不動産の匿名査定とは?メリット・デメリットも解説!

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インターネットが発達しスマホが普及した現代では、一戸建てやマンションなどの不動産を売却する際の査定がインターネットのサイトで簡単にできるようになりました。
最近ではAIやビッグデータを用いた、「匿名査定」が数多く展開されています。

この記事を読むとわかること

  • 不動産の匿名査定の特徴
  • メリットとデメリット
  • トラブルに巻き込まれないための注意点
  • 不動産の無料査定ができるおすすめサイト

順番にわかりやすく解説しますので、不動産の匿名査定利用の参考にしてください。

「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「不動産を売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます
この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.不動産の匿名査定とは?

匿名査定は、サービスを提供しているホームページ上で住所やマンション名等の個人情報以外の情報のみで、不動産査定ができるサービスです。

「匿名査定」や「シミュレーション」といった名称でも呼ばれています(以下、「匿名査定」と略)。
匿名査定の特徴は、個人情報の入力が不要なだけでなく、依頼が簡単で、知りたい答えをすぐに得られるという点もあります。
また、AIやサイト内で蓄積されたデータから査定価格を算出してくれるため、「ざっくりでもいいので急ぎで査定価格が知りたい」という方の利用が向いています。

2.不動産の匿名査定のメリット

一戸建てやマンションなど、不動産の匿名査定のメリットは、以下の3つです。

  • 相場を知るのに適している
  • 匿名で利用できる
  • 目的を問わずに利用できる

それぞれ詳しく解説します。

2-1.相場を知るのに適している

匿名査定なら簡単な情報を入力するだけで価格がすぐに分かりますので、誰でも簡単に相場を把握できます。

相場は、ポータルサイト(中古住宅HOME4UやSUUMO、アットホーム等のこと)や、レインズマーケットインフォメーション、不動産情報ライブラリ等のサイトを使うとある程度把握することはできます。

しかしながら、レインズマーケットインフォメーションや不動産情報ライブラリは物件を特定できないように情報が加工され過ぎているため、相場を把握するのはプロでも難しいです。
ポータルサイトなら似たような物件を探して、ある程度の価格を予想できますが、時間と手間がかかります。
査定結果をスピーディに得られるため、気になる別の動産についても気軽に調べることができます。

2-2.匿名で利用できる

匿名査定なら、氏名以外にも、住所や電話番号等の個人情報の入力が不要です。
基本的な入力項目は、物件の住所や築年数等と、査定価格を送信するためのメールアドレス程度です。サイトに登録するメールアドレスは不動産会社に渡らずに、査定結果をシステム上で受け取るための登録情報である場合が多いです。
利用後に不動産会社から営業を受けるという心配も不要となります。

2-3.目的を問わずに利用できる

匿名査定は、目的を問わずに利用できるため、「ちょっと価格だけ知りたい」といった場合に適しています。

不動産で価格を知りたいシーンは売却だけに限りません。
例えば、「離婚で財産分与したいので資産価値を知りたい」、「遺産を分割したいので資産価値を知りたい」、「お金を借りたいので担保価値を知りたい」等々、売却しないけれども価値だけ知りたいというケースが存在します。

反対に、訪問査定や一括査定は、売却を前提としたサービスであるため、価格を知りたいだけの利用には適していません。
匿名査定は、大まかな不動産の査定額をスピーディにシミュレーションしたい方に便利なサービスです。

3.不動産の匿名査定のデメリット

匿名査定のデメリットは以下の3点です。

  • 専門家とやり取りできない
  • 売却の参考になりにくい
  • 利用サービスによって価格差がある

3-1.専門家とやり取りできない

匿名査定は、実際に不動産会社とやり取りすることはありません。WEBのサービスとして簡単に利用できるメリットはありますが、一方、匿名査定で得られた査定額は、専門家に細部まで相談せずにデータを元にした概算の範囲となります。

不動産の売買には様々な事情から、状況によって税金や法規制で考慮が必要な場合があります。例えば売却前の取り壊しや修繕に関しては、不動産会社の意見を聞いてから実行した方が無駄になりませんので、この場だと匿名査定は不向きです。

一方で一括査定なら、複数の不動産会社の意見を聞くことができるので、異なる意見があっても多数決で判断することもできます。

匿名査定で得られるのは概算であると認識し、匿名査定のメリットを生かして利用されることをおススメします。

3-2.売却の参考になりにくい

匿名査定は、他の査定と比較すると精度は劣るため、特に住宅ローンが残っているときは匿名査定額を根拠に売却計画を立ててしまうことはリスクがあります。
大まかな立地や間取り、築年数だけを参考にして算出され、外観や室内の状態は反映されないためです。

売却で住宅ローンを完済するようなケースでは、精度の低い査定価格を前提に売りに出すと、実は返済できなかったという事態も起こりかねません。
なぜなら、住宅ローンが残っているケースでは、売却によって本当に住宅ローンが返せるのかどうか、しっかり調べることが重要だからです。

個人情報を入力せずにおおまかな価格を知りたい場合は非常に便利なサービスですが、実際の売却価格に近い数字を調べるのには適していません。
売却をする際には匿名査定だけで売り値を決めるのは避けるべきといえます。売却することが既に決まっている方は、最初から訪問査定を利用することをおススメします。

3-3.利用サービスによって価格差がある

匿名査定は、不動産の形態によって価格精度が異なるといわれています。マンションのみのサービスが多く、戸建てを査定できるシミュレーターは少ないです。

例えば戸建ての場合、土地は形状や高低差等で価格が異なりますし、建物はデザイン性や仕上げ材等でもかなり価格が異なってきます。
戸建ては価格に影響する要因が、実際に見ないとわからないことが多いです。

それに対して、マンションの場合は、同じマンションの他の部屋の取引事例を参考にすると、ある程度適正な金額を出すことができます。
戸建ての匿名査定は必ずしも精度が高くないため、匿名査定は基本的にマンション向けのサービスと捉えた方が良いでしょう。

既に売却することを決めている方は、不動産会社の査定を受けることをおすすめします。
売却するかを最終的に判断する際も、不動産会社の提示する査定額を参考にした方が、誤った判断をしにくくなります。

「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「不動産を売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」なら複数社に査定依頼でき”最高価格”が見つかります
  • 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます

4.匿名査定を利用する際の注意点

匿名査定利用の注意点は査定額はだいたいの目安であるということを忘れないことです。
現地を見ていない匿名査定は、あくまで予想価格だと考えてください。
匿名査定を利用する際の注意点をご紹介します。

4-1.査定額をそのまま信じない

不動産の匿名査定は便利ですが、現地を見ずに過去のデータをもとに算出した額なので、査定額をそのまま信じてしまうと金銭トラブルのもとになります。

「思ったより高く売れなくてお金が無くなってしまった」などのトラブルを避けるために、実際に不動産を売却するのであれば必ず訪問査定を行ってください。

4-2.匿名査定は正確な査定ではない

不動産の匿名査定は便利ですが、現地を見ずに過去のデータをもとに算出し、不動産の匿名査定は気軽に利用できる一方、匿名査定の際に提供する情報は限られているので、大まかな価格しか算出できません。

匿名査定では、実際に訪問査定しなければわからない不動産の状態や、データベースにない周辺環境の情報は考慮されません。特に、一戸建ては建物ごとに個性が異なるため注意が必要です。

より実態に近い査定価格を知りたいのであれば、不動産物件に関する多くの情報を提供する必要があります。
正確な査定額を知り、売却活動を始めるときは、不動産会社の担当者による机上査定や訪問査定を受けてください。

5.匿名査定と一括査定はどちらがおすすめ?

匿名査定と一括査定、不動産査定の目的によってどちらがおすすめなのかは変わります。順番にご紹介しますので、参考にしてください。

5‐1.匿名査定は「売却するかに関わらずとりあえず価格を知りたい」場合に便利!

匿名査定は、利用の気軽さと結果入手のスピーディさを生かして、以下のケースに当てはまる場合におススメです。

匿名査定がおススメのケース

  • 時期は未定だが売却に興味がある
  • 売却を検討するか迷っている
  • 上記の判断材料に、気軽に参考価格が知りたい

匿名であるため、個人情報や不動産売却を検討していることが外部にもれることがありません。
ただ、匿名査定ででる価格はあくまでも入力した情報と蓄積されたデータベースに基づくものです。実際に物件を見てみないとわからない劣化や環境が考慮されないため、正確な価格ではないことを念頭においてください。
査定方法が決まり、不動産会社に依頼する際は、こちらの記事を参考に進めてください。

また、不動産売却の流れについては以下の記事をご確認ください。

5‐2.売却意志がある場合は一括査定サービスがおススメ!

すでに売却する意志があるのであれば、一括査定サービスの利用がおススメです。一括査定サービスは、オンラインによる一度の入力で複数の不動産会社に一括査定を依頼できます。

一括査定がおススメのケース

  • 売却を検討している
  • 依頼先の不動産会社を決めるための比較検討をしたい
  • 家の相場が知りたい

上記にあてはまる方には「一括査定サービス」で査定依頼しましょう。
一括査定サービスは、「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」でも利用することができます。

あなたの不動産いくらで売れる?

HOME4UはNTTデータグループが運営する日本で一番歴史のある一括査定サービスです。
HOME4Uには、実績豊富で信頼できる不動産会社が登録されており、その不動産会社が机上査定を行ってくれます。
将来売却する際もスムーズに話を進めることができますので、机上査定の段階からHOME4Uを使うことをおススメします。

まとめ

不動産の匿名査定は、相場や価格だけ知りたい方におススメです。個人情報不要でかんたんに依頼できるメリットがあります。
ただし、査定額の精度は細かくないなどのデメリットもあるため、売却する際は不動産会社に訪問査定もしてもらいましょう。
訪問査定なら、不動産の現状を見て判断してもらえるため、最も適正な価格を知ることができます。
不動産の査定を行うなら、一括査定サービス「不動産売却 HOME4U」のご利用がおすすめです。匿名ではありませんが、個人情報保護に力を入れている一括査定サービスなので安心してご利用いただけます。

この記事のポイント

匿名査定とは?

匿名査定とは、個人情報不要で不動産情報を入力するだけでそのサービス提供先のデータベースやAIが評価する査定概算が得られるサービスです。

詳しくは「1.匿名査定とは?」でご紹介しています。

匿名査定のメリットとは?

メリットは以下になります。

  • 相場を知るのに適している
  • 匿名で利用できる
  • 目的を問わずに利用できる

詳しくは「2.匿名査定のメリット」でご紹介しています。

匿名査定がおススメのケースは?

匿名査定は以下の場合におススメされます。

  1. 時期は未定だが売却に興味がある
  2. 売却を検討するか迷っている
  3. 上記の判断材料に、気軽に参考価格が知りたい

詳しくは「5.匿名査定と一括査定はどちらがおすすめ?」でご紹介しています。