更新日:2025.04.18 不動産売却の授業 【50歳の住宅ローン】借りられるのはいくら?何年?基準とリスクを抑えよう 「50歳 住宅ローン」と検索してみると、検索候補には「無謀」といった言葉が含まれています。 ですが決して無謀ではなく、50歳代でも住宅ローンの利用は可能であり、住宅ローン利用者の10%は50歳代というデータもあります。(出典:住宅金融支援機構. “住宅ローン利用者の実態調査”.2024-06-24. (参照2025-02-04)) 一方で、定年退職を控えている方も多く、資金計画が明確でないまま住宅ローンを借りると、後悔してしまう可能性も大いにあります。 この記事を通して、50歳代からの住宅ローン利用が現実的かを考えていきましょう。 この記事を読むと分かること 50歳代の平均年収500万円なら、2,800万円借りられる? 50歳代の住宅ローンは資金計画をたてにくく、団信も入れない可能性がある 50歳代で借りる住宅ローンのシミュレーション結果 「不動産を住み替えたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう ※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1. 50歳代で住宅ローンを考えるための基準2. 50歳代の住宅ローンで考慮すべきリスク3. 50歳代で借りる住宅ローンのシミュレーション4. 住宅ローンで失敗しないためのポイントまとめ 1. 50歳代で住宅ローンを考えるための基準 50歳代の今、住宅ローンを利用をするのは果たして妥当でしょうか? もちろん極少額でしたらリスクは少ないのですから、借入金額や年数といったプランの立て方次第で、利用すべきかどうかは変わってくるでしょう。 以下では、50歳代で借りる住宅ローンの基準について解説していきます。 資金や買いたい住宅の規模感などをイメージしながら確認していきましょう。 借入金額の目安 借入期間の目安 審査の厳しさ 頭金の有無 1-1. 借入金額の目安 住宅ローンを借りる場合、一般的には年収の7倍程度が借入金額の目安とされています。 リスクを高めないためには、手取り年収で考えることも重要です。 厚生労働省の令和5年賃金構造基本統計調査によると、50~54歳男性の平均賃金(月あたり)は417,700円とされています。 年収はこの額の12倍、手取り額は80%程度と考えてみると、以下の様になります。 50~54歳男性の平均的な手取り年収 417,700 × 12 × 80% = 4,009,920円 借入金額の目安 4,009,920 × 7 = 28,069,440円 上記の例でいうと、2,800万円程度の借入が目安となります。 このとき、リスクを抑えるために、返済負担率(年収に対する返済額の割合)を20~25%以下にすることも大切です。 上例の場合で、フラット35の金利が1.9%、30年間借り入れる場合(固定金利で元利均等返済)で計算すると、年間の支払額は約123万円。 返済負担率は、30%をわずかに超えてしまうので、借入金額や借入期間の調整が必要になります。 また、収入減少を考慮してシミュレーションすることも重要です。 例えば、定年退職時までに完済しないのであれば、「その後に問題なく支払いが続けられるのか」まで想定しましょう。 住宅ローンのシミュレーションは、「3. 50歳代で借りる住宅ローンのシミュレーション」で行います。 1-2. 借入期間の目安 借入期間を何年に設定できるかは、借入金額を決める上でも重要です。 住宅ローン利用者の傾向としては、借入期間30年超~35年以内としている方が多く、全体の約5割程度です。 出典:住宅金融支援機構. “住宅ローン利用者の実態調査”.2025-01-21. (参照2025-02-04) ただし多くの金融機関では、完済時の年齢を80歳までと設定しています。 この場合、50歳ちょうどに借りた場合でも、最長30年間しか借り入れられない点に注意しましょう。 54歳6カ月に借入た場合 80年 - 54.6年 = 25.6年 また、定年退職後の収入減少を考慮し、できるだけ短期間で返済する計画を立てることを推奨しています。 1-3. 審査の厳しさ 50歳代で住宅ローンを申し込む場合、審査は若年層に比べて厳しくなる傾向があります。 特に、収入の安定性(勤続年数や退職金の有無なども含む)や健康状態が重視されます。 また、団体信用生命保険(団信)への加入を契約の条件にしている金融機関も多いのですが、健康状態によっては加入が難しい場合もあります。 この場合、団信が必要ないプランや金融機関を検討する必要があります。 1-4. 頭金の有無 頭金が多いと、「優遇金利が受けられる」「住宅ローンの審査に通りやすくなる」などのメリットがあります。 頭金無しでも住宅ローンは組めますが、50歳代での契約であれば、収入減少に備えた早期完済や審査の厳しさを考慮して、頭金を用意しておけると安心です。 以下は、フラット35の利用者調査から分かる、購入物件毎の頭金平均額と購入金額に対する頭金の割合です。 頭金の平均額※()は購入金額全体に対する割合 注文住宅:699万円(18.1%) 土地付注文住宅:473.8万円(9.7%) 建売住宅:294.5万円(8.2%) 中古戸建:219.7万円(8.7%) マンション:1,188.7万円(22.7%) 中古マンション:529.9万円(17.4%) 出典「住宅金融支援機構.”2023年度 フラット35利用者調査”.2024-07-09.(参照2025-02-04)」をもとに、HOME4Uが独自に作成 上記から、購入金額に対して10~20%程度の頭金が平均的と言えます。 マンション相場の調べ方や高く売る方法などについて詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。 関連記事 自宅のマンションの売却相場を調べるには?マンション名から、すぐ検索でき 自宅のマンションの売却相場を調べるには?マンション名から、すぐ検索でき 更新日:2025/01/24 不動産売却塾編集部が教える、マンションを高く売る4つのコツ 不動産売却塾編集部が教える、マンションを高く売る4つのコツ 更新日:2025/04/15 大手と中小、どっちがいい?不動産会社選びで失敗しない方法 大手と中小、どっちがいい?不動産会社選びで失敗しない方法 更新日:2024/12/26 HOME4U(ホームフォーユー)実際どう?リアルな利用者の口コミ・評判 HOME4U(ホームフォーユー)実際どう?リアルな利用者の口コミ・評判 更新日:2025/03/04 2. 50歳代の住宅ローンで考慮すべきリスク 50歳代で住宅ローンを組む際には、いくつかのリスクを考慮する必要があります。 以下では、収入の変動や団体信用生命保険の制限について詳しく説明します。 収入の変動が激しくて計画が立てづらい 団体信用生命保険などが制限される 2-1. 収入の変動が激しくて計画が立てづらい 50歳以降は、役職定年や早期退職などにより収入が大きく変動する可能性があります。 多くの場合で、年金受給後は収入は大きく下がります。 所得税はなくなりますが、収入が減っても生活レベルを変えることができず収支バランスが現在より崩れてしまう場合もあります。 また、医療費や親族などの冠婚葬祭にかかる費用など、突発的な支出が増えることもあります。 このため、資金計画を立てづらく、老後破産となるケースもあります。 このリスクを回避するためには、綿密な資金計画はもちろん、住宅ローンの早期完済が重要です。 定年退職までに完済できる計画であると、より安心です。 2-2. 団体信用生命保険などが制限される 団体信用生命保険(団信)は、住宅ローン契約者に万が一の事態が起こった場合に、住宅ローン残高を保険金で相殺できる保険です。 多くの金融機関では、住宅ローンを契約するために、団信への加入を義務付けています。 その一方で、50歳以上になると団信への加入が難しくなる場合があります。 特に、がんや三大疾病などの特約付き団信は、年齢制限が厳しく設定されていることが多いです。 団信に加入できない場合は、以下の様にして住宅ローンを借りることができます。 加入要件が緩和されたワイド団信に加入する 配偶者を住宅ローンの主たる契約者にする フラット35など、団信加入が任意なローンを使う 3. 50歳代で借りる住宅ローンのシミュレーション 50歳代で住宅ローンを借りる際には、具体的なシミュレーションを行うことが重要です。 今回は、以下の手順で借入のシミレーションを立てていきます。 年収から毎月返済額を考える 借入可能額の算出(借入期間15・20年と想定) 総支払額の算出 3-1.年収から毎月返済額を算出する まず前提として、毎月いくらの返済まで許容できるでしょうか。 いくつかの年収パターンにおける返済負担額20%、25%の毎月返済額を確認していきましょう。 なお、手取り額をもとに計算しています。 手取り年収 返済負担率20% 返済負担率25% 400万円 約6.67万円 約8.33万円 500万円 約8.33万円 約10.42万円 600万円 約10.00万円 約12.50万円 700万円 約11.67万円 約14.58万円 800万円 約13.33万円 約16.67万円 返済負担率は収入が減少すれば増加します。 年収500万円の方が定年退職し、年金受給開始後の年収が250万円になった場合、返済負担率はおよそ倍にります。 この点に十分注意して計画を立てていきましょう。 3-2.借入可能額の算出 毎月の返済額と、借入期間から借入金額を考えていきましょう。 50歳代の方が完全な退職前に返済しきることを考えると、借入期間は15年程度が妥当と考えられます。 これが厳しい場合で、借入期間20年のケースも考えていきます。 前項の表から返済負担率25%の部分を参考に、区切りのよい数字で、毎月返済額が8万円、10万円、12万円、14万円、16万円の場合で借入金額を考えていきます。 (住宅金融支援機構の提供するフラット35のローンシミュレーションで算出します。融資金利は1.5%、元利均等返済とします。) 毎月返済額 借入可能額 借入期間15年 借入期間20年 8万円 1,288万円 1,657万円 10万円 1,610万円 2,072万円 12万円 1,933万円 2,486万円 14万円 2,255万円 2,901万円 16万円 2,577万円 3,315万円 出典「住宅金融支援機構.”ローンシミュレーション”.フラット35.(参照2025-02-04)」での計算結果をもとに、HOME4Uが独自に作成 3-3.総支払額の算出 前項で計算した、借入金額をもとに総支払額を算出していきましょう。 条件も前項と同様に、融資金利1.5%、元利均等返済としています。 また、ボーナス払いも考慮しておりません。 毎月返済額 借入期間15年 借入期間20年 借入金額 総支払額 借入金額 総支払額 8万円 1,288万円 1,440万円 1,657万円 1,919万円 10万円 1,610万円 1,799万円 2,072万円 2,400万円 12万円 1,933万円 2,160万円 2,486万円 2,400万円 14万円 2,255万円 2,520万円 2,901万円 3,360万円 16万円 2,880万円 3,218万円 3,315万円 3,840万円 出典「住宅金融支援機構.”ローンシミュレーション”.フラット35.(参照2025-02-04)」での計算結果をもとに、HOME4Uが独自に作成 4. 住宅ローンで失敗しないためのポイント 50歳代で住宅ローンを組む際、どんな点に注意したら良いでしょうか。 以下では、住宅ローンで失敗しないための2つのポイントを紹介します。 借入期間をできる範囲で短くする 補助金や減税制度を詳しく調べる 4-1. 借入期間をできる範囲で短くする 50歳代からの住宅ローンで最も不安になりやすいのが、定年退職後のローン支払いが可能であるかどうかです。 今の時代、退職金が必ずしも想定していた金額通り貰えるとも限りませんし、年金の受給開始を後に遅らせる選択肢もあります。 50歳代で立てた計画通りに、物事を進められるとは限らないのです。 そのため、できる限り早期に完済することが最もリスクを抑えられる方法です。 定年退職前の完済が最も安全とすると、それを実現するための借入額、期間の調整が不可欠です。 ただし、無理のない範囲で計画を立てることが前提です。 繰り上げ返済も非常に有効ですが、手元資金に余裕がない場合は無理をしてはいけません。 4-2. 補助金や減税制度を詳しく調べる 住宅購入時には、さまざまな補助金や減税制度を利用することができます。 事前に検索し、制度の内容を知る事で、家選びの参考にもなります。 事業・制度 概要 子育てグリーン住宅支援事業 「GX志向型住宅」「長期優良住宅」「ZEH水準住宅」といった、 省エネ性能などが高い住宅を取得した場合の補助金。 GX志向型住宅の場合、160万円を補助。 先進的窓リノベ2025事業 既存住宅において、断熱性能の高い窓ガラスへのリフォーム にかかる工事費の2分の1を補助。 給湯省エネ2025事業 高効率な給湯器の導入にかかる費用を補助。 補助金額は機器により異なり、「ヒートポンプ給湯機」 「ハイブリッド給湯機」「家庭用燃料電池」が対象。 住宅ローン控除 住宅ローンの年末時点の残高の0.7%を 最長13年間にわたって、所得税や住民税から控除する制度。 住宅ローン控除は最長13年間の控除を受けられますが、年金受給後は所得税が発生しないため節税の幅は小さい可能性もあります。 まとめ 50歳代で住宅ローンを組む際は、無理のない返済計画が重要です。 定年後の収入減少を考慮し、できるだけ短期間で完済できる借入額を設定しましょう。 また、団体信用生命保険の加入条件や審査の厳しさにも注意が必要です。 住宅ローン控除や補助金制度を活用し、経済的な負担を軽減することも大切です。 シミュレーションを活用し、老後の生活を見据えた計画を立てましょう。 安全で安心な住宅購入のために、慎重に準備を進めてください。 「不動産を住み替えたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう ※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート