更新日:2025.01.07 不動産売却の基礎講座, 不動産売却のノウハウ 請負契約とは?リフォームで失敗しないための基礎知識を全解説 家のリフォームは、請負契約で依頼するのが一般的です。リフォームの失敗を避けるために、請負契約の基礎知識を押さえておきましょう。 本記事では、請負契約によるリフォームのメリット・デメリットや流れ、契約の際にチェックしたいポイントについて解説します。自宅のリフォームを予定している方は、ぜひ参考にしてください。 この記事を読むと分かること 請負契約の概要 請負契約によるリフォームの流れ 請負契約によるリフォームで失敗しないためのポイント 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.請負契約とは?2.請負契約によるリフォームのメリット・デメリット3.請負契約によるリフォームの流れ4.請負契約によるリフォームで失敗しないためのポイント5.不動産売却前にリフォームはすべき?まとめ 1.請負契約とは? 「請負契約」とは、業務委託契約の一種であり、業務委託契約とは「外部へ自社業務を委託する契約」の総称です。 はじめに、請負契約の定義について説明します。 1-1.民法による定義 民法632条には、請負に関して次のような記述があります。 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。 引用:“民法第六百三十三条”. e-Gov法令検索 つまり、請負契約とは「仕事の完成に対して報酬を支払う契約」のことを指します。当事者間の合意によって契約が成立するため、民法上では契約書を交わす必要はなく、口約束のみでも有効です。 1-2.建設業法による定義 一般的な請負契約は、前述のとおり民法で規定されていますが、不動産の建設工事では建設業法も適用されます。 建設業法19条には、次のような記述があります。 建設工事の請負契約の当事者は、前条の趣旨に従つて、契約の締結に際して次に掲げる事項を書面に記載し、署名又は記名押印をして相互に交付しなければならない。 引用:“建設業法第十九条”. e-Gov法令検索 上記にある「次に掲げる事項」には、工事の内容や期間、報酬額などが規定されています。つまり、リフォームの請負契約を結ぶ際には、これらの事項について明記した書類を作成することが決まりとなっているのです。 そのため、リフォーム工事を依頼する際には、契約書に書かれた内容をよく確認することが重要だといえます。 1-3.委任契約・準委任契約との違い 請負契約とよく比較されるものとして「委任契約」があります。こちらも請負契約と同じく業務委託契約の一種ですが、何を目的とするのかという点に違いがあります。 請負契約:仕事の「完成」に対して報酬が発生する 委任契約:仕事の「遂行」に対して報酬が発生する 家のリフォームでは工事の完成を依頼するため、請負契約を結びます。 なお、委任契約という用語は、厳密には法律行為に関する事務を依頼する際に用いるため、それ以外の業務を依頼する契約は「準委任契約」と呼びます。 参考:“請負の意義”. 国税庁 不動産の準委任契約とは?請負契約との違いや注意点も解説 不動産取引の際には、「準委任契約」を締結するケースがあります。準委任契 2.請負契約によるリフォームのメリット・デメリット 本章では、請負契約によるリフォームの特徴を解説します。 2-1.メリット|リフォームの内容を明確にして工事できる リフォームの請負契約では、契約時に作成される書類に工事内容などの詳細が書かれています。これにより、発注者(注文者)と受注者(請負人)の間での認識のズレや、それに起因するトラブルを防ぐ効果が期待できます。 つまり、リフォームを請負契約で発注すると工事の完成が明確に約束されるうえに、建設業法の適用によって契約内容や施工が適正化されます。この点は、請負契約のメリットだといえるでしょう。 参考:“建設業法第三章”. e-Gov法令検索 2-2.デメリット|リフォーム会社の施工能力にはバラツキがある 建設業法によると、軽微な工事のみを行なう会社は、都道府県知事から建設業の許可を得る必要がありません。 参考:“建設業法第三条”. e-Gov法令検索 例えば、家のリフォームを専門的に請け負う施工会社は、この条件に該当します。つまり、リフォーム専門をうたう会社の技術レベルは、法的に担保されているとは、いえないということです。 もちろん、建設業の許可がなくても技術力の高いリフォーム会社はあるでしょう。請負契約では工事の完成が約束されるとはいえ、発注先が信頼できる会社かどうかを見極めることも大切です。 3.請負契約によるリフォームの流れ ここからは、請負契約を結んでリフォームを行なう際の、工事の流れを説明します。 リフォームのイメージを固める リフォーム会社に見積もりを依頼する リフォーム会社と請負契約を結ぶ 工事が開始される 工事が完了する 3-1.リフォームのイメージを固める リフォーム工事は、ある程度進んでしまうと簡単にはやり直せません。どのようなリフォームをしたいのかを、事前に明確にすることが大切です。 そのためには、現在の自宅のどの部分に不満を感じているのか、振り返ってみるとよいでしょう。そして、どうなれば理想的な暮らしができそうか、しっかりとイメージを固めておきます。 3-2.リフォーム会社に見積もりを依頼する リフォームのイメージが固まったら、それを実現してくれそうなリフォーム会社をピックアップして、見積もりを依頼しましょう。 どのリフォーム会社にも得意・不得意があるため、この段階では依頼先を1社に絞り込む必要はありません。たとえ工事の内容が同じでも、会社によって見積もりに差が出ることは十分に考えられます。 3-3.リフォーム会社と請負契約を結ぶ 複数のリフォーム会社から取り寄せた見積もりを比較して、どこに依頼するかを検討します。ほかに提案されたプランなどがあれば、それらも考慮しながら依頼先を1社に絞り込みましょう。 1社に絞り込んだら、工事内容や工事期間、費用などの詳細について打ち合わせを行ないます。問題がなければリフォーム会社と請負契約を結びますが、その際には契約内容をしっかりと確認してください。 なお、契約内容のうち、特に注意して確認すべきポイントについては、このあと詳しく説明します。 3-4.工事が開始される 工事が始まると、騒音が発生したり、ホコリが飛んだりすることもあるでしょう。さらに、大型の車両が出入りする場面も増えるかもしれません。そのため、近隣に迷惑がかからないように配慮することが大切です。 また、リフォームの規模が大きいなどの理由から、工事が終わるまで一時的に部屋を借りて自宅を離れなければならないケースも考えられます。 トラブルを避けるためにも、近隣には事前に工事期間などを伝え、あいさつをしておくとよいでしょう。 3-5.工事が完了する 工事の完了後には、工事内容についてリフォーム会社の担当者から説明を受けます。請負契約では工事の完成に対して報酬が発生するため、依頼どおりの仕上がりになっているかどうか「検査」することが必要です。 不具合に気付いたら、しっかりと問題を指摘して、直してもらうための段取りの打ち合わせを行ないましょう。その場合は、不要なトラブルを避けるためにも、支払いが完了する前に話し合うことをおすすめします。 4.請負契約によるリフォームで失敗しないためのポイント 前述したとおり、リフォームの請負契約には書面で定めるべき事項があります。なかでも、以下は特に注意が必要なポイントです。 完成すべき仕事内容 工期(納期) 検収と報酬 再委託の可否 担保責任 解除の条件 ここからは、それぞれの項目について説明します。 4-1.完成すべき仕事内容 請負契約においては、何をもって完成とするかを事前に明確化しなければなりません。そのため、以下のような内容を定めます。 完成品が備えるべき仕様や数量 完成品に使用される材料や材質 完成させるまでの作業工程 リフォームは、家の一部のみを新しくする工事です。リフォームによってどこが新しくなり、どの部分が今のままとなるのかを、しっかりと確認しておきましょう。 通常は、リフォーム会社が図面などの書類を用意してくれます。書類と照らし合わせながら、工事内容や仕上がりをイメージしておくことが大切です。 4-2.工期(納期) 工事のスケジュールについても、十分に確認しておきましょう。 ただし、屋外の工事では、天候次第で遅れが出る場合があります。屋内の工事であっても、必要な資材の調達に時間がかかるなどの外部的な要因によって、予定どおりに進まないこともあるでしょう。 特に仮住まいの部屋を借りている場合、工事が遅れると費用面に支障が出てしまうかもしれません。そのため、余裕のあるスケジュールが組まれているかどうかを、あらかじめ確認しておきましょう。 4-3.検収と報酬 工事が完了した際の検収方法と、報酬の支払いについても確認してください。 検収では、工事が依頼どおりに行なわれたかどうかを、いつ・どのように検査するのかが明確になっているかをチェックします。報酬については、金額が見積もりと相違ないかだけでなく、支払い方法や期限についても確認が必要です。 また、前払い金が定められることもあるでしょう。その場合は、リフォーム会社の倒産など、万が一の際の保証について規定があるか確認しておくことをおすすめします。 なお、前払い金の支払いに不安がある場合は、必要に応じて保証人を要求することも可能です。 参考:“建設業法第二十一条”. e-Gov法令検索 4-4.再委託の可否 リフォーム会社は、工事の一部を別の会社に再委託する場合があります。その理由はさまざまですが、工事の内容次第では、専門性の高い下請け会社に任せたほうが質の高い作業ができることもあるでしょう。 なかには、発注するにあたって再委託を避けたい事情がある方もいるかもしれません。しかし、請負契約は仕事の「完成」を約束するものであるため、原則として再委託は行なえるとされています。 再委託を不可としたい場合には、契約の時点でそのように定めておくか、自社施工をうたうリフォーム会社を選びましょう。 4-5.担保責任 工事の結果が請負契約で定めたとおりではなかった場合、リフォーム会社には「契約不適合責任(瑕疵担保責任)」が生じます。 その際には、損害賠償や報酬の減額を求められるほか、契約の解除も可能とされています。とはいえ、「責任を持って予定された工事を完了させてほしい」と考える方も多いでしょう。 そのためには、契約内容との不適合が生じた場合にどのように対応するのかを、あらかじめ決めておく必要があります。その取り決めが、契約書に明記されているか確認しておきましょう。 なお、契約不適合責任に関しては、「契約不適合責任(瑕疵担保責任)とは?2020年の法改正による変更点やトラブル回避のポイントを解説」も併せてご覧ください。 4-6.解除の条件 工事が進まなくなったり、結果が予定どおりではなかったりすることを「債務不履行」といいます。債務不履行が発生した際には、契約解除の要求も可能です。 ただし、たとえ正当な理由があったとしても、契約の解除を求めるとリフォーム会社との信頼関係が損なわれてトラブルに発展しかねません。そのため、どのような場合に解除が可能かを、しっかり確かめておくことが大切です。 なお、法的には工事が完成する前であれば、損害賠償を行なうことで発注者はいつでも契約解除が可能とされています。 参考:“民法第六百四十一条”. e-Gov法令検索 5.不動産売却前にリフォームはすべき? 不動産を売却するために、リフォームを検討している方もいるかもしれません。たしかに、設備や内装を新しくすれば、より高く売れる可能性はありますが、多くの場合はリフォームにかかる費用のほうが高くなってしまうでしょう。 保有する不動産を少しでも高く売りたいのであれば、リフォームについて考えるよりも、慎重に不動産会社を選定することをおすすめします。 売却を依頼する不動産会社によっては、査定価格に大きな差が出るため、複数の不動産会社に査定を依頼して、結果を比較してみるのがよいでしょう。 マンション売却のリフォーム不要説は本当?すべきか否か判断する方法は? 初めてマンションを売る人の中には、「リフォームしないと売れないのではな 【無料】一括査定依頼スタート まとめ 請負契約とは、「仕事の完成に対して報酬を支払う契約」のことです。住宅のリフォームをする際に請負契約を結ぶ場合は、工事の内容や期間、報酬額などについて明記した書類を作成することが定められています。リフォームで失敗しないためには、本記事で紹介したポイントについて十分に確認することが大切です。 お手持ちの不動産の売却が目的でリフォームを検討しているのであれば、費用をかけてリフォームするよりも、信頼できる不動産会社を選ぶことに注力するほうがおすすめです。複数の不動産会社に査定を依頼して、結果を比較したうえで最適な1社を選ぶようにしましょう。 「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」は、NTTデータグループが運営する不動産一括査定サイトです。全国約2,500社の優良不動産会社のなかから、最大6社の査定価格をまとめて取り寄せられます。不動産の売却を検討されている方は、ぜひご活用ください。