【媒介契約書の基礎知識】締結前にチェックすべき8つのポイント

不動産を売却するときは、最初に不動産会社と媒介契約を締結します。
ただ、いきなり字の細かい媒介契約書を見せらると不安になる方もいらっしゃるので、事前にどのようなものかを知っておくと安心です。

そこでこの記事では、
「媒介契約書にはどのような種類があるのか」
「何が書かれているか」
「どこをチェックすべきか」
について、わかりやすく解説していきます。

ぜひ最後までおつきあいいただき、売却活動を不安なく進めるための一助としてください。

不動産の売却について基礎から詳しく知りたい方は『不動産売却の入門書』『【完全版】マンション売却の注意点』も合わせてご覧ください。

「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ
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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット

1.媒介契約書とは

媒介(ばいかい)契約書とは、不動産会社に仲介を依頼するときに締結する契約書を指します。
媒介とは、宅地建物取引業者が宅地建物の売買や交換、賃借に関して、売主(または貸主)と買主(または借主)との間に立って、売買契約や賃貸借契約の成立に向けて尽力する行為のことです。

媒介は、売主(または貸主)と買主(または借主)の間を仲立ちすることであり、「仲介(ちゅうかい)」とも呼ばれています。

宅地建物取引業法(第34条の2第1号)では、不動産会社は売買・交換の媒介契約を締結したときは、遅滞なく、「媒介契約書」を作成し、依頼者に交付しなければならないことが定められています。

媒介契約には、「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類があります。
それぞれの違いは下表の通りです。

特徴 一般媒介契約 専任媒介契約 専属専任媒介契約
他業者への依頼 重ねて依頼ができる 重ねての依頼ができない 重ねての依頼ができない
自己発見取引 認められる 通知義務 認められる 通知義務 認められない
成約に向けての不動産会社の義務 積極的努力義務 積極的努力義務 積極的努力義務
不動産会社の業務処理状況の報告義務 特になし 2週間に1回以上の報告 文書または電子メールのいずれかで報告 1週間に1回以上の報告 文書または電子メールのいずれかで報告
売買等の申込に関する不動産会社の報告義務 売買等の申込があったときは依頼者に遅滞なく報告 同左 同左
建物状況調査をする者のあっせんを行うこととした場合 建物状況調査をする者をあっせん 同左 同左
レインズへの登録 特になし 契約締結日の翌日から7日以内に登録 契約締結日の翌日から5日以内に登録
有効期間 法的な規定なし 3ヶ月が限度 3ヶ月が限度
他業者によって成約した場合 明示していない業者によって成約した場合、履行のために要した費用が請求される場合がある 違約金が請求される 違約金が請求される
自己発見取引をした場合 履行のために要した費用が請求される場合がある 履行のために要した費用が請求される場合がある 違約金が請求される
依頼者による媒介契約の解除 特になし 履行のために要した費用が請求される場合がある 履行のために要した費用が請求される場合がある

各媒介契約の詳細や「どの契約が自分に向いているのか」などは、以下の関連記事をご参照ください。

3つの媒介契約のメリット、デメリット。自分に有利な契約はどれ?

2.媒介契約書のひな形

媒介契約書は、国土交通省が標準媒介契約書約款を開示しています。

標準媒介契約書約款は、あくまでも参考例であり、標準約款がそのまま実際に使われる媒介契約書になっているわけではありません。

各不動産会社は、「全国宅地建物取引業協会」や「全日本不動産協会」といった公的な業界団体に属していることが通常です。

各業界団体は、それぞれ国土交通省の標準約款を参考に作成して媒介契約書の標準フォーマットを有しており、それらの標準フォーマットを利用することが一般的となっています。

3.媒介契約書に印紙は必要?不要?

結論からすると、「媒介契約書に印紙は不要」です。
印紙税とは、課税文書に印紙を貼り、それを消す(消印)ことにより国に納付する税金になります。

不動産に関する文書で、印紙税が不要な非課税文書と必要な課税文書を例示すると以下の通りです。

非課税文書(印紙不要) 課税文書(印紙必要)
  • 媒介契約書
  • 建物の賃貸借契約書
  • 抵当権の設定に関する契約書
  • 駐車場に駐車させることの契約書
  • 不動産の売買契約書
  • 地上権または土地の賃借権の設定または譲渡に関する契約書
  • 請負に関する契約書
  • 売上代金にかかる金銭の受取書

4.媒介契約の締結のタイミング

不動産売却の流れの全体像は以下の図の通りですが、媒介契約の締結のタイミングは、売却活動の開始前であることが基本です。

媒介契約の締結のタイミング

不動産を売却する際は、最初に査定を行います。
査定とは、不動産会社による売却予想価格の算出のことです。

通常、価格査定は高く売ってくれる会社を見つけるために複数の不動産会社に依頼します。
価格査定の結果、依頼したい不動産会社が決まったら、媒介契約を締結します。

1章で媒介契約には3つの種類があると説明しましたが、どの媒介契約の種類を選択するかは売主の自由です

気に入った不動産会社が見つかれば専任媒介や専属専任媒介でも構いませんし、1社に決めきれない場合には一般媒介を選択するのでも構いません。

媒介契約を締結したら、売却活動をスタートします。
買主が決まるまでの期間は、通常、3ヶ月程度です。

媒介契約の有効期間も一般的に3ヶ月ですので、媒介契約は更新しなくても買主は決まることが多いといえます。
売買契約を締結したら、その後、1ヶ月後に引き渡しを行うことが一般的です。

尚、実際の売買では、売却活動のスタート前に媒介契約を締結せず、うやむやの状態で売却活動が開始されてしまうこともあります。
一昔前は、売買契約日の当日に媒介契約を締結するようなケースも多かったです。

媒介契約を書面で締結しないまま売却活動を始めてしまうと、「言った・言わない」のトラブルになることもあるため、売主自身の身を守るためにも、媒介契約書を書面で締結してから売却活動をスタートしましょう

以下の記事で売却全体でみる媒介契約のタイミングを把握しておくと、より売却までをイメージしやすくなります。


~優良な不動産会社を見つける最短テクニック~

媒介契約は当然のことながら「できるだけ優良な不動産会社」を見つけて結ぶべきですが、初めて不動産を売る場合、どの会社が良いのかを見分けるのは難しいですよね?

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5.媒介報酬の規制

媒介報酬とは、不動産会社へ支払う仲介手数料のことです。
品証では「媒介報酬の規制」について、以下の4点を解説します。

  1. 媒介報酬請求の3要件
  2. 媒介報酬の限度額
  3. 媒介報酬の支払いタイミング
  4. 売買契約解除に伴う媒介報酬の取り扱い

それではひとつずつ見ていきましょう。

5-1.媒介報酬請求の3要件

媒介契約を締結しても、すぐに仲介手数料が生じるわけではありません。
媒介契約を締結しただけでは、不動産会社に媒介報酬の請求権が発生しないからです。

不動産会社が売主に仲介手数料を請求するには、以下の3つの要件を満たすことが必要とされています。

  1. 不動産会社と依頼者との間で媒介契約が成立していること
  2. その契約に基づき不動産会社が行う媒介行為が存在すること
  3. その媒介行為により売買契約等が有効に成立すること

1つ目は、媒介契約が成立していることが必要です。
不動産会社には仲介を依頼されたら、遅滞なく、「媒介契約書」を作成し、依頼者に交付しなければならない義務があるため、書面で媒介契約書を締結している必要があります。

2つ目は、媒介契約に基づき不動産会社が行う媒介行為が存在していることも必要です。
媒介行為とは、具体的には現地案内や物件・権利関係の調査、売主や買主に対する説明、代金額その他契約条件の調整等に尽力することを指します。

3つ目は、媒介行為により売買契約等が有効に成立することも必要です。
この3つ目の要件が最大のポイントとなります。

売買契約等が有効に成立しない限り不動産会社に媒介報酬の請求権が発生しないため、売買契約を締結できなければ不動産会社は媒介報酬を請求できないことになります。

つまり、媒介報酬(仲介手数料)は「成功報酬」型の手数料であるということです。
媒介報酬は成功報酬であることから、媒介契約を締結しただけでは、売主に費用負担は生じないことになります。
着手金や前金といった金銭も発生しないということです。

また、一般媒介で複数の不動産会社に売却を依頼しても、媒介報酬は成功報酬となります。
例えば、一般媒介でA社とB社、C社の3社に仲介を依頼した場合、A社が買主を決めてくれたら仲介手数料の支払先はA社のみということです。

つまり、売主が負担する仲介手数料は、一般媒介で複数社に依頼しても、専任媒介や専属専任媒介で1社だけに依頼しても、支払先は1社だけなので同じになります。

5-2.媒介報酬の限度額

媒介報酬は不動産会社が受領できる限度額が定められています。
限度額は取引額に応じて計算方法があり、その速算式は下表の通りです。

取引額 仲介手数料(別途消費税)
200万円以下 取引額の5%
200万円超から400万円以下 取引額の4%+2万円
400万円超 取引額の3%+6万円

仲介手数料には別途消費税が発生します。

5-3.媒介報酬の支払いタイミング

媒介報酬の支払いタイミングは、売買契約成立時に50%、引渡時に50%を支払うことが一般的です。

媒介報酬の支払いタイミング

媒介報酬の請求権が発生する要件の1つに「その媒介行為により売買契約等が有効に成立すること」という要件がありました。

媒介報酬の請求権は、売買契約時点で3つの要件を満たすことになります。
そのため、仮に不動産会社が売買契約時点に100%の仲介手数料を請求してきても法律上の問題はないということです。

ただし、不動産の売却は引渡まで行うことで完了するため、引渡までは不動産会社の力が必要となります。

不動産会社に引渡までしっかり仕事をしてもらうためにも、仲介手数料の支払に一部を留保することが望ましいです。

多くの人が仲介手数料の一部の支払いを引渡まで留保することから、仲介手数料の支払いは売買契約成立時に50%、引渡時に50%とするのが一般的な商習慣となっています

5-4.売買契約解除に伴う媒介報酬の取り扱い

媒介報酬は売買契約時に50%を支払います。
そのため、仮に売買契約時から引渡までの間に売買契約が解除された場合、売買契約時点に支払った50%分の媒介報酬が返ってくるのかという問題が発生します。

契約解除と媒介報酬の返還の有無との関係は、下表の通りです。

解除事由 媒介報酬の返還の有無
ローン特約による解除 戻ってくる
売買当事者の一方的な都合による手付解除 戻ってこない
売買当事者の契約違反による解除 戻ってこない
当事者による合意解除 戻ってこない

ローン特約とは、買主が住宅ローンを利用して購入する場合、買主が銀行の融資審査を通らなかったときに契約が解除できることを定めた条項です。

買主は、住宅ローンの本審査を売買契約後から引渡までの間に行います。
ローン特約は、借主が住宅ローンの本審査に通らなかったときに備えて通常締結しておく売買契約書の条文です。

ローン特約による解除は、売主にも買主にも落ち度はなく、第三者である銀行に原因があるため、不動産会社に支払った50%の媒介報酬は戻ってくることになります。

また、手付解除や、契約違反による解除、合意解除の場合には、不動産会社が起因する契約解除ではないため、50%の媒介報酬は戻ってこないというルールです。

手付解除とは、手付金を使って売主または買主の一方的な都合によって解除する方法になります。
契約違反による解除とは、例えば買主が売買代金を支払わないとき等の解除です。
合意解除とは、売主と買主が双方合意して解除することを指します。

6.媒介契約書の記載事項の8つのチェックポイント

不動産のプロでもない限り、「媒介契約書のどこに注意したら良いのか」は正直分からないかと思います。
そこで本章では、「媒介契約書の記載事項のチェックポイント」をご紹介します。
全部で以下の8項目です。

  1. 契約の種類
  2. 契約の有効期間
  3. 専任媒介や専属専任媒介はレインズへの登録義務と報告義務
  4. 一般媒介等は明示型か非明示型か
  5. 依頼者の義務
  6. 契約解除時のペナルティ
  7. 特別依頼に係る費用
  8. 媒介報酬の支払い時期

それではひとつずつ見ていきましょう。

6-1.契約の種類

媒介契約は、まずは契約の種類を確認することがポイントです。
媒介契約には、「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類がありました。

3つの媒介契約の大きな違いは、一般媒介では他の不動産会社に仲介を「重ねて依頼ができる」のに対し、専任媒介と専属専任媒介は「重ねての依頼ができない」という点です。

一般媒介であれば同時に2社以上の不動産会社に売却を依頼できますが、専任媒介と専属専任媒介では1社にしか売却を依頼できないことになります。

専任媒介と専属専任媒介との違いは、自己発見取引ができるかどうかという点です。
自己発見取引とは、売主が自分で買主を見つけてくることを指します。

専任媒介は自己発見取引ができるのに対し、専属専任媒介は自己発見取引もできないということです。
専属専任媒介で売主が自己発見取引をしてしまった場合は違約金が発生します。

「媒介契約書が自分の希望した契約の種類になっているか」、最初に確認するようにしましょう

6-2.契約の有効期間

契約の有効期間も確認します。

専任媒介と専属専任媒介は、最長でも3ヶ月です。
1社にしか依頼できない専任媒介と専属専任媒介では、契約が長期にわたると売主が不利益を被る可能性があるため、長くても3ヶ月と定められています。
専任媒介や専属専任媒介で3ヶ月を超えている場合は、宅地建物取引業法違反となります。

専任媒介と専属専任媒介は自動更新をすることはできず、依頼者の申出によってはじめて更新することができます。
更新後の有効期間も、3ヶ月が限度です。

一方で、複数社に依頼できる一般媒介には法律上の有効期間の定めはありませんが、専任媒介や専属専任媒介に準じて3ヶ月とすることが多いです。

ただし、一般媒介の場合は、法律に有効期間の定めがないため、3ヶ月を超えていても問題はないことになります。

6-3.専任媒介・専属専任媒介ならレインズへの登録義務と報告義務

専任媒介や専属専任媒介では、不動産会社にレインズへの登録義務と売主への報告義務が課されています。

レインズとは全国の宅地建物取引業者(不動産会社のこと)が閲覧できるデータベースのことです。

専任媒介・専属専任媒介ならレインズへの登録義務と報告義務

レインズに売り物件が登録されると、他の不動産会社がその情報を見て買主をあっせんすることができます。

1社にしか依頼できない専任媒介や専属専任媒介の場合、売り物件情報がその会社だけに囲い込まれてしまうと、本当はもっと高く買ってくれる買主がいるにも関わらず、安く売られてしまうリスクも存在します。

レインズによって不動会社間で売り物件情報が共有されれば、例えばA社に売却を依頼しても、B社が条件の良い買主を見つけてくれることもあります。

1社独占契約によって売主が被る不利益を防ぐためにも、専任媒介と専属専任媒介にはレインズへの登録義務があるのです

レインズへの登録義務は、専任媒介なら契約締結日の翌日から7日以内、専属専任媒介なら契約締結日の翌日から5日以内となります。

また、専任媒介と専属専任媒介には、不動産会社に報告義務が課されます。
依頼した不動産会社が1社の場合、不動産会社に手を抜かれてしまうと依頼者が不利益を被る可能性があることから、不動産会社に報告義務があります

報告義務は、専任媒介であれば2週間に1回以上、専属専任媒介であれば1週間に1回以上です。

レインズへの登録義務と報告義務の日数は以下のように定められています。

契約の種類 レインズへの登録義務 売主への報告義務
専任媒介 契約締結日の翌日から7日以内 2週間に1回以上
専属専任媒介 契約締結日の翌日から5日以内 1週間に1回以上

尚、一般媒介は、売主が複数の不動産会社に売却を依頼することが可能であり、そもそも売り物件情報が1社に独占されないことから、不動産会社にレインズへの登録義務はありません。
また、一般媒介で依頼された不動産会社には報告義務もないことになっています。

6-4.一般媒介は「明示型か非明示型か」

一般媒介は「明示型か非明示型か」を確認します。
明示型とは、他に依頼する不動産会社名を明らかにしておく一般媒介契約のことです。
非明示型とは、他に依頼する不動産会社名を明らかにしない一般媒介契約になります。

明示型を選択した場合、明示していない不動産会社が売買契約を成約させてしまうと、違約金が請求されてしまいます。

例えば、明示型で当初A社とB社、C社の3社に一般媒介で依頼したとします。
その後、黙ってD社にも仲介を依頼し、D社が買主を決めてしまった場合には、明示型で契約した不動産会社に違約金を支払わなければならないということです。

ただし、新しい不動産会社に依頼することをA社とB社、C社に通知すれば契約違反にはなりません。

一方で、非明示型であれば、他に依頼する不動産会社を明らかにする必要はないため、特に通知をしなくても後から不動産会社を自由に追加することもできます。

そのため、後から不動産会社を追加する可能性のある人は、非明示型を選択した方が通知の手間が省けます。

6-5.依頼者の義務

依頼者の義務を確認しておくこともポイントです。
専任媒介や専属専任媒介は、他の不動産会社に重ねて依頼しないことが義務となっています。
また、専属専任媒介では、自己発見取引をしないことも依頼者の義務です。

6-6.契約解除時のペナルティ

依頼者が媒介契約に違反して契約を解除するときのペナルティについても、確認しておきましょう。

具体的には、専任媒介や専属専任媒介であるにも関わらず他の不動産会社に依頼した場合や、専属専任媒介であるにも関わらず自己発見取引をした場合が契約違反に該当します。

違約金の額は、約定報酬額、つまり媒介報酬(仲介手数料)に相当する金額が定められていることが一般的です。

また、媒介契約の有効期間内(例えば3ヶ月以内)に、売主が一方的に媒介契約を解除したときは、履行のために要した費用が請求されることも定められています。

履行のために要した費用とは、主に以下のような費用です。

  • 現地調査費用:交通費、写真代
  • 権利関係調査費用:交通費、謄本代
  • 販売活動費用:新聞・雑誌の広告費、通信費、現地案内交通費
  • 契約交渉費用:交通費

ただし、請求される履行のために要した費用の額は、媒介報酬を超えることはできないことになっています。

6-7.特別依頼に係る費用

依頼者が不動産会社に特別な依頼をした場合、不動産会社は仲介手数料以外に「特別依頼に係る費用」を請求することが可能です。

特別依頼に係る費用とは、例えば特別に依頼した広告の料金または遠隔地への出張旅費等が該当します。

特別に依頼した広告は、具体的にはテレビコマーシャル等の常識を逸脱した広告が該当し、不動産会社が通常行うチラシやインターネット広告は該当しないことになります。

6-8.媒介報酬の支払い時期

「媒介報酬の支払い時期」も確認してください。
売買契約成立時に50%、引渡時に50%というのは、あくまでも商習慣であるため、絶対的なルールではないです。

売買契約成立時に100%請求されてしまうこともあり得ます。
念のため、支払時期がどうなっているか確認しておきましょう。

まとめ

いかがでしたか。
媒介契約書に関する基礎知識や注意事項を解説してきました。

媒介契約書とは、不動産会社に仲介を依頼する際に締結する契約書になります。
媒介契約書には、印紙は不要です。

媒介契約書のチェックポイントとしては、「契約の有効期間」や「依頼者の義務」等がありました。
媒介契約を締結する際は、ぜひこの記事で紹介したポイントを思い出して、抜けもれなく確認していただくことをおススメします。

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