マンションの売却方法と手順!高く売るためのポイントも解説

マンション 売却 方法

マンションの売却方法は、買取と仲介の2種類があります。それぞれで仕組みやメリット、デメリットが異なるため、ご自身の希望や現在の状況に合わせて適切な方法を選ぶことが大切です。
しかし、マンション売却が初めての場合、「買取と仲介の違いがそもそもわからない」という方も多いのではないでしょうか。

この記事では、マンション売却の基本的な仕組みや流れについて、図を見ながら簡単に理解できるように解説しています。
この記事をお読みいただくことで、ご希望に沿った形でマンション売却を進めることができますので参考にしてください。

「マンションを売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

1.マンション売却の仕組み

マンション売却の仕組み

マンションの売却活動をスタートさせる前に、まずはマンション売却の基本的な仕組みを理解しておきましょう。

マンション売却は、売主と買主の間で不動産会社が仲介し、売却手続きを行うのが基本です。売却希望者から正式に依頼を受けた仲介会社は、不動産流通機構(レインズ)に物件登録を行います。これによって、全国あらゆる所から買い手を見つけることが可能となります。

マンションを売るときに最初にすることは「不動産会社の査定を受けること」なのですが、マンションの査定にかかる費用は無料です。不動産会社の主な利益は、仲介した物件が売れた際に支払われる仲介手数料が該当します。

「仲介手数料がもったいない」と個人売買をする方もいますが、不動産売却では複雑な手続きや専門的な知識が必要な部分もあります。スムーズに不動産売却を行いたい方は、不動産会社の仲介や買取を利用してください。

2.マンションの売却方法

マンションの売却方法は仲介」と「買取の2種があります。それぞれ仕組みが異なるため、詳しく解説していきます。

2‐1.仲介による売却

仲介

仲介とは、「売主と買主の間に入り、不動産取引を成立させる方法です。不動産会社は売主との間で媒介契約を締結することで、仲介することが可能となります。仲介の場合、購入希望者を見つけるための広告活動は、不動産会社の仕事です。

仲介のメリットは、相場に近い価格で売却できる可能性が高いことです。相場から遠くない査定額であれば、相場に近い金額で買ってくれる買主を待つことができます。
また、買主を待つ間に、価格を付け直すこともできるため、価格に納得感がある取引が期待できることもメリットです。

デメリットは、買主を探すところからスタートするため、時間がかかることです。売却活動を開始してから引き渡しまで、3ヶ月から6ヶ月程度かかります。そのため、「少々時間はかかっても高く売りたい」という人に向いている方法です。

2‐2.買取による売却

買取

買取とは、不動産会社が直接物件を買い取って売却を成立させる方法です。仲介との違いは、売却する相手が不動産会社であることで、買主を探す手間が省けます。

買取を利用するメリットは、短期間で売却できることです。仲介の場合に行う販売活動や内覧対応などが必要ないため、条件が合えばすぐに手続きを進められます。

買取のデメリットは、仲介で売却するよりも安くなってしまうことです。買取の場合の売却価格の目安は、物件相場の8割程度と仲介より価格が下がります。

そのため、買取は急ぎで売却したい人や、すぐに現金化したい人におすすめです。

3.マンション売却の手順

マンション売却の手順

マンション売却を成功させるためには、まずは売却の手順をおさえておきましょう。
順番にご紹介しますので、参考にしてください。

3‐1.相場価格を調べる

まずは、売りたい物件の売却相場を調べることから始めます。売却を依頼する前にご自身で相場を調べておく理由は、不動産会社から提示される査定額が「妥当かどうか」を見極めるためです。より高く売るためには、そもそもの相場を把握しておきましょう。

売却相場を調べる方法は、次の3種類です。

  • レインズ・マーケット・インフォメーション
  • 不動産情報ライブラリ
  • 中古住宅HOME4U

レインズマーケットインフォメーションは、不動産流通機構が運営するサービスです。実際に売買された物件の、価格や築年数間取りなどの様々な情報が公開されています。
売りたい物件と似た条件の物件の売却価格を知ることができるため、より現実的な相場を知ることができます。

不動産情報ライブラリは、国土交通省が提供する不動産情報サイトです。掲載されている様々な情報のうち、『不動産取引価格情報』では、実際に不動産取引を行った人を対象としたアンケート結果から作成した取引価格を確認できます。実際の成約価格が分かるため、信用性の高い情報を得ることができます。

中古住宅HOME4Uのような物件購入サイトでは、売却活動を行っている物件を見ることができます。自分のマンションに近い物件を見つけて、売却価格の参考にしてください。

自分で相場を調べる方法については、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ご参考ください。

不動産相場を自分で調べる方法

3‐2.不動産会社に査定を依頼する

物件の売却相場を調べたら、実際に査定を依頼しましょう。不動産会社が行う査定方法は、机上査定訪問査定の2種類があります。

机上査定は、現地へ直接訪問はせずに、物件の情報をもとに評価する方法です。対して、訪問査定は担当者が現地を訪問し、物件を直接見て評価する方法です。

まずは、机上査定で査定価格を提示してもらい、大まかな売却価格を把握しましょう。本格的に売却を検討するのであれば、訪問査定を依頼するという流れになります。
査定は複数社に依頼し、各社から提示される査定結果を見て比較検討しましょう。その中から一社を選び、訪問査定を依頼してください。

複数社への査定依頼は、「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」の利用がおすすめです。マンション売却を得意とする不動産会社が、かんたんに見つかります。

HOME4Uマンションプライスの売却査定

3‐3.媒介契約を結ぶ

売却活動を依頼する不動産会社を決めたら、媒介契約を締結します。媒介契約とは、不動産会社に仲介を依頼するために必要な契約です。

媒介契約は、3種類あります。

一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
同時に複数の不動産会社と契約 × ×
自分で買主を見つける ×
契約の有効期間 指定なし(基準は3ヶ月以内) 3ヶ月以内 3ヶ月以内
レインズへの登録義務 なし あり あり
売却活動の報告義務 なし 14日に1度 7日に1度

媒介契約の種類によって、複数社との契約や、自分で買い手を見つけられるかどうかなど、活動できる範囲に違いがあります。また不動産会社によって契約できる種類も異なるため、契約前に必ず確認しましょう。

媒介契約については、下記の記事でも詳しく解説しています。

3‐4.物件の売り出しを開始する

媒介契約の締結が完了したら、購入希望者を見つけるために、物件の売り出しを開始します。物件の広告活動や買主との内覧の日程調整などは、不動産会社が全て行なってくれます。この時売主が行うことは、内覧準備と、内覧対応です。

不動産会社は、インターネット広告やチラシなどを使って内覧希望者を募集します。内覧を希望する人からの問い合わせを受け、内覧日の調整を行います。内覧当日は売主が立ち会って物件の説明や、内覧者からの質問に答えるのが基本です。

内覧の際に好印象を持ってもらえるよう、お部屋は事前に掃除しておきましょう。物件選びの際、特に気になる水回りや玄関などは優先的に掃除し、清潔さと明るさが感じられるような状態にしておくことが大切です。

3‐5.売買契約を結ぶ

内覧後に、正式に購入の申し込みがあれば売買契約を締結します。

売買契約時に行うことは、契約書の読み合わせや押印、買主から売主に対する手付金の支払いなどです。売買契約は、買主と売主だけでなく双方の仲介担当者も同席の元で行われます。この時支払われる手付金の相場は、売買価格の5%が基本です。3,000万の物件を売却する場合、150万円程度用意してください。

売主は、不動産会社に対して仲介手数料を支払います。このとき支払う仲介手数料は50%で、残りの50%は決済日当日に支払います。

3‐6.マンションの引き渡し

物件の引き渡しは売買契約の締結後、1ヶ月ほどで行われます。引き渡しの当日は売主と買主のほかに、不動産会社の営業担当者、司法書士、銀行担当者が同席の元で行われます。

この時、買主は残っている残金を支払わなくてはなりません。売主は、住宅ローンの完済手続きや、抵当権抹消登記などを行い、不動産会社に対して残りの仲介手数料50%の支払いも済ませます。
決済が終われば、契約内容を再度確認した上で鍵や書類を引き渡します。これで、マンション売却成立です。

3‐7.確定申告をする

マンションを売却すると譲渡所得が発生しますので、確定申告を忘れずに行いましょう。
譲渡所得とは、不動産などの資産を譲渡した際に発生する所得です。不動産売却で譲渡所得が発生する場合は税金がかかり、譲渡損失が発生する場合、税金はかかりません。

譲渡所得の計算式は以下の通りです。

譲渡所得 = 譲渡価格 - 取得費 - 譲渡費用

確定申告は、マンションを売却した翌年の2月16日から3月15日の間に行います。
譲渡損失が発生した場合も、損失繰越のための特例を利用するためには確定申告が必要ですので、忘れないようにしてください。

4.マンション売却にかかる費用と税金

マンション売却にかかる費用と税金

マンション売却には、以下の税金と費用が発生します。

項目 費用の目安
仲介手数料 法律上で決まった上限額による
印紙税 1万~3万円
譲渡所得税 売却利益×所有期間に応じた税率
抵当権抹消費用 1.5万~2万円
ローンの一括返済にかかる費用 1万~3万円が相場
その他の諸費用 項目により異なる

それぞれ詳しく解説していきます。

4-1.仲介手数料

仲介手数料とは、マンション売却の仲介を依頼した不動産会社に対して支払う手数料のことです。仲介手数料の上限額は、宅建業法で以下の金額に制限されています。

不動産の取引額 仲介手数料(消費税別)
200万円以下 取引額×5%
200万円超から400万円以下 取引額×4%+2万円
400万円超 取引額×3%+6万円

仲介手数料は高額になるため、余裕をもって資金計画を立てておきましょう。不動産会社によっては仲介手数料を安くしてくれたり、無料で行ってくれたりする場合もあるため、一度相談してみることをおすすめします。

4-2.印紙税

印紙税とは、売買契約の際に交わす売買契約書などの課税文書に対して課される税金のことです。印紙税の金額は、マンションを売却する金額によって異なるため、確認が必要です。
契約金額に対する税率を、以下の表にまとめました。

契約金額 本則税率 軽減税額
500万円超〜1,000万円以下 1万円 5千円
1,000万円超〜5,000万円以下 2万円 1万円
5,000万円超〜1億円以下 6万円 3万円
1億円超〜5億円以下 10万円 6万円

参考:No.7108 不動産の譲渡、建設工事の請負に関する契約書に係る印紙税の軽減措置|国税庁

なお、令和6年の3月31日までに作成された契約書には、軽減税額が適用されています。

4-3.譲渡所得税

譲渡所得税とは、マンション売却で利益が発生した場合に課税される税金のことです。マンション売却によって譲渡所得が発生した場合は、確定申告が必要です。譲渡所得税は、住民税、所得税、復興特別所得税の総称でもあります。

譲渡所得税の税率は、マンションの保有期間によって異なります。

保有期間 区分 税率
保有期間が5年超 長期譲渡所得 譲渡所得に対して20.315%(所得税と復興特別所得税で15.315%+住民税5%)
保有期間が5年以下 短期譲渡所得 譲渡所得に対して39.63%(所得税と復興特別所得税で30.63%+住民税9%)

譲渡所得の計算方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

4-4.抵当権抹消費用

抵当権抹消費用は、売却するマンションに住宅ローンが残っている際に必要となる費用です。抵当権はローンを完済してからでなければ抹消できないため、ローン完済後に抵当権の抹消手続きを行います。

抵当権の抹消手続きは司法書士に依頼するため、依頼報酬として1.5万〜2万円円ほどかかります。また登録免許税が不動産1個につき1,000円かかります。

4‐5.一括返済にかかる費用

マンション売却時に住宅ローンの残債がある場合は、ローンの一括返済が必要です。

一括返済のために金融機関に支払う際、手数料として1万円~3万円程度かかります。金融機関によって手数料の金額が異なるため、確認しておきましょう。

4‐6.その他の諸費用

前述した費用以外にも、以下の諸費用が発生します。

ハウスクリーニング費用 約10万円
引っ越し費用 エリアや時期によって変動する
測量費
  • 現況測量費が、35万〜45万円
  • 確定測量費が、60万〜80万円

ハウスクリーニングは必須ではありませんが、汚れが気になる場合や、内覧時の印象にマイナスな影響を与えるような状態であれば、依頼した方が良いかもしれません。

引っ越し費用はエリアによって異なるので、依頼する引越し業者に確認しましょう。
どちらも不動産会社に一度相談してみることをおすすめします。

5.マンションを高く売るためのポイント

マンションを高く売るためのポイント

マンションを高く売るためには、次の3つのポイントをおさえておきましょう。

  • 複数の不動産会社に査定してもらう
  • 高く売れる時期を狙って売却する
  • 仲介で売却する

一つずつ解説します。

5‐1.複数の不動産会社に査定してもらう

不動産査定は、必ず複数社に査定を依頼しましょう。実は、不動産査定で提示される価格は、不動産会社によって差があります。差が出る理由は、不動産査定のルールが明確に決まっていないためです。

それぞれの不動産会社が独自の基準で査定を行っているため、数百万円の金額差が出ることも珍しくありません。また不動産会社によって得意な物件の種別やエリアが異なるため、売りたい物件の売却が得意かどうか、売却実績なども比較して選んだ方が良いためです。

複数社から提示された査定結果を元に、安心して依頼できる不動産会社を決めましょう。

5‐2.高く売れる時期を狙って売却する

マンションを高く売るためには、売却するタイミングも大切です。不動産は1年を通して、購入需要が高まる時期があります。

特に需要が高まる時期は、1月から3月にかけてです。この時期は、異動に伴う転勤、就職、子供の進学など住まいを新たに探す人が増えます。購入希望者が増えるだけでなく、「急ぎで探したい」という方も多い時期なので、売り手が希望する条件で売却しやすくなります。

季節要因だけでなく、築年数や市況などもマンションの売却価格に影響するため、売却を検討されている場合は、これらの情報を細かくチェックして、ベストなタイミングを見極めましょう。

5‐3.仲介で売却する

マンションを高く売りたいなら、仲介で売却をしましょう。
不動産売却には仲介と買取の2種類の方法がありますが、買取の場合は仲介で売却するよりも売却価格が下がってしまいます。

仲介であれば、相場に近い価格で売却できるだけでなく、不動産会社の間で競争も起きるため、相場よりも高い価格で売却できる可能性もあります。

仲介を利用してより高く売るためには、依頼する不動産会社選びがとても重要ですので、査定時の見極めは慎重に行なってください。

6.マンション売却でよくある失敗

マンション売却でよくある失敗

マンション売却を成功させるためには、よくある「失敗」を知っておくことが大切です。
マンション売却でよくある失敗を、以下にまとめましたので参考にしてください。

  • 売却活動に十分な時間が確保できていない
  • 1社にしか査定依頼をしていない
  • 住宅ローンの残債や売却にかかる費用を事前に把握していない
  • 売り出し価格を高く設定し過ぎる
  • 売却活動の内容を確認せずに任せてしまう
  • レインズに登録しない媒介契約を選んでしまう
  • 内覧の印象が悪い
  • 相場より低い価格で売却してしまう

このような失敗が起きる原因は、自己判断で決めていることが挙げられます。マンション売却では、専門的な知識が必要であることはもちろん、事前に確認、準備しておくことがたくさんあります。

知識不足な状態で売却活動を進めてしまうと、損をしてしまうことになるので、専門知識を持った不動産会社に必ず相談することが失敗を防ぐポイントです。

7.マンションを売るならどこに相談すればいい?

マンションを売るなら、まずは不動産会社に相談をしましょう。不動産会社を探すなら、一括査定サイトが便利です。

一括査定サイトとは、ネットからかんたんな情報を入力するだけで、一度に複数の不動産会社に査定を依頼することができるサイトです。一括査定サービスを使うなら、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」が安心です。

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まとめ

マンションの売却方法は「仲介」と「買取」の2種類あります。それぞれ売却期間や仕組みが異なりますので、ご自身の状況や、売却活動に充てられる期間など含め、どちらが向いているか判断することが大切です。
より高く売りたい場合は仲介、できるだけ早く売却したい場合は買取が向いています。マンション売却を成功させるためには、仕組みを理解した上で複数社に査定を依頼することが重要です。提示された査定額だけでなく、不動産会社との相性や売却実績など総合的に判断して、売却を依頼する会社を選びましょう。

この記事のポイント

マンションの売却方法は?

マンションの売却方法は、仲介と買取の2種類があります。

詳しくは「2.マンションの売却方法は?」をご覧ください。

マンション売却の手順は?

マンションの売却手順は以下の通りです。

  1. 相場価格を調べる
  2. 不動産会社に査定を依頼する
  3. 媒介契約を結ぶ
  4. 物件の売り出しを開始する
  5. 売買契約を結ぶ
  6. マンションの引き渡し
  7. 確定申告をする

詳しくは「3.マンション売却の手順」をご覧ください。

マンションを高く売るためにはどうすればいいの?

マンションを高く売るためのポイントは以下の通りです。

  • 複数の不動産会社に査定をしてもらう
  • 高く売れる時期を狙って売却する
  • 仲介で売却する

詳しくは「5.マンションを高く売るためのポイント」をご覧ください。