2-2.競売にかけられた場合のデメリット
家が競売にかけられると、裁判所が家を強制的に売却して、その売却代金を債務の支払いに充当します。
競売には次のような5つのデメリットがあります。
- 普通の売却をするよりも安くなってしまう可能性がある。残ってしまった債務は競売後に支払う義務がある。
- 競売の準備のために調査官が家に来る。
- 競売物件として新聞やインターネットに住所などが公表されてしまうため、知り合いに競売の事実を知られてしまう可能性がある。
- 立ち退きを要求されたら拒めない。
- 競売の落札代金から、引っ越し費用なども確保してもらえない。
このように、競売は家を手放すだけでなく、色々なダメージがあるため、できるだけ回避するのが得策です。
住宅ローンを滞納した場合、滞納期間が長くなればなるほど状況が悪化していきます。概ね6ヶ月での代位弁済がターニングポイントとなり、競売手続きが進んでいきます。競売にかけられると上記のように多くのデメリットがあるため、避けるために手を売ったほうが良いでしょう。

競売にかけられる前に、早めに売却するのも、一つの手段です。
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実際に、住宅ローン残債のある家の高額売却に成功した実例もあります。
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---|---|
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成約価格 | 2,400万円 |
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住宅ローンが残る家を高く売る方法については、下記の記事でも解説しています。
3.住宅ローンを払えないときに検討すべき7つの解決策
この章では、住宅ローンの支払いが厳しいと思ったときにできる7つの解決策をご紹介します。
3-1.保険が下りるかどうか確認する
病気やケガ等で住宅ローンを支払えなくなってしまった場合、以下の保険が適用できるかもしれません。
契約内容を今一度確認してみてください。
3-1-1.団体信用生命保険(団信)
団体信用生命保険(団信)とは、加入者に万が一のことがあった場合に、残りの住宅ローンが全額弁済される保障制度です。万が一のケースとは、死亡または所定の高度障害状態を指します。
そのため、病気になって収入が下がった場合は、団信で特定の病気になったら払わなくて良い特約や、就業不能特約がないかを確認しましょう。
団信への加入は、金融機関で住宅ローンを利用する際に、義務付けられていることがほとんどです。
団信には「三大疾病保障特約付」や「八大疾病保障特約付」の契約内容があり、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)が原因で一定の要件に該当すれば、残りの住宅ローンが全額弁済されることがあります。
八大疾病(三大疾病+高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎)に関しては、「がん」の場合は診断確定で住宅ローンが免除されても、残りの7つの疾病に関しては、診断確定だけではなく就業不能状態が免除の要件になっている場合もあります。
3-1-2.民間の保険
「団信」以外にも、収入保障保険、就業不能保険、住宅ローン返済支援保険などがあります。もし病気や怪我によって減収したのなら、適用されるような任意の保険に加入していないか確認しましょう。
主な民間の保険の種類は以下の通りです。
保険の種類 | 内容 |
---|---|
収入保障保険 | 保険者が亡くなった場合に遺族が収入保被障年金を受け取る死亡リスクに備える保険 |
就業不能保険 | 病気や怪我で収入が減少してしまうリスクに備える保険 |
債務返済支援保険 | 病気や怪我で収入が減少してしまったときの住宅ローン返済リスクに備える保険 |
団信では、被保険者が死亡したり高度障害になったりした際に保障されますが、病気や怪我による減収は保障の対象となりません。
住宅ローンが払えなくなるリスクに備えて民間の保険に加入している場合は、保証対象になっていないか保険内容を見直してみましょう。
保障の範囲は保険により違います。保障額や保障期間もそれぞれですので、加入している保険を確認してください。
また、収入保障保険は死亡保険の一種ですが、保険商品によっては「高度障害状態」で高度障害年金を受け取れる場合もあるため、念のため加入している場合は確認してみるといいでしょう。
3-2.家計の見直し・融資・支払い猶予の検討
生活費や教育費などの出費が増えて住宅ローンの支払いが「少し厳しい」という段階であれば、家計を見直しすることで改善できる場合もあります。
毎月の出費を節約して減らす、同居家族で働ける方は全員働く、車を手放す、保険などの固定費を解約したり減額したりするなどを検討してみてはいかかでしょうか。
保険を見直す場合、途中で解約すると損になる場合がありますので注意が必要です。貯蓄タイプの保険であれば、解約せずに一時的に「契約者貸付」を利用できる商品もあります。
また、国民健康保険や国民年金保険料、税金、公共料金などの支払い猶予についても、各ホームページで調べてみるとよいでしょう。
ただし、融資や支払い猶予措置は、「給付」ではありません。返済することが前提ですので、本当にそれだけで乗り越えられるのかしっかり検討する必要があります。
3-3.住宅ローンを借り換える
住宅ローンを借り換えると、返済額を減らすことができる可能性があります。
ただし、最近の金利よりも高い金利で住宅ローンを組んでいる場合に限って「借り換え」は有効です。
どういった方が対象になり得るかというと、
- 今の金利が住宅ローンを組んだ当初よりも1%以上低くなっている
- 返済期間が10年以上残っている
- ローン残高が1,000万円以上残っている
などの場合です。
なお、借り換えるためには費用がかかりますが、借入金額や金利差が大きければその費用分をカバーできるだけの効果が期待できます。
まずはローンの返済予定を見て、金利・ローン残高・返済期間などを総合的に判断して検討してください。高い金利で借りている場合には、金融機関のローン相談会などで借り換えメリットが出るかどうか試算してもらいましょう。
ただし、借り換えの際には返済履歴を確認されます。一般的にうっかり1回だけ返済が遅れたことがある、といった程度なら審査には影響しませんが、2か月以上滞納してしまった経歴があると借り換えは難しくなります。
3-4.借りている銀行に条件変更を相談する
銀行に相談すれば、住宅ローンの返済条件を変更してもらえる可能性があります。
条件変更は、借入額を減らしてもらえるわけではなく、返済のスケジュールを変更することを指します。
例えば、次のような条件変更を行えば乗り切れるケースも多いのではないでしょうか。
- 返済期間を長くして、月々の返済額を減らす
- ボーナス加算をなくして、月々均等に返済する
- 子どもが卒業して学費の負担が減るまでの数年間は返済額を減らして、卒業後に多めに返済する
現在の住宅ローン契約の内容によっては、返済期間を延ばせないケースなどもありますが、まずは金融機関に相談してみてください。
できれば滞納する前に金融機関に相談するのが一番良いのですが、滞納してしまったからといって音信不通になるよりは、率直に現状を金融機関に伝えたほうが得策です。
気まずいかもしれませんが、できるだけ早く相談に行くことをおすすめします。
また、条件変更と合わせて、しっかり家計を見直していく姿勢も見せる必要があります。
3-5.通常の方法で売却する
思い切って家を手放し、生活に余裕を取り戻すのも一つの選択肢です。
ただし、住宅ローンが残ったまま家を売却することはできません。
ローン中の家を売るときには、住宅ローンを全額返済し、金融機関の設定した抵当権を抹消してもらう必要があります。
住宅ローン残高よりも高く売れると理想的ですが、住宅ローンが残ってしまうときは自己資金で完済しなければなりません。
自己資金が不足するときは、買い換えローン(買い換え後の家の住宅ローンと、残ってしまった旧居のローンを合わせて借りる方法)を使う方法もあります。
ただし、買い換えローンは新居の担保価値を上回る金額を借りなければいけないので、審査が通りにくいです。
住宅ローンの支払いが厳しくなっているときは、高く売ることも大切ですし、競売の手続きが進行して状況が不利になってしまう前に早く売却しなければなりません。
そこで、売却するなら、出来る限り高くスムーズに売ってくれる不動産会社を探すことが重要です。不動産会社には得意分野や得意エリアがあるため、不動産会社選びによって売却価格や売却期間には差が出てきます。
ベストな不動産会社を見つけるためには、複数の不動産会社の査定を受けてしっかり比較するのがポイントです。
不動産会社の比較検討には、無料サービスの「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」が役立ちます。
「不動産売却 HOME4U」には、実績豊富な大手から地元密着型の企業まで多くの不動産会社が登録されていて、複数の不動産会社にまとめて査定依頼ができます。
複数社の査定額をしっかり比べることで、あなたの家を最も高く売ってくれそうな不動産会社を簡単に見つけられる仕組みになっているため、できるだけ高く家を売却して速やかに生活を立て直せるよう、ぜひ早めにご利用ください。

“リースバックという方法もある!”
せっかく手に入れたマイホームを手放すことには抵抗もあると思います。その場合には、リースバックという方法があります。
リースバックは、家を第三者に売却した後に、売却先と賃貸借契約を結び、売却した家に賃料を払って住み続けられる仕組みです。
必ず買い戻せるとは限りませんが、「買戻し特約」を付けることもできます。
周囲に知られにくいですし、愛着のある家に住み続けることができるので、不動産会社に相談してみましょう。
不動産売却については、以下の記事で詳しく解説しています。
3-6.任意売却を検討する
普通に売却しようとしたら住宅ローン残高よりも高く売れず、残った住宅ローンを自己資金で返済できない場合は、任意売却を検討してください。
任意売却は、債権者(金融機関)の同意を得た上で、家を売却する方法です。
なお、普通に売却することも「広い意味での任意売却」ですが、ここでは、債権者の同意を得て売却する「狭義の任意売却」について説明していきます。
任意売却には次のようなメリットがあるため、競売よりも有利です。
- 任意売却なら、競売にかけられるよりも高く売れる可能性がある。
- 銀行の同意を得れば、住宅ローンよりも高く売れなくても抵当権を抹消してもらえる。
- 残ってしまった住宅ローンを無理のない範囲に減らした上で、分割返済することを認めてもらいやすい。
- 売却代金から引っ越し代をもらえる可能性がある。
- 売却の諸費用も売却代金の中から差し引くので、自己資金の持ち出しがない。
任意売却は、「期限の利益の喪失」の後でも手続きは可能ですが、競売の開札期日の前日までに任意売却を完了しなければなりません。
任意売却を成功させるためには、できるだけ早めに任意売却の専門家に相談することが大切です。
任意売却は金融機関の同意を得なければならない点が通常の売却と異なります。
金融機関の立場から見ても、競売で安く売却されてしまうより、任意売却のほうが回収できる金額が多くなる可能性が高いというメリットがあるため、債務の一部を免除してもらえる可能性があります。
どのような条件を認めてもらえるかは金融機関との交渉次第なので、任意売却の知識や経験を持った不動産会社に相談するようにしてください。
なお、任意売却では悪質な業者によるトラブルもあります。
競売の公告が出た後に、任意売却を勧める連絡が入るかもしれませんが、費用を先払いで請求されたら疑ってください。仲介手数料は成功報酬なので先に払うことはあり得ません。
先払いしてしまったらその後連絡が取れなくなったというケースもあるので、騙されないようにしましょう。
任意売却については、こちらの記事もご覧ください。
3-7.リバースモーゲージ
リバースモーゲージはシニア層向けのローンで、「55歳以上」等の年齢制限があるのが一般的です。
自宅を担保にして融資を受けるというところは通常の住宅ローンと似ていますが、リバースモーゲージは融資を受けた後、生存中は毎月利息の支払いだけで、亡くなった時または契約期間終了後に自宅を売却して元本を返済します。
または、亡くなった時に、自宅を売却せずに相続人が債務を一括返済することも選べます。
なお、生活費やローンの返済、リフォーム等のための商品なので、事業資金や投資には利用できません。
リバースモーゲージの契約にあたっては、相続人全員の承諾が必要となります。ただし、相続人が残債務を一括返済しない限り、家を相続財産として残せないことに注意が必要です。
リバースモーゲージの借入可能額は、担保価値を考慮して決まります。
現在の住宅ローンの残高や延滞回数によっては借り換えできない可能性があるので、リバースモーゲージを扱っている金融機関に早めに相談してみてください。
住宅ローンを払えなくなった時は、自身の状況と照らし合わせて適切な対処法を取りましょう。
病気や怪我の場合は保険が下りるかもしれません。また家計を見直したり、住宅ローンの借り換えや銀行へ条件変更、年齢によってはリバースモーゲージという手段もありますね。競売にかけられる前に通常売却や任意売却するという手も。
滞納は時間が経つほど状況が深刻になるため、早急に手を打ちましょう。

4.住宅ローンが払えない場合にやってはいけないNG行動
住宅ローンが払えなくなっても、絶対にやってはいけないNG行動があります。NG行動は以下の通りです。
- キャッシングやカードローンからお金を借りる
- 夜逃げをする
以下で詳しく解説します。
4-1.キャッシングやカードローンからお金を借りる
住宅ローンの返済が滞っているからといって、キャッシングやカードローンの利用はNG行動です。
キャッシングやカードローンは、住宅ローンより金利が高く設定されています。特に借入額が大きくなればそれだけ利息も膨らみやすくなり、月々の返済額が増えてしまうからです。
一時的に住宅ローンの返済ができても、今度はキャッシングやカードローンの支払い額が増え、自転車操業になってもっと苦しい状況になってしまいます。
「とりあえず借りて返そう」と、消費者金融から借金をするということは絶対にやめましょう。
4-2.夜逃げをする
「全てを捨てて夜逃げをすれば楽になるかも」と考えるかもしれませんが、夜逃げはデメリットしかないNG行動です。
お金がないことを理由に夜逃げをして、新しく一からやり直そうと思っても、信用情報に傷がついた状態では新生活の資金調達が困難になります。
引っ越しにもお金がかかります。夜逃げをした後に住所が決まらなければ定職に就くことも難しいため、生活する手段がありません。
苦労して夜逃げをしても、戸籍や信用情報をリセットできるわけではないので、安易に夜逃げを選択しないでください。借金から逃げ回ることを理由に、住民票を登録しなければ保険証も使えず、日常生活にも支障が出ます。
また、住宅ローンには連帯保証人がいることを忘れないでください。自分が夜逃げをすれば、連帯保証人に残りの住宅ローンの返済がのしかかり、連帯保証人の人生にまで影響が及びます。
夜逃げをするほど追い詰められているのであれば、任意売却や自己破産を選択することもできます。ローンの返済が厳しいと感じたら、早めに金融機関に相談してください。

“持ち家があっても生活保護は受けられる?”
生活保護は国民の権利です。一生懸命住宅ローンを返済していたとしても、突然の不幸な出来事が重なり、一時的に生活が苦しくなってしまうことがないとはいえません。
住宅ローン支払い中の家を持っていても、生活が苦しくなった場合、生活保護が受けられるケースもあります。まずは、お住いの自治体の福祉事務所に相談してみてください。
持ち家があることは生活保護受給のハードルになりますが、家の条件によって相談してみる価値はあります。
生活保護を相談してみる価値があるケース(一例)
- 家を売っても資産にならない
- 家の売却後に住む場所を見つけられない
- 残りの住宅ローンが少ない、など
なお、生活保護費から住宅ローンを返済することは原則できません。
住宅ローンを払えない場合、お金を借りて返済したり、夜逃げをするのはNG!
基本的にお金を借りる場合は住宅ローンより金利が高いため、自転車操業になり、さらに自分の首を絞めてしまうことになります。夜逃げしても生活環境は好転せず、連帯保証人の人生も狂わせます。これらは根本的解決に至らないため、絶対にやめましょう!

まとめ
住宅ローンを払えないとどうなるのか、滞納期間ごとにお分かりいただけたのではないでしょうか。
競売には様々なデメリットがあります。住宅ローンを払えないからといってすぐに競売になってしまうわけではないので、競売を避けるためにそれぞれの段階で適切な対策を取ることが大切です。
住宅ローンを払えないときに検討する対策は以下の通りです。
- 保険が下りるか確認する
- 家計の見直し・融資・支払い猶予の検討
- 住宅ローンを借り換える
- 借りている銀行に条件変更を相談する
- 通常の方法で売却する
- 任意売却
- リバースモーゲージ
今すでに返済が遅れてお困りの方も、この先住宅ローン返済ができなくなりそうで悩んでいるという方も、この記事を参考に、今できることから解決のために行動を起こしてみてください。
住宅ローン返済の負担を軽くするためには、家の売却がおすすめです。家を売りたい方は「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」をご利用ください。「不動産売却 HOME4U」なら、全国2,500社の厳選された不動産会社から無料で査定を受けられます。
住宅ローンが払えなくなっている方は、早急に対処してください。すぐに競売にかけられるわけではないですが、その状況を放置していても状況は何も改善しません。
家を上手く売却できないか、ローンの条件を変更できないかなど、出来る限りの手を打ちましょう。切羽詰まると焦ってしまいますので、事前にいろいろな手段があることを認識して、早めに手をうちましょう。
お金を借りて返済したり、夜逃げすることだけは、根本的解決にならないので絶対にNGです。

この記事のポイント
住宅ローンが払えない時の解決策は以下通りです。
- 保険が下りるかどうか確認する
- 家計の見直し・融資・支払い猶予の検討
- 住宅ローンを借り換える
- 借りている銀行に条件変更を相談する
- 通常の方法で売却する
- 任意売却を検討する
- リバースモーゲージ
詳しくは「3.住宅ローンを払えないときに検討すべき7つの解決策」をご覧ください。
住宅ローンが払えないときにやってはいけないNG行動は以下の通りです。
- キャッシングやカードローンからお金を借りる
- 夜逃げをする
詳しくは「4.住宅ローンが払えない場合にやってはいけないNG行動」をご覧ください。

秋山 芳生
複数のベンチャー企業での上場経験を通じて資産構築をしFIREを達成。現在はFPとして講演・執筆・面談を行う傍らYouTube(チャンネル登録2万人以上)で情報発信するなどマルチに活動をしている。