何が違う?リバースモーゲージとリースバックの仕組みからメリットまで詳しく解説

ますます物価が高まっていくこの時代。
老後資金の不安なく過ごすための選択肢として「リバースモーゲージ」と「リースバック」が注目されるようになりました。

2つの方法は「自宅を手放さずに資金を調達できる」という点で同じためよく混同されやすく、「リバースバック」といった誤った言葉まで使われることがあります。
この記事では、それぞれの違いを理解し、検討していくために以下について解説します。

「不動産を住み替えたい」と悩んでいる方へ
  • 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう
  • ※依頼する6社の中での最高価格

  • 「NTTデータグループ会社運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

1.リバースモーゲージとは家を担保にお金を借りる仕組み

リバースモーゲージは、自宅を担保に金融機関からお金を借りる仕組みです。
高齢者向けのローンで、老後の生活資金や医療費、住居の改修費用など、幅広い用途で利用できます。

リバースモーゲージの特徴は、返済の方法にあります。
ローンであるため元本に対して年利2.5~3%程度(各金融機関に商品や、経済動向で異なります。)の利息が発生しますが、契約者の存命中は毎月利息だけを返済します。

元本の返済は、契約者が亡くなった後に、担保にした不動産を売却して完済します。
ただし、契約中に一括完済する場合や、相続人が現金で完済する場合はその限りではありません。

リバースモーゲージの仕組みとは

リバースモーゲージは、毎月の返済額が少ないため、まとまった資金を得ながら固定費を抑えられる点で優れていると言えます。

ポイント

リバースモーゲージで借り入れられる金額は、自宅の担保評価額の50~70%程度です。
低金利の住宅ローンに比べて金利は高く、主に変動金利で2.5~3%が相場です。(2025年2月時点)
契約者の亡くなった後、自宅の売却で元本を完済しますが、売却を行うのは相続人(あるいは金融機関による競売)です。
そのため契約には、推定相続人の同意が必ず必要になります。

2.リースバックとは家を売って借りなおす仕組み

リースバックは、自宅を売却して(不動産会社が買取)、賃貸として借りなおす資金調達の方法です。
手にするのは売却代金なので、まとまった金額を、利子もなく、自由に使えます。

最大の特徴は売却するという点であり、所有者ではなくなるため固定資産税等の支払いが必要になります。
一方で、賃貸借契約をして住むため、当然に家賃の支払いが必要です。
リースバックの仕組みとは

ポイント

リースバックでは、自宅を不動産会社が一旦買取ます。
こうした不動産会社による買取では時価で取引されず、時価の60~80%が買取価格の相場となります。
リースバックを利用せずに自宅を売却し、同程度の家賃の賃貸へ移り住む場合に比べて、手元に残るお金は少なくなります。

そのため、改めて今後のライフスタイルを考え直し、通常の売却をして別の家を探す選択肢も検討してみることをおすすめします。
売却を考える際は、できる限り複数の不動産会社を比較し、適正な査定額と信頼できる不動産会社を見つけましょう。

複数社への査定依頼は大変ですので、一度の入力でまとめて6社まで査定依頼ができる不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)をご活用ください。

3.リバースモーゲージとリースバックの違い

リバースモーゲージとリースバックは、いずれも「自宅に住み続けながら資金を得る方法」ですが、仕組みや条件に大きな違いがあります。
以下で詳しく見ていきましょう。

3-1.受け取るお金の違い

リバースモーゲージで受け取るお金は「借入金」ですので、利息が発生します。
毎月支払うお金は、この「利息」部分だけです。

リースバックで受け取るお金は「売却代金」ですので、利息なく自由に扱えます。
ただし、毎月「家賃」の支払いが必要になります。

3-2.審査・条件の違い

リバースモーゲージとリースバックでは、その仕組みが異なるため、審査や条件に違いがあります。

例えば、リバースモーゲージのほとんどは55~60歳以上を対象にしていますが、リースバックは成人以上なら利用可能です。
またリバースモーゲージは、戸建ての利用が主でマンションで利用できるケースは非常に少ないのが現状です。

以下は、それぞれの審査や条件について特徴をまとめた表です。

リバースモーゲージ リースバック
対象物件 戸建て、マンション(対象外の場合が多い) 戸建て、マンション、土地、店舗、事務所など
所有権(名義人) 契約者本人のまま 買取した不動産会社
資金用途 事業・投資以外 自由
収入条件 年金などの安定収入が必要 条件なし
対象年齢 目安55~60歳以上 成年以上
同居の制限 単身、あるいは夫婦 制限なし
同意の必要 推定相続人全員の同意が必要 必要なし
保証人 原則不要の金融機関が多い 必要なし

4.メリットとデメリットの比較

リバースモーゲージとリースバックには、それぞれ異なるメリットとデメリットがあります。
以下で詳しく比較してみましょう。

4-1.リバースモーゲージのメリット・デメリット

リバースモーゲージのメリットとデメリットをまとめていきます。

メリット

  • 自宅に住み続けながら資金を得られる
  • 融資の受取は月々か一括か選べる
  • 月々の返済は利息分だけ
  • 元本返済の方法は契約者の亡くなった後、自宅売却か相続人の一括返済

住み続けながら大きな資金を得られるうえ、毎月の返済は利息分であるため、存命中の負担を小さく抑えられます。
例えば、金利3%で1,000万円を借りた場合は、月々25,000円の利息を支払います。

デメリット

  • 担保評価額の50~70%しか借りられない
  • 長生きするほど利息の支払い額が大きくなる
  • 金利変動により支払い額が増える可能性がある
  • 不動産の担保価値が下がると部分返済が必要な可能性がある

リバースモーゲージで借りられる金額は、本来の不動産価値よりも低く、50~70%程度です。
場合によっては30%にもなります。

契約者が亡くなるまで契約が続くため、長生きするほど利息の支払い期間も長くなります。
ほとんどが変動金利での契約になるため、金利上昇の影響も受けます。

また、不動産価値が大きく落ちると、担保価値が元々の評価を割ってしまうため、部分的な借入額の返済を求められる場合があります。

4-2.リースバックのメリット・デメリット

リバースモーゲージのメリットとデメリットをまとめていきます。

メリット

  • 売却後も同じ家に住み続けられる
  • 売却代金を一括で受け取れるため、よりまとまった資金が得られる
  • 固定資産税・都市計画税の支払いがなくなる
  • 年齢制限がなく、比較的柔軟な条件で利用できる

リバースモーゲージと異なり、より多くのまとまった金額が手に入ります。
家の所有者ではなくなるため、固定資産税や都市計画税の支払いも無くなります。

デメリット

  • 売却金額は時価の60~80%になる
  • 家賃の支払いが発生する
  • 買い戻しの価格が高い
  • 長く住めない場合がある

通常の売却での価格を100とした場合、リースバックでは6~8割の価格で取引されます。
家賃の支払いは当然必要ですが、買い戻しができる場合もあります。
ただし、不動産会社から家を買い戻す際は、基本的に買取価格よりも高い金額に設定されます。

また、契約によっては長く住めない場合があることに注意が必要です。
賃貸の契約には、借主都合で契約を延長できる普通借家契約と、貸主の同意がないと契約延長をできない定期借家契約があります。
定期借家契約の場合、貸主が更新に応じなければ2~3年程度で退去しなければいけない場合もあります。

不動産売却塾 コラム“どちらもリスクは大きい”

リバースモーゲージもリースバックも、人によっては便利で、生活を助けてくれる貴重な手段になります。
ただし、あくまで商品であり、金融機関や不動産会社は利益のためにそれらを提供しています。

金銭的な面で見れば、利用者側が損をする仕組みであると言えます。
もちろんその分、「自宅に住み続けながら資金が調達できる」という利用者の利益があります。

問題は、お金の面で助けるはずの仕組みが、結局お金で困らせる原因になりかねない点です。
リバースモーゲージもリースバックも、ある意味では不動産という資産を安く売っていると言えます。

リバースモーゲージの場合は、利息も加わります。
年利3%で1,000万円を借りた場合、借入から34年で利息の総支払額が1,000万円を超えます。
加えて不動産も残りません。

利用を考える際は、こうした金銭的なリスクをしっかりと把握し、将来的な損得の計算も行いましょう。

リスクを許容できない場合は、他の資金調達か、家の売却を考えましょう。
売却を考える際は、できるだけ高く売れるように、複数社の査定をよく比較して信頼できる不動産会社を探しましょう。

NTTデータグループ会社運営の不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)を使えば、全国から厳選された不動産会社にまとめて査定依頼ができます。
売却もお考えの方は是非ご活用ください。

あなたの不動産、今の価値いくら?


5.リバースモーゲージが向いている人の特徴

リバースモーゲージは以下の特徴がある方におすすめです。

  • リバースモーゲージを利用しないと生活が成り立たない
  • 自宅に住み続けたい
  • 高齢で次の住宅取得が難しい
  • 資金を得ながら月々の支払いを抑えたい
  • 子供がいない、または自宅の相続を考えていない

リバースモーゲージは、高齢の方が自宅に住み続けながら資金を得る方法としては有用です。
月々の支払いも比較的少額であるため、お金に困ることなく老後を過ごせる方もいるでしょう。

ただし、前章のデメリットで示したように、リバースモーゲージには大きなリスクもあります。
普通に売却する場合と比べて手元に残る金額は少ないうえ、長生きすれば借り入れた金額以上に利息を支払う可能性もあります。

また、自宅の相続ができないため、相続人の理解が必要不可欠です。
契約者が亡くなった後の自宅の売却を相続人が行う場合もあるため、一定の負担はかけるものとして考えてみましょう。

6.リースバックが向いている人の特徴

リースバックは、以下のような方に向いています。

  • 一度にまとまった資金が必要
  • リバースモーゲージ以上に資金が必要
  • 所有権を無くしても自宅に住み続けたい
  • 年齢制限なく柔軟な条件で資金を得たい
  • 賃貸生活でも困らない人生計画ができている

リースバックではリバースモーゲージよりも多くの資金を、一度に手にできます。
所有権がなくなる事は一見デメリットですが、固定資産税等の支払いが不要になるという利点もあります。

ただし、家賃の負担は大きいため、安定した収入が必要です。
この先も賃貸での生活を続ける場合は、借入金額を家賃支払い総額が上回る時がくるためです。

また、定期借家契約で貸主が契約更新を拒絶した場合や、貸主の不動産会社が倒産した場合などは退去の必要がでる場合もあります。
この点を見ると、リバースモーゲージに比べて住居維持の面でリスクを感じます。
そのため、長期的な計画性が重要になります。

「自宅に住み続られる」という点で大きなメリットがありますが、通常の売却で「より高く売って住み替える」方法もあわせて検討してみましょう。

まとめ

リバースモーゲージとリースバックは、老後資金の不安を解消するための有力な選択肢です。
リバースモーゲージは自宅に住み続けながら定期的に資金を得たい方に、リースバックはまとまった資金が必要な方に向いています。

ただし、いずれもデメリットがあるため、資金の大きさを考えるなら普通に売却した方が良い場合もあります。
それぞれの特徴を理解し、自分に最適な方法を選びましょう。

不動産の売却を考えている方は、不動産会社に査定を依頼し、家の価値を把握しましょう。
査定額は不動産会社によって大きく変わるため、複数社を比較して、適正な価格と信頼できる不動産会社を見極めることが重要です。
どんな不動産会社に査定を依頼したらいいか分からない方は、NTTデータグループ会社運営の不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)をご活用ください。
全国から厳選された不動産会社にだけ、まとめて6社まで査定ができます。

一度の申し込みで
最大6 社に依頼 できる

売却したいけど何から
始めたらいいかわからない方は
不動産売却のプロに
相談しましょう!

大成有楽不動産販売
積水ハウス不動産中部株式会社
京王不動産
住友林業ホームサービス
みずほ不動産販売
三井住友トラスト不動産
センチュリー21
三菱UFJ不動産販売
東京建物不動産販売
大手から地元密着企業まで
約2,500社参画