住宅ローン金利はどのタイプがおすすめ?近年の金利推移も紹介

住宅ローン金利 どのタイプがおすすめ?

住宅ローンの金利タイプは、「全期間固定金利型」「変動金利型」「固定金利期間選択型」に大別できます。しかし、それぞれの特徴や選び方がわからない方もいるでしょう。

本記事では、2024年1月現在の住宅ローンの金利推移や代表的な金利タイプの特徴、変動金利型、固定金利期間選択型を選択する際の注意点などについて紹介します。

この記事を読むと分かること
  • 2024年(令和6年)1月現在の住宅ローンの金利推移
  • 住宅ローンの金利タイプの種類
  • 自分におすすめの金利タイプ
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1.2024年1月最新|住宅ローンの金利推移について

過去の住宅ローンの金利推移を見ると、1990年(平成2年)には金利が一時期8.5%まで上昇しました。しかし、日本銀行によるゼロ金利政策がスタートした1999年(平成11年)2月以降は、ほぼ低金利水準を維持しています。

以下のグラフは、1984年(昭和59年)以降の住宅ローンの金利推移を金利タイプ別に表したグラフです。

住宅ローンの金利動向

引用:“【フラット35】民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)”. 住宅金融支援機構. (参照2024-03-29)

変動金利について、2024年(令和6年)1月時点では大きな変化は見られず、低金利水準を維持しています。

一方、固定金利に関しては、2023年(令和5年)12月時点では金融機関によって対応が異なり、金利を上げたところも下げたところもありました。しかし2024年(令和6年)1月現在、全期間固定金利・10年固定金利のどちらも、金融機関の多くで金利が引き下げられています。

金利は、国内・海外の経済状況や金融情勢などの影響を受けて変動します。住宅ローンの借り入れを検討している方は、金利の推移をこまめにチェックすることをおすすめします。

2.金利タイプの種類

住宅ローンの金利タイプとして代表的なのは、「全期間固定金利型」「変動金利型」「固定金利期間選択型」の3種類です。

15_金利の種類

本章では、それぞれの金利タイプの特徴やメリット・デメリットを紹介します。

2-1.全期間固定金利型

全期間固定金利型とは、借入を行なった時点で借入金利が確定し、ローンを完済するまで変動しない金利タイプのことです。固定金利の住宅ローン金利水準は、長期金利(金融機関が1年以上の資金の貸し借りに適用する金利)に連動しやすい、という特徴があります。

全期間固定金利型の最大のメリットは、借入後に金利が大幅に上昇した場合にも、返済額が変わらないという点です。借入段階で返済額が決まるため、返済計画を立てやすいでしょう。

一方のデメリットは、借入後に金利が下がった場合でも返済額は下がらない、という点です。また、全期間固定金利型では、変動金利よりも高い金利が設定されているのが一般的です。

2-2.変動金利型

変動金利型とは、経済の状況によって定期的に金利が変化する金利タイプのことです。変動金利型の金利は、半年ごとに見直されます。

変動金利型を選ぶメリットは、金利が固定金利よりも低いため、利息が少なく済むという点にあります。また、金利が下がった場合、最終的な返済総額が下がる可能性もあります。

さらに、変動金利型には、以下のような2つのルールが適用され、急激な金利上昇が起こった場合にも、家計の負担をある程度軽減することができます。

  • 5年ルール:金利が見直されても、5年間は返済額が変わらない
  • 125%ルール:金利が上昇しても、これまでの125%以上の返済額にはならない

一方、変動金利型のデメリットは、最新の経済動向により金利が常に変化するため、返済額が安定しない、という点にあります。また、金利が上昇した場合には、返済額が増えるリスクもあります。

2-3.固定金利期間選択型

固定金利期間選択型とは、「当初5年間は金利○%」といったように、ある一定期間中は固定金利が適用される金利タイプのことです。その後、固定金利期間が終了する際に、新たな金利タイプの選択を行ないます。

固定金利期間選択型を選ぶメリットは、固定金利の期間中は返済額が明確になる点です。

また、固定金利期間が終わった時点の金利の状況を見て、自分にとってベストな金利タイプを選ぶことも可能です。変動金利に切り替えることもできますし、引き続き固定金利を選ぶこともできます。引き続き固定金利を選んだ場合には、選択時点での金利が適用されます。

一方のデメリットは、「5年ルール」「125%ルール」が適用されないため、借入後に金利が大幅に上がった場合、返済額も大幅に増えるリスクがある、ということです。固定金利期間後に変動金利を選択した場合には、その後の返済計画も立てにくくなるでしょう。

さらに、固定金利期間選択型は、変動金利型よりも高い金利が設定されているケースが多い、という点にも注意が必要です。

3.それぞれの金利タイプはどのような方におすすめ?

住宅とクエスチョンマーク

住宅ローンを組む際に、どの金利タイプを選ぶべきか迷う方も多いでしょう。

そこで、それぞれの金利タイプに向いている方の特徴を以下の表にまとめました。

全期間固定金利型
  • 金利や返済額が変化するのが不安な方
  • 金利や経済動向を追うのが苦手な方
  • 借入期間が長い方
変動金利型
  • なるべく利息を減らして返済額を抑えたい方
  • 金利が変動しても預貯金で返済できる余裕のある方
  • 定期的に金利や経済動向をチェックできる方
  • 借入期間が短い方
固定金利期間選択型
  • しばらくの間は返済額を安定させたい方
  • 一定の期間が過ぎれば収入が安定する見込みがある方

どの金利タイプを選ぶべきかは、ライフスタイルやリスクへの許容度によって異なります。それぞれの金利タイプのメリット・デメリットを踏まえて、慎重に検討しましょう。

4.変動金利型・固定金利期間選択型にする際の注意点

家と電卓

変動金利型または固定金利期間選択型を選ぶ際には、注意点をしっかりと理解しておく必要があります。

前述のとおり、変動金利型と固定金利期間選択型は金利が下がれば返済額も減りますが、金利が上がった場合には、返済額も増えるリスクがある点に注意しましょう。

例えば、借入額2,000万円、借入期間35年、元利均等返済、金利0.5%で、金利に変動がなかった場合と、借入から10年後に金利が3.0%まで上昇してしまった場合のシミュレーションを見てみましょう。

条件 返済額
全期間、金利0.5%で変わらなかった場合 毎月の返済額:51,916円
総返済額:2,180万4,720円
利息額:180万4,720円
10年後、金利3.0%に上昇した場合 毎月の返済額:69,415円
総返済額:2,705万4,513円
利息額:705万4,513円

このように、金利が変われば返済総額や利息額も大きく変動するのです。経済情勢によって金利が大幅に上がった場合、元金がまったく減らない可能性もあります。利息が返済額を超えた結果、未払い利息が発生することも考えられるでしょう。

4-1.未払い利息とは?

未払い利息とは、変動金利で金利が激しく上昇した結果、返済額を上回って未払いとなってしまう利息のことです。

未払い利息が発生した場合、毎月ローンを返済していても元金は減らない、という状況に陥ります。仮にそのまま元金が減らず完済時期を迎えた場合、残っている未払い利息や元金は、原則、全額一括で返済しなければなりません。

5.金利タイプで迷ったら、ミックスローンという選択肢もある

マンションのミニチュア

もし金利タイプ選びで迷ってしまい決められない場合は、ミックスローンを組む方法もあります。

ミックスローンとは、住宅ローンを組む際に、2つの異なる種類の金利を組み合わせて借入を行なうことです。例えば、5,000万円の住宅ローンを組む際に、3,000万円は固定金利、2,000万円は変動金利にするといった組み方が可能です。

さらに、返済期間をミックスできる金融機関もあります。例えば、住宅ローン5,000万円のうち、3,000万円は返済期間30年、2,000万円は返済期間15年のように、異なる返済期間を設定することができるのです。

ミックスローンを組むメリットは、金利が変動した際のリスクを軽減できる点にあります。また、ライフプランに合わせて柔軟に住宅ローンをカスタマイズできる、という利点も見逃せません。

一方のデメリットは、金利変動の際のリスクは軽減できるものの、各金利タイプで得られるメリットも分散してしまう点にあります。さらに2つの住宅ローンを組むことになるため、手数料などの費用が2倍かかる可能性もあります。

金融機関によっては、ミックスローンを組んでも1つの契約とみなす場合もあるため、まずは利用を検討する金融機関に確認してみましょう。

参考:“住宅ローン ミックスとは”. auじぶん銀行

まとめ

最新の住宅ローンの金利推移を見ると、変動金利については低金利水準を維持している状態です。一方で固定金利に関しては、2024年(令和6年)1月現在、多くの金融機関で金利が下降傾向にあります。国内外問わず、今後の経済の動向をしっかりと追う必要があるでしょう。

代表的な住宅ローンの金利タイプには、「全期間固定金利型」「変動金利型」「固定金利期間選択型」の3種類があります。また、金利タイプ選びに悩んだ場合には、「ミックスローン」を選択する方法もあります。

それぞれの金利タイプの特徴やメリット・デメリットを事前に理解して、自分に合った金利タイプを選びましょう。

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