更新日:2025.05.21 不動産売却の授業 レインズ(REINS)とは?仕組み・活用メリットと便利な使い方を解説! 不動産売却について調べていたり、不動産会社と話をしていると、しばしば「レインズ」という言葉が出てくるかと思います。 レインズは、安心して不動産売却を進めていくために非常に重要な仕組みですから、どういったものなのか簡単に把握しておきましょう。 【1分で分かる】この記事の内容 レインズは全国の不動産会社が使う不動産情報ネットワーク 円滑な売買や囲い込み防止にレインズが寄与 レインズに登録してもらうには専任・専属専任媒介契約が基本 一度の申し込みで 最大6 社に依頼 できる 売却したいけど何から始めたらいいかわからない方は 不動産売却のプロに相談しましょう! 大手から地元密着企業まで約2,500社参画 無料 売却のプロに相談する Contents1. レインズ(REINS)とは2. レインズが使われるメリット3. 不動産会社にレインズを登録してもらう方法4. 売主も媒介契約後に一部のレインズ情報を見られる5. 一般人でも見られるレインズマーケットインフォメーションとはまとめ 1. レインズ(REINS)とは まずはレインズの成り立ちと仕組みを押さえましょう。ここを理解すれば、なぜ登録が売却成功に直結するのかが見えてきます。 1-1.全国の不動産会社が使う不動産ネットワーク レインズは、物件情報を全国の不動産会社が24時間オンラインで共有できるシステムです。 不動産売却では、売主に依頼された不動産会社が売却情報をレインズに登録することで、全国の不動産会社が売却情報を閲覧できます。 売買成立の情報まで蓄積されているため、レインズは不動産データを収集する目的でも利用されます。 出典:西日本レインズ.”レインズ/REINSとは”.(参照2024-05-19) 物件登録 売主と媒介契約を結んだ仲介会社が、所在地・価格・図面などをレインズに入力します。 全国の不動産会社が検索・紹介 登録直後から他社も物件を検索でき、買主に紹介することで早期売却のチャンスが拡大します。 成約報告(14日以内) 売買が成立すると仲介会社は成約価格を報告。価格データの信頼性が保たれます。 データ蓄積・統計提供 過去の成約事例が蓄積され、査定や相場分析に活用可能。売主も適正価格を把握しやすくなります。 このネットワーク構造により、公正な不動産取引を支えています。 1-2. 全国にある4つのレインズ レインズは国土交通省が指定した全国4つの不動産流通機構により運用されており、その事業圏域は東日本、中部、近畿、西日本の4地域に分かれています。 レインズ機構 管轄エリア 該当都道府県 東日本レインズ(公益財団法人 東日本不動産流通機構) 北海道・東北・北関東・首都圏・甲信越 北海道 / 青森・岩手・宮城・秋田・山形・福島 / 茨城・栃木・群馬 / 東京・埼玉・千葉・神奈川 / 山梨・長野・新潟 中部レインズ(公益社団法人 中部圏不動産流通機構) 中部・北陸 愛知・静岡・三重・岐阜・富山・石川・福井 近畿レインズ(公益社団法人 近畿圏不動産流通機構) 近畿 大阪・京都・奈良・和歌山・兵庫・滋賀 西日本レインズ(公益社団法人 西日本不動産流通機構) 中国・四国・九州・沖縄 岡山・広島・山口・鳥取・島根 / 徳島・香川・愛媛・高知 / 福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島・沖縄 4機構の2023年度登録件数は4,272,339件。 日本最大級の成約データベースとして査定や相場分析に活用されています。 1-3.不動産会社だけが利用できる レインズの会員になれるのは、土地や建物の売買や仲介を行う不動産会社(宅建業者)だけです。 会員は物件登録・検索、成約報告、統計データ閲覧、取引状況管理といった機能を使い、全国の物件情報をリアルタイムで共有できます。 基本的に、レインズは不動産会社だけが使えるシステムだと覚えておきましょう。 ただし、4章と5章で解説するように、限定的ではありますが売主や一般の方が閲覧できる情報もあります。 2. レインズが使われるメリット ここでは売主にとっての具体的な利点を整理します。単に「登録すれば良い」ではなく、どのような効果が期待できるかを理解しておきましょう。 2-1. 全国で売買情報が共有され売買が円滑になる レインズに登録された物件は全国10万社超の会員仲介会社が同時に検索・紹介できます。 これにより、大手不動産会社でなくても、全国へ信頼できる情報を発信することができます。 またレインズには、売主が作成した間取り図の登録・公開もできます。 購入希望者にアピールしたい記載事項を詳細に伝えられ、情報発信力がより高まります。 2-2. 膨大な成約データが適正価格の算定を可能にする 成約価格の登録が義務付けられているため、最新の取引事例が大量に蓄積されています。 査定時にはこのデータを基に実勢価格を算出でき、相場とかけ離れた売出価格を避けられます。 2-3. 囲い込みの防止になる 囲い込みとは、不動産業界における商慣習の一つです。 不動産会社が売主から不動産売却の仲介依頼を受けた際、自社のみで取引を完結できるよう、意図的に売却活動を制限することを指します。 これは、売主や買主にとって不利益であることがほとんどで、本来是正されるべきものです。 レインズが利用されれば、物件情報が会員各社に同時公開されるため、情報を隠して両手仲介を狙う囲い込みは起こりにくくなります。 2025年1月の制度改正では、レインズへの取引状況の義務化や、囲い込み行為が処分対象になるなど、業界の健全化に向けた改革が進められています。 “近所にバレずに売却するならレインズは効果的!?” フルオープンな情報公開が当然の昨今では、クローズドな情報公開システムであるレインズの意味合いは薄れつつあります。しかしながら、売却していることを他人に知られたくない売主にとっては、レインズは大きな効果を発揮します。 不動産の売却では、ご近所トラブルや離婚、借金の返済等、売却していることを他人に知られたくないというケースがあります。 通常の方法で売却活動を進めると、チラシ等で「あの家は売りに出されている」ということが近所にも知れ渡ってしまいます。また、ポータルサイトで近所の住民につながりのある誰かの目に触れることで、売却を進めていることが分かってしまいます。 他人に知られたくない人にとっては、フルオープンな情報公開は避けたいところ。そこで、売却を他人に知られたくない人は、専任媒介または専属専任媒介で売却することをおすすめします。 不動産会社には、ネット広告やチラシを行わないで欲しいと希望をきちんと伝えてください。レインズには情報が公開されるため、プロの方たちの間にのみ広く情報を届けることが可能です。 もちろん、レインズで物件情報を見た不動産会社が広告やチラシを行うことはありません。たまたま「当該物件のような家が欲しい」という買主を抱えている不動産会社がいれば、購入希望者を紹介するだけになります。 レインズの仕組みを理解し、上手に利用することで、不動産売却がスムーズに実現できることでしょう。 3. 不動産会社にレインズを登録してもらう方法 「登録義務があるはずなのに載せてもらえなかった」というトラブルは珍しくありません。ここでは確実に登録させるための契約選びとお願いのコツを紹介します。 3-1. 専任媒介契約・専属専任媒介契約を選ぶ レインズは、売主が仲介を依頼する不動産会社と締結する「媒介契約」と深く関わりがあります。 媒介契約には以下の3つの種類があり、「専任」と名のつく契約に関しては、レインズへの登録義務が生じます。 媒介契約 レインズ登録義務 報告義務 専属専任契約 5 日以内 1 週間に 1 回以上 専任媒介契約 7 日以内 2 週間に 1 回以上 一般媒介契約 任意 なし 専属専任媒介契約と専任媒介契約は、1社の不動産会社にしか仲介を依頼できない契約です。 それに対して、一般媒介契約は複数の不動産会社に同時に仲介を依頼できる契約となります。 一般媒介契約は複数の不動産会社と媒介契約を結ぶことができますが、その代わりにレインズへの登録義務は不動産会社には生じません。 ただ、一般媒介を選ぶ場合でも、契約書に「レインズ登録を行う」という特約を追加すれば無料で登録してもらえます。 3-2. 登録をお願いする 単純に、レインズへの登録をお願いするだけでも効果があります。 できるだけ早く登録してほしいのであればその旨を伝えましょう。対応してくれる場合もあります。 前項でも触れていますが、レインズ登録義務の無い一般媒介契約では、レインズ登録を特約で追加できるか相談しましょう。 レインズへの登録は、売主が安心して取引を行う上でも重要です。 不動産会社を選ぶ際は、こうした要望に真摯に向き合ってくれる不動産会社を選びましょう。 どんな不動産会社を選べばいいか分からない方は、NTTデータ・ウィズの不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)をご活用ください。 全国から厳選された提携不動産会社の中から、最大6社にまとめて査定依頼ができるため、信頼できる不動産会社に出会いやすくなります。 一度の申し込みで 最大6 社に依頼 できる 売却したいけど何から始めたらいいかわからない方は 不動産売却のプロに相談しましょう! 大手から地元密着企業まで約2,500社参画 無料 売却のプロに相談する 4. 売主も媒介契約後に一部のレインズ情報を見られる 専任・専属専任媒介契約で登録された物件なら、売主専用確認画面で取引状況を確認できるようになります。 ログインに必要な情報は、不動産会社から渡される登録証明書から確認できます。 取引状況を見れば、不動産会社がきちんと他社の申し出を受け付けているかを確認でき、囲い込みの確認などに役立ちます。 取引状況には、以下の3つのステータスがあります。 ステータス 概要 公開中 客付業者(買主を見つけてくれる不動産会社)への案内等を受けられる状態。 書面による購入申し込みあり 客付業者から書面による購入申込を受けた状態。 売主都合で一時紹介停止中 売却依頼主の事情により一時的に物件を紹介できない状況。 「公開中」の物件は、客付業者への紹介を拒否できないという強制力が加わったため、レインズ掲載後の囲い込みは、取引状況管理機能によってできなくなっています。 レインズを個人(一般人)が見る方法は?仕組みや登録の流れ 不動産売却時に住宅情報の発信や情報収集に活用するなど不動産売却の流れを 5. 一般人でも見られるレインズマーケットインフォメーションとは 過去の成約価格を誰でも無料で検索できる公式サイトがレインズマーケットインフォメーションです。 条件検索から類似物件を探すことで、売却したい物件また購入したい物件の相場を調べる方法としても有効です。 主に以下のような条件で絞り込み検索ができます。 単価(万円/平米) 専有面積 間取り 築年数 成約時期(3か月以内/6か月以内/1年以内から選択可能) 用途地域(土地の用途) なお、2024年4月から、国土交通省が運営する不動産情報ライブラリ上で、レインズマーケットインフォメーションの情報を閲覧できるようになりました。 不動産情報ライブラリや不動産ポータルサイトでの売り出し価格など、複数の情報を照らし合わせて行くと、より精度の高い売却相場を調べられます。 まとめ この記事では、レインズについて解説してきました。レインズは、「専任媒介」または「専属専任媒介」で生じやすい囲い込みリスクを緩和する役目を持ちます。 また、売主は物件の取引状況を確認することができますので、登録済証が発行されたら、ぜひ取引状況を確認するようにして下さい。また、「レインズ・マーケット・インフォメーション」では、大体の不動産相場がわかります。 レインズの仕組みを上手く利用して、不動産を高くスムーズに売却しましょう。 不動産売却の豆知識 不動産会社によっては同じ物件でも査定額が数百万円変わることがあります。複数社に査定依頼をすることで、査定額を比較し本当の物件価値を知ることができます。 実際に不動産売却した人は平均3社以上の不動産会社に査定依頼を出しています。不動産売却 HOME4U(NTTデータグループ運営)では厳選された不動産会社から最大6社をご紹介させていただきます。 【完全無料】一括査定依頼をスタート Q レインズ(REINS)とは何ですか? A 国土交通省が指定する4つの不動産流通機構が共同運営する物件情報ネットワークで、全国の不動産会社が24時間オンラインで物件を登録・検索・成約報告できる公的システムです。 Q 一般の人はレインズを閲覧できますか? A 物件検索画面は不動産会社専用ですが、売主は媒介契約後に発行される「登録証明書」で自分の物件の取引状況を確認できます。また、過去の成約事例は「レインズマーケットインフォメーション」で誰でも閲覧可能です。 Q レインズに登録するとどんなメリットがありますか? A 全国の不動産会社へ情報が共有され、早期売却が期待できる 成約価格データを活用して適正価格を算定できる 情報がオープン化され囲い込みが起こりにくくなる Q レインズに確実に登録してもらう方法は? A 専任媒介または専属専任媒介を選ぶと登録義務が発生します。 一般媒介でも契約書に「レインズ登録」を特約で明記すれば登録可能です。 登録後は発行された ID でログインし、ステータスが「公開中」になっているか必ず確認しましょう。