更新日:2023.10.13 不動産売却のノウハウ, 住宅ローン 住宅ローン払えず売却はできる?高く売る2つのポイントも解説! 新型コロナウイルスの影響などにより、収入が減って住宅ローンが払えず、不動産の売却を検討している方もいらっしゃると思います。 住宅ローンを滞納しそうになったら、我慢せずすぐに売却を実行することが賢明です。 滞納が2ヶ月以内であれば、ブラックリストに載らずに売却できますので、無傷のまま次の新しい生活を始めることができます。 では、住宅ローンが払えなくなったケースでは、どのように売却活動を進めていけば良いのでしょうか。 できるだけ損をしないような不動産売却の流れや注意点を知りたいですよね? そこでこの記事では、住宅ローンが払えず売却を検討し始めている方に向けて、上手に売却を進める手順、ポイント、注意点などを解説していきます。 最後までおつきあいいただき、少しでも高い売却が実現するよう特に3章でご紹介するローン中の家を売る手順についてはぜひ実践してみてください! 不動産会社選びで、売却は数百万円「売値」が変わります。 査定価格は不動産会社によって違うので、高く・早く売るなら、複数の不動産会社の査定価格を比較することが大切です。 かんたん一括査定で複数の査定価格を取り寄せましょう。 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート この記事の執筆者 竹内 英二 不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。 (株)グロープロフィット Contents1.住宅ローンの滞納によって生じるできごと2.住宅ローンを払えないときの3つの売却方法2-1.一般売却2-2.任意売却2-3.リースバック3.一般売却を成功させるためのコツ3-1.ブラックリストに載る前に売ること3-2.早く高く売ってくれる不動産会社を探すこと4.任意売却を選択する際の注意点4-1.債権者へ事前に合意を得ること4-2.適切な任意売却専門会社を探すこと5.リースバックを選択する際の注意点5-1.任意売却となる場合はデメリットを十分に理解すること5-2.家賃や買戻し価格を十分に検討することまとめ 1.住宅ローンの滞納によって生じるできごと この記事を読んでいる方の中には、「まだ滞納はしていないけれど、近々滞納しそう」という方もいらっしゃると思います。 そこでまず最初に、住宅ローンの滞納によって生じるできごとについて解説します。 住宅ローンを滞納してしまうと、最終的には競売にかけられます。 競売とは債権者(お金を貸している人)のために裁判所が行う強制的な売却のことです。 住宅ローンは滞納してもいきなり競売にかけられるわけではなく、それより前に競売を回避できるチャンスが十分にあります。 住宅ローンの支払いが苦しくなったら、最初に意識すべきポイントは「ブラックリストに載ってしまうタイミング」です。 ブラックリストとは、信用情報機関の「事故情報」名簿のことを指します。 ブラックリストとは俗称ですが、事故情報名簿として実際に存在します。 ブラックリストに名前が載ってしまうと、以下のようなデメリットがあります。 【ブラックリストのデメリット】 新規の住宅ローンやカードローンが組めない 既存のクレジットカードの利用限度額が減額される場合がある クレジットカードの更新ができない場合がある ブラックリストに載るタイミングは、住宅ローンを滞納してから「3ヵ月目」です。 ブラックリストに載る前に売却すれば、通常の一般売却をすることができます。 ブラックリストに掲載されると、その後、債権者から一括返済を求められます。 一括返済ができないままでいると、そのまま競売の手続きに移行します。 競売を避けたい場合には、債権者の合意を取って競売以外の手段で売却を行います。 この競売以外の手段を「任意売却」と呼びます。 任意売却は債権者の合意を得て行わなければならない売却であるため、一般売却とは明確に異なります。 競売の手続きに移行したとしても、一定の期間までであれば競売を取り下げることは可能です。 競売の取下げは債権者が行いますので、債権者が任意売却に合意していることが必要となります。 もし、競売の取下げが叶わなかった場合には、最終的に競売になるという流れです。 2.住宅ローンを払えないときの3つの売却方法 この章では、住宅ローンを払えないときの3つの売却方法について解説します。 (1)一般売却 (2)任意売却 (3)リースバック 上記3つについて、順番に説明していきます。 2-1.一般売却 住宅ローンを払えなくなったら、真っ先に検討すべきなのが一般売却です。 ブラックリストに載る前であれば、債権者の合意を得る必要がありませんので、普通に売却をすることができます。 住宅ローン残債は売却価格によって一括で返済することになります。 一般売却は最も高く売れる売却手法なので、住宅ローン残債も完済できる可能性は高いです。 ただし、一般売却は売却に時間がかかるという点がネックとなります。 一般売却で売却する場合、最短でも4~5ヶ月程度はかかります。 なお、駅に近い物件や築浅のマンションなどは、売り出し後すぐに買い手が見つかるケースもありますので、あくまでもケースバイケースです。 一般売却は時間がかかることが多いので、「ローンの返済が少し苦しいかも…」と感じた時点ですぐに売却への行動を起こすことが最大のポイントとなります。 一般的な売却を進めるには、まずは不動産会社の査定を受けましょう。 不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)を利用すれば、最大6社の不動産会社に一括査定依頼できるので、複数社の査定額比較が簡単にできます。 【無料】一括査定依頼スタート 2-2.任意売却 任意売却とは、競売以外の手法で行う債権者のための売却です。 ブラックリストに載ってしまった後は、住宅ローン残債の一括返済を迫られますので、任意売却または競売によって売却することになります。 また、ブラックリストに載る前であっても、オーバーローンの場合は任意売却を選択せざるを得ないケースもあります。 オーバーローンとは、住宅ローン残債が売却額を上回ってしまうケースのことです。 それに対して、アンダーローンとは住宅ローン残債が売却額を下回ることを指します。 オーバーローンであっても預貯金を加えて住宅ローン残債を完済できれば一般売却を選択することができます。 しかしながら、オーバーローンで残る住宅ローン残債を返済しきれない場合は、任意売却を選択することになります。 任意売却は、債権者との交渉によって返済しきれない住宅ローン残債を圧縮することができます。 ただし、住宅ローンを全額返済できないということは、滞納したことと同じであり、ブラックリストに名前が載ることになります。 よって、ブラックリストに名前が載る前であっても、オーバーローンによって任意売却を選択した場合にはブラックリストに載ってしまうということを理解しておきましょう。 2-3.リースバック リースバックとは、売却後にそのまま家に住み続けることができる売却方法です。 具体的にはリースバックのサービスを行っている不動産会社に一旦家を売却し、その不動産会社に家賃を支払い続けることで住み続けるという方法になります。 住宅ローンの支払はなくなりますが、家賃の支払いは発生することがポイントです。 リースバックは、一般売却と任意売却のどちらでも可能ですが、売却価格が安くなってしまうことから、「任意売却とセット」で利用されることが一般的となっています。 任意売却の売却先(買受人)として、リースバック会社を選び、債権者の合意が得られれば「任意売却+リースバック」によって住宅ローン残債を一括返済することになります。 3.一般売却を成功させるためのコツ 前章で売却方法を紹介しましたが、「結局、どうするのがベストなの?」という点が気になるかと思います。 そこでこの章では、一般売却を成功させるための手順とコツについて解説します。 3-1.ブラックリストに載る前に売ること 一般売却を成功させるためには、ブラックリストに載る前に売ることが何よりも重要です。 滞納が許されるのは連続2ヶ月までなので、その前に売り切ってしまうことがポイントとなります。 売却までの時間稼ぎをする方法としては、銀行に対してリスケジュールの相談をするという方法が効果的です。 リスケジュールとは、返済期限を一時的に伸ばし、毎月の返済額を減額する返済方法を指します。 「条件変更」や「リスケ」とも呼ばれています。 例えば、1,000万円の住宅ローンは、返済期間が10年間だと毎年100万円の返済が必要です。 それを返済期間が20年間の条件に変更すれば、毎年50万円の返済で済むことになります。 この仕組みを使って毎月の返済額を減らすのがリスケジュールです。 リスケジュールは延滞とは異なるため、ブラックリストには載らないという点がメリットとなります。 ただし、リスケジュールが可能なのは一定期間だけであり、その期間を過ぎると元の返済額に戻ります。 リスケジュールの期間は、減額幅にもよりますが半年から3年程度です。 銀行とリスケジュールの条件が整えば、ある程度の時間稼ぎをすることができます。 住宅ローンの支払いが苦しくなったらまずは銀行に対してリスケジュールの申入れをし、得られた時間的猶予の間に売却ができるよう全力で取り組みましょう! 3-2.早く高く売ってくれる不動産会社を探すこと 一般売却は、ブラックリストに載る前の「時間との勝負」とオーバーローンにならないための「価格との勝負」となります。 とにかく、早く高く売ってくれる不動産会社を探すことが重要となります。 とはいっても、初めて不動産を売却する方には、どの不動産会社が良いのかなど見当がつかないかと思います。 そんな時に便利なのが、「不動産売却 HOME4U(ホームフォーユー)」です。 売りたい物件の所在地や築年数など簡単な項目を入力するだけで、そのエリアで実績が豊富な不動産会社をシステムが自動でピックアップしてくれます。 また、最大6社まで査定を依頼することができるため、不動産会社により異なる査定額をしっかり比べてから、高く売ってくれそうな不動産会社に売却を依頼することができます。 以下のグラフは、とある戸建てをAからDの異なる不動産会社が査定した時の査定額ですが、B社とC社では500万円も差があります。 このように不動産会社の査定額の違いを手間なく比べることが可能です。 戸建てなら戸建て、マンションならマンションが得意な不動産会社が自動で選ばれて査定をしてくれますので、不動産会社選びで無駄な時間を使わずに済みます。 「ブラックリストへの掲載」と「オーバーローン」の2点を意識し、まずは早く高く売ってくれる不動産会社を見つけることから始めるようにしてください。 無料の一括査定をしてみる 4.任意売却を選択する際の注意点 この章では任意売却を選択する形となった方に向けて、流れや注意点を紹介していきます。 4-1.債権者へ事前に合意を得ること 任意売却は勝手にできませんので、債権者へ事前に合意を得ることが注意点です。 以下に任意売却の流れを示します。 任意売却の流れは基本的に一般売却とほぼ同じですが、赤枠で囲った部分が任意売却特有の手続きとなります。 任意売却は、任意売却専門の不動産会社がいますので、まずは専門の不動産会社に相談し価格査定を得ることが必要です。 その査定結果を元に、債権者の合意を得ます。 この時点で、売却価格が低過ぎて債権者の合意が得られない場合には任意売却に進むことができません。 債権者の合意を得たら、売却活動を開始し、買受人を決定します。 査定価格と実際の売却価格は異なることもありますので、最終的にその売却価格で良いか再度債権者への承諾を得ます。 また、複数の債権者がいる場合には、各債権者への配分額を決めることが必要です。 配分調整が終われば売買契約を締結し、引渡となります。 任意売却は債権者の合意を得ないとできない売却ですので、債権者とよく話し合いながら進めるようにしてください。 4-2.適切な任意売却専門会社を探すこと 任意売却では、適切な任意売却専門会社を探すことが重要なポイントとなります。 任意売却専門会社は、売却だけでなく、債権者との交渉の指南等も行ってくれます。 債権者との交渉は、売却後に残った残債の圧縮や返済方法、売却金額からの引っ越し代のねん出等に関わってくるため、とても重要です。 任意売却は経験がない不動産会社ではできない売却ですので、必ず任意売却に精通した不動産会社に依頼する必要があります。 ただし、任意売却専門の不動産会社の中には、怪しい不動産会社もいるのも事実です。 任意売却では売主は仲介手数料を要求されないのが一般的ですが、中には着手金を要求してくるような会社もいます。 信頼できる不動産会社を見つけるのが難しい世界でもあるので、任意売却を選択する際はしっかりと情報を集め、慎重に不動産会社を探すことがポイントです。 5.リースバックを選択する際の注意点 この章では、リースバックを選択する方に向け、注意点を解説します。 5-1.任意売却となる場合はデメリットを十分に理解すること リースバックは、必ずしも任意売却とセットではありませんが、任意売却で利用する場合には、任意売却のデメリットを十分に理解することが注意点です。 任意売却では、まずブラックリストに載ってしまう点がデメリットとなります。 特に昨今はインターネット通販やキャッシュレス化によってクレジットカードを利用する機会が増えています。 ブラックリストに載ると、クレジットカードの利用額が減額される可能性や、更新できない可能性がありますので、これらのリスクを踏まえた上で任意売却を選択してください。 また、任意売却を選択しても、返済しきれなかった住宅ローン残債は引き続き返済することになります。 任意売却では残った住宅ローン残債は交渉によって圧縮できますが、リースバック後は新たに家賃も発生しますので「家賃+残債の返済」を支払い続けられるかを検討する必要があります。 無理してリースバックを選択するよりも、売却してもっと家賃が安いところに住み替えた方が楽になることも多いので、リースバックは慎重に選択するようにしてください。 5-2.家賃や買戻し価格を十分に検討すること リースバックでは、家賃や買戻し価格を十分に検討することも注意点です。 リースバックでは、売却後、リースバック会社に対し家賃を支払います。 また、5年後や10年後に買戻し特約を付け、買い戻す価格も設定する場合もあります。 リースバックによる売却価格は、家賃や買戻し価格を高く設定した方が高くなります。 売却価格が高くなれば、任意売却の債権者の合意も得られやすいです。 しかしながら、住宅ローンを払うのが厳しい人が家賃を高く設定するのは非現実的な選択肢といえます。 家賃や買戻し価格を下げれば売却価格も低くなるため、債権者の合意が取れないことも十分に考えられます。 家賃の支払いが難しい場合にはリースバックを選択できませんので、リースバックは家賃や買戻し価格も併せて考慮することがポイントとなります。 まとめ いかがでしたか。 住宅ローン払えずに家を売却する場合について解説してきました。 住宅ローンを滞納すると、3ヵ月目にはブラックリストに載ってしまい、その後は任意売却か競売かのいずれかを選択することになります。 住宅ローンを払えないときの売却方法としては「一般売却」、「任意売却」、「リースバック」の3つがありますが、最良なのはブラックリストに載る前に一般売却で早く売ってしまう方法です。 早く高く売るためにも、「不動産売却 HOME4U」で速やかに優良な不動産会社を見つけてください。 任意売却となる場合は、債権者の合意を得なければなりませんが、合意を得るには債権者が納得する売却価格を提示する必要があります。 また、リースバックを希望するなら、任意売却となる場合には任意売却のデメリットを十分に理解しておくことが注意点です。 この記事で紹介した情報を活かして、売却成功への足掛かりとしてください。 【無料】一括査定依頼スタート Facebook twitter feedly