つなぎ融資とは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説!

つなぎ融資とは?仕組みからメリット・デメリットまで徹底解説!

住み替えなどで、住宅ローンの融資が実行されるまでの一次的な資金繰りの解消のためにあるのが「つなぎ融資」です。

この記事ではつなぎ融資の仕組みからメリット・デメリット、回避する方法までわかりやすく解説いたします。

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この記事の執筆者

1.つなぎ融資とは?

住宅ローン

まずはつなぎ融資の仕組みと、必要となるケースを解説します。

1-1.つなぎ融資の仕組みとは?

つなぎ融資とは、住宅ローンの融資の前に購入物件の代金支払が発生したときに、一時的な資金不足を補うために利用する短期の融資 です。

家づくりのとびら

住宅ローンの融資までを「つなぐ」役割を担うため、「つなぎ融資」と呼ばれます。

借入期間は1ヶ月から1年以内の短期。毎月の返済が発生するような融資ではなく、基本的には住宅ローンの融資が実行されたら一括返済します。

1-2.つなぎ融資が必要なケースとは?

つなぎ融資は、注文住宅を建てるケースで多く利用されます。
注文住宅を購入しない場合には、原則つなぎ融資は必要ありません。

注文住宅を建てる際には、建築費用の60%ほどを「着工金」や「中間金」として住宅の完成前に分割払いするため、多額の費用が発生します。
たとえば、注文住宅の建築費用が3,000万円であれば、完成前に支払う金額は1,800万円ほどです。

住宅ローンの融資は、引き渡し時に実行されるため、前払いする多額の費用を自己資金だけで賄うのは難しいでしょう。

このような場合につなぎ融資が利用されます。

2.つなぎ融資を利用するメリット

若い夫婦

つなぎ融資のメリットは以下の2つです。

  1. 住宅購入費の不足をカバーできる
  2. 住み替えの売却時期が未定でも新居を購入できる

2-1.住宅購入費の不足をカバーできる

つなぎ融資の1つ目のメリットは、住宅購入費の不足をカバーできる点です。

注文住宅を建てる際には、住宅ローンの融資前に、土地の購入代金や建築費用などのまとまった資金が必要です。
このような場合につなぎ融資を利用することで、住宅ローンが実行されるまでの間に必要な資金の支払いが可能になります。

2-2.住み替えの売却時期が未定でも新居を購入できる

つなぎ融資の2つ目のメリットは、住み替え時に現在の家の売却が完了する前に新居を購入できることです。
こうした手続きの流れを「買い先行」といいます。

通常、売却時期がわからないまま新居を購入すると、現在の家と新居で住宅ローンの返済が二重になってしまうリスクがあります。
つなぎ融資を利用するとこうしたリスクを減らせるため、売却時期が未定でも「買い先行」で新居の購入が可能です。

また、売却前に住み替えを行うと、内覧に合わせて部屋を片付ける手間が省け、内覧の立ち合いも不要になります。
片付けや内覧の手間がなくなり、内覧に合わせたスケジュール調整も不要です。

3.つなぎ融資を利用するデメリット

家と現金と電卓

つなぎ融資のデメリットは以下の3つです。

  1. 金利や事務手数料が発生する
  2. 資金計画が狂う可能性がある
  3. 融資期間内に返済しないと遅延損害金が発生する

3-1.金利や事務手数料が発生する

1つ目としては、「金利や事務手数料が発生する」という点があります。

金利は3%前後であり、住宅ローンよりも高いです。
またつなぎ融資を申し込む際は事務手数料が発生します。
事務手数料は、多くの銀行が10万円プラス消費税としています。

支払利息の額は、金利と借入期間で変わってきます。
例えば1,000万円を3%で半年間借りた場合、支払利息は15万円となります。
事務手数料と合わせると25万円の費用がかかります。

費用に関しては、二重の引っ越し代と天秤にかけて決めた方が良いでしょう。

3-2.資金計画が狂う可能性がある

住み替えでつなぎ融資を利用し、売却代金で返済を考えている場合、「資金計画が狂う可能性がある」という点がデメリットです。

いくらで売れるか分からないままつなぎ融資を利用してしまうと、売却価格が思いのほか安くなってしまえば、つなぎ融資の返済に預貯金を使う必要が出てきます。

資金計画が狂わないようにするためには、売却価格を低めで見込んでおくことが必要です。

つなぎ融資を利用する際は、あまり高くは売れないことを想定して、相場よりも安い売却予想価格を立てるなど、売却価格を保守的に見込んでおくことがコツになります。

3-3.融資期間内に返済しないと遅延損害金が発生する

3つ目としては、「融資期間内に返済しないと遅延損害金が発生する」という点があります。

つなぎ融資は融資期間が1ヶ月から1年以内という短期の融資です。
この期間で返済できないと、遅延損害金が年利14%程度で発生してしまいます。

遅延損害金を発生させないためには、多少の金利は増えても融資期間は長めに借りておくことをおすすめします。

4.つなぎ融資の流れ

ここでは、つなぎ融資を受けてから返済するまでの流れを5ステップでご紹介します。

  • ステップ1:資金を確認しておく
  • ステップ2:金融機関を探す
  • ステップ3:審査を受ける
  • ステップ4:つなぎ融資で費用を支払う
  • ステップ5:つなぎ融資を返済する

ステップ1:資金を確認しておく

まずは、どの程度の資金が必要かを確認します。

住宅ローンの融資の前に、土地の購入費用や着工金、中間金などで合計いくらかかるかを見積もっておきましょう。

ステップ2:金融機関を探す

次に、つなぎ融資を提供している金融機関を探します。

金融機関を探す際に注意しておきたいポイントは、以下の2つです。

  • 住宅ローンを取り扱う金融機関でもつなぎ融資に対応していないケースがある
  • 融資の回数を確認する

つなぎ融資は住宅ローンとセットで利用することが一般的です。
しかし、住宅ローンを取り扱う金融機関でもつなぎ融資に対応していないケースもあるため、住宅ローン申請の段階で利用できるかを確認しておきましょう。

また、つなぎ融資を何回受けられるかも金融機関によって異なります。
3回以上受けられるケースが一般的ですが、2回と定めている金融機関もあります。

一回あたりの限度額も異なるため、資金計画が狂わないよう事前確認が必要です。

ステップ3:審査を受ける

続いて、つなぎ融資と住宅ローンの審査を受けます。

審査には収入証明書や身分証明書などの書類が必要です。

ステップ4:つなぎ融資で費用を支払う

住宅の建設が始まると、費用の一部を支払う必要があります。

  • 土地の購入代金
  • 着工金
  • 中間金

これらの費用の支払いをつなぎ融資で賄います。

ステップ5:つなぎ融資を返済する

住宅が完成して引き渡されると、住宅ローンの融資が実行されます。このタイミングでつなぎ融資を一括返済します。住宅ローンの融資額には、つなぎ融資の返済分も含まれているため、住宅ローンの実行と同時につなぎ融資が完済されるのです。

5.つなぎ融資を回避する3つの方法

マンション住み替えと住宅ローンの注意点

できればつなぎ融資の利用を避けたいと思っている人は多いでしょう。

そこで、つなぎ融資を回避する方法を3つお伝えします。

つなぎ融資を回避する3つの方法

  • 完成時に一括支払いできるハウスメーカーを探す
  • 住み替えで得た売却代金を購入時の支払いにまわす
  • 分割融資を利用する

注文住宅であっても完成時に費用の一括支払いができるハウスメーカーが見つかれば、つなぎ融資を利用する必要がありません。
まずは、新居を建てたい地域に完成時一括支払いが可能なハウスメーカーが存在するかを確認してみましょう。

ただし、見つけるのはかなり難しいといえるでしょう。
注文住宅ではほとんどのハウスメーカーが建築費用を先に請求します。完成時の一括支払いにすると、資金繰りが厳しくなるからです。

また、住み替えの場合は、「売り先行」で現在の家を売却すれば、売却して得た代金を購入時の支払いにまわせます。
「売り先行」とは、現在の家を売却してから新居を買うことです。

そのほか、住宅ローンの分割融資を受ける方法もあります。
分割融資とは、住宅ローンの融資を複数回に分けて受けられる制度です。

分割融資では、土地の購入時、引き渡し時の2回に融資を分けるのが一般的ですが、金融機関によっては3回以上に分けています。

ただし、分割融資にも大きなデメリットがあります。手数料がつなぎ融資よりも割高になる点と、取り扱う金融機関が少ない点です。
つなぎ融資を利用せざるを得ないときに、双方の費用を比較して利用を検討するといいでしょう。

まとめ

いかがでしたか。
つなぎ融資について解説してきました。

つなぎ融資は、主に注文住宅を建てるときに一時的な資金不足を補うために利用する短期の融資です。

つなぎ融資には、費用の不足をカバーできるというメリットがあります。

一方で、「金利や事務手数料が発生する」、「資金計画が狂う可能性がある」、「融資期間内に返済しないと遅延損害金が発生する」というデメリットもあります。

特に住み替え時の利用には、資金計画が狂いやすいので注意が必要です。スムーズな住み替えを実現するには、不動産会社選びが重要になります。

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この記事の執筆者
竹内 英二
不動産鑑定士事務所および宅地建物取引業者である(株)グロープロフィットの代表取締役を務める。 不動産鑑定士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)、中小企業診断士。
(株)グロープロフィット