更新日:2024.11.06 不動産売却の基礎講座, 不動産売却のノウハウ 登記簿謄本(登記事項証明書)はオンラインでも取得できる!メリットや注意点も併せて解説 不動産の売却や購入、相続、贈与ばど、不動産取引の際にはさまざまな書類を用意しますが、そのうちの一つが登記簿謄本(登記事項証明書)です。 本記事では、登記簿謄本(登記事項証明書)の概要や、オンラインで取得するメリット、オンラインでの申請手順について解説します。この記事を読めば、書類の基礎知識や取得方法に対する理解が深まるので、ぜひご一読ください。 この記事を読むと分かること 登記簿謄本(登記事項証明書)の基礎知識 登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインで取得するメリットや注意点 登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインで取得する手順 不動産の売却について調べている方は『不動産売却の流れ7ステップを図解』も併せてご覧ください。 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.そもそも登記簿謄本(登記事項証明書)とは?2. 登記簿謄本(登記事項証明書)の種類3. 登記簿謄本(登記事項証明書)はオンラインでも取得できる4. 登記簿謄本(登記事項証明書)のオンラインでの申請手順まとめ 1.そもそも登記簿謄本(登記事項証明書)とは? 登記簿謄本(登記事項証明書)とは、不動産に関する情報を記した公的な書類のことです。主に所在地や広さといった「不動産の概要情報」と、現在の所有者や抵当権設定といった「権利関係の情報」が記載されています。 土地・建物などの不動産を売買したり、所有権を移転したりする場合には、不動産の登記手続き(登記簿に記録すること)が必要です。登記簿謄本(登記事項証明書)があれば、対象の不動産にまつわる権利関係を第三者へ証明できます。 例えば、不動産を購入する際、売主がその不動産の所有者であることを口頭で伝えられても、買主はそれが事実かどうかはわかりません。登記簿謄本(登記事項証明書)に記された所有者の名前をチェックし、売主が提示した身分証明書の情報と照合することで、初めて所有権の有無を確認できるようになります。 なお、登記簿謄本(登記事項証明書)については「登記簿謄本(登記事項証明書)とは?種類や記載内容、取得方法」でも詳しく解説しているので、併せてご覧ください。 1-1.登記事項証明書と登記簿謄本の違い 登記事項証明書は、登記簿謄本と呼ばれることもありますが、基本的に同じものと考えて構いません。なぜなら、情報の処理方法が異なるだけで、証明できる内容は変わらないからです。 以前は、不動産の登記情報は「登記簿」という紙媒体に直接記載されていました。登記簿の原本の写し(コピー)が登記簿謄本に該当しますが、これは謄本という言葉が「原本の内容を転写した文書」を意味することに関連しています。 IT技術が発展した現代において、不動産の登記情報はコンピューター上にデータ形式で保存されています。そのデータを専用用紙にプリントアウトして証明書として発行したものが、登記事項証明書です。 つまり、現在の正式名称は登記事項証明書ですが、証明内容自体に違いはないため、今でも登記簿謄本の名称が広く用いられています。 1-2.登記簿謄本(登記事項証明書)が必要なタイミング 登記簿謄本(登記事項証明書)は、所定の手続きを踏めば、原則として誰でも取得・閲覧でき、対象の不動産を所有していない方でも、登記情報を確認することが可能です。 登記簿謄本(登記事項証明書)は、主に以下のタイミングで必要になります。 必要なタイミング 情報の入手方法 不動産を購入するとき(翌年の確定申告) 不動産を売却するとき(特例を適用する際の確定申告) 不動産を相続するとき 住宅ローンを利用するとき 住宅ローン控除を申請するとき 発行・取得 自宅を担保にする際、所有権を確認したいとき 不動産を複数人で所有していて、その不動産に対する持分を確認したいとき 閲覧 【無料】一括査定依頼スタート なお、不動産売却時の必要書類については、「不動産売却時の必要書類と取得方法を解説」「土地売却の必要書類|提出タイミングと揃え方のコツを解説」でも紹介しています。取得方法や提出タイミングについて詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。 2. 登記簿謄本(登記事項証明書)の種類 登記簿謄本(登記事項証明書)は、以下の4種類に分けられます。 全部事項証明書 現在事項証明書 一部事項証明書 閉鎖事項証明書 各書類の概要やポイントを解説します。 2-1.全部事項証明書 全部事項証明書とは、対象となる不動産の登記に関するすべての事項を記載した証明書のことです。現在の情報はもちろん、過去の所有者、権利関係、変更履歴なども含めて細かく記載されています。 必要な証明書がわからない場合には、この全部事項証明書を取得しておくと、ほとんどのケースに対応できます。 ただし、後述する「閉鎖事項証明書」の内容は含まれていないため、その点には注意しましょう。 2-2.現在事項証明書 現在事項証明書とは、現在効力がある登記情報をすべて記載した証明書のことです。全部事項証明書と違い、過去の情報は記載されていないため、現在有効な情報だけに特化して証明できます。 「今は誰が所有者なのか」「現状どのような権利がついているのか」といった情報が知りたい際に役立つでしょう。 2-3.一部事項証明書 一部事項証明書とは、全部事項証明書から一部の情報を抜粋した証明書のことです。 マンションなどの集合住宅では各部屋の住人と1つの土地を共有しますが、その人数が100~200人になるケースも珍しくありません。その際に全部事項証明書を取得すると、自分以外の住人の登記事項も含めるためページ数が膨大になり、取引や証明の資料として使いづらくなります。 一方、一部事項証明書なら必要な情報だけに絞って取得・閲覧できるため、取引や証明もよりスムーズに進められます。 2-4.閉鎖事項証明書 閉鎖事項証明書とは、すでに閉鎖された不動産の登記情報を記載した証明書のことです。 土地が合筆(がっぴつ、ごうひつ)で一つにまとめられたり、建物が取り壊されたりして不動産が消滅すると、それ以降は登記情報が閉鎖され、更新も停止されます。閉鎖された登記情報は全部事項証明書からも除外されるため、この閉鎖事項証明書が唯一の確認手段になるということです。 なお、閉鎖事項証明書には保存期間が定められています。建物登記簿は30年間、土地登記簿は50年間です。 ただし、1988年(昭和63年)7月1日以前に閉鎖された土地・建物の登記簿については、例外的に20年間と定められています。 3. 登記簿謄本(登記事項証明書)はオンラインでも取得できる 登記簿謄本(登記事項証明書)の取得方法は、大きく分けると以下の3種類です。 オンラインで申請する 法務局の窓口へ行って申請する 不動産を管轄する法務局に郵送で申請する 登記簿謄本(登記事項証明書)の申請は、オンラインで行なうのが便利です。パソコンだけでなく、タブレットやスマートフォンでも申請できるため、ぜひ活用しましょう。 そこで本章では、オンライン申請のメリットや注意点を解説します。 オンライン以外の方法での登記簿謄本(登記事項証明書)の申請について知りたい方は「登記事項証明書の申請書はどこでもらえる?書き方や下準備、発行にかかる時間も」をご覧ください。 3-1.オンライン申請のメリット オンライン申請のメリットには、主に以下の3点が挙げられます。 手数料が安い 時間を節約できる 受付時間が長い これらは窓口申請や郵送申請にはないメリットであるため、ぜひ確認しておきましょう。 3-1-1.手数料が安い 法務局(登記所)の窓口で申請する際は、手数料として600円を支払わなければなりません。郵送申請の場合でも、手数料として600円分の収入印紙が必要です。 一方、オンラインで申請する場合、窓口交付なら480円、郵送交付でも500円で済みます。 参考:“登記手数料について”. 法務局 なお、登記簿謄本(登記事項証明書)の内容を閲覧するだけなら、法務局の「登記情報提供サービス」でも申請が可能です。不動産の所有者に関する情報のみ記載された「所有者事項」か、すべての登記情報が記載された「全部事項」をPDF形式でダウンロードできます。 登記情報提供サービスで申請する場合、1通あたりの手数料は所有者事項で142円、全部事項で332円です(いずれも協会手数料を含む)。目的が閲覧のみであれば、こちらの利用をおすすめします。 3-1-2.時間を節約できる 自宅や勤務先から遠い場所に法務局がある場合、窓口申請をしようとすると時間と手間がかかります。窓口に向かうために電車やバスを利用すると、交通費も負担しなければなりません。 一方、オンライン申請であれば、パソコンやスマートフォンから簡単に手続きができます。郵送交付にも対応しているため、自宅から一歩も出ることなく取得可能です。 時間・手間・交通費を節約できるオンライン申請は、忙しい方に最適なサービスといえます。 3-1-3.受付時間が長い 窓口申請の場合、受付時間は平日の午前9時~午後5時です。郵便局の営業時間も平日夕方までというケースがあるため、収入印紙や切手を購入するなら日中に行かなければなりません。 一方、オンライン申請の受付時間は平日の午前8時30分~午後9時です。働いている方でも、比較的申請しやすいといえるでしょう。 3-2.オンライン申請の注意点 オンライン申請は非常に便利なシステムですが、以下のような注意点もあります。 不動産の正確な情報が必要 郵送交付だと時間がかかる 無用なトラブルを避けるためにも、これらの注意点を把握しておきましょう。 3-2-1.不動産の正確な情報が必要 登記簿謄本(登記事項証明書)を申請する際には、その不動産の登記情報とまったく同じ正確な住所が必要です。地番や家屋番号も事前に確認しておかなければなりません。 正確な住所については、権利証や固定資産税の納税通知書などに記載されているので、目を通しておきましょう。 3-2-2.郵送交付だと時間がかかる オンライン申請の郵送交付は受け取りに行く手間が省けるという点で便利ですが、交付に時間がかかるというデメリットもあります。法務局は土日祝日が休業日であるため、金曜夜に申請すると最短でも月曜発送、火曜以降の到着になります。 一方、窓口交付は管轄法務局へ営業時間内に行かなければなりませんが、即日で発行・受け取りが可能です。そのため、急ぎなら窓口交付を選択することをおすすめします。 4. 登記簿謄本(登記事項証明書)のオンラインでの申請手順 登記簿謄本(登記事項証明書)をオンラインで取得する場合、以下のような手順で申請します。 法務局の「登記・供託オンライン申請システム」にアクセスする インターネットブラウザを起動し、登記・供託オンライン申請システムにアクセスします。 申請者情報登録を行なう(初回のみ) ページを下にスクロールし、「これからご利用を開始する方>申請者情報登録」を選択します。利用規約が表示されるため、内容を確認してから「同意する」を選択してください。 そして、画面の指示に沿って、氏名・住所・電話番号など必要事項を入力します。 証明書の請求書を作成する トップページの「各種サービス>かんたん証明書請求」を選択し、登録したID・パスワードでログインします。 「不動産」を選択し、必要事項の入力を済ませたら、4種類の登記簿謄本(登記事項証明書から取得したいものを選択しましょう。 交付方法を選択する 「窓口受取」か「郵送」を選択し、必要事項を入力します。 手数料を納付する 納付情報を入力し、請求書を作成・送信します。申請が受理されたら、インターネットバンキングまたはPay-easy(ペイジー)で手数料を電子納付してください。 出典:“登記・供託オンライン申請システム”. 法務局. (参照2024-03-29) 【無料】一括査定依頼スタート まとめ 登記簿謄本(登記事項証明書)とは、不動産の情報や権利関係を記した公的な書類です。不動産売買を行なったり、住宅ローンを利用したりする際に必要になります。 パソコンやスマートフォンがあれば、オンライン申請での取得も可能です。手間がかからないうえに、ほかの申請方法より手数料が安くなるため、利用してみてはいかがでしょうか。 「自宅を売却したい」「住み替えを検討している」という方は、NTTデータグループが運営する不動産一括査定依頼サービス「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」をぜひご利用ください。