【第2話】住宅ローンの滞納が始まる

前島家の売却体験記 第2話

第1話では、突然の事業縮小による部署の解体で、退職を余儀なくされた前島さん。運よく転職先が決まったまではよかったのですが、給料が激減してしまいました。このまま前島さんは住宅ローンを払い続けることができるのでしょうか。それでは、第2話をお届けします!

体験記・第2話

現在、住んでいる家は、新興住宅街にある一戸建て。狭いながらも、バーベキューを楽しめる程度の庭があるのが自慢です。
また、最寄り駅までバスに乗れば10分程度で行け、歩いたとしてもそんなに苦にならない距離が気に入っています。

正直、この家は予算より少し高めでしたが、少々背伸びをして購入してしまいました。とはいえ、以前の会社はそこそこの給料をもらえたので大丈夫だと思い、思い切って購入したのです。

でも、まさか自分が転職することになり、手取りが7~8万円も減るなんて思ってもみなかった・・・。もしかしたら、その時点で考えを改めて、生活を縮小すればよかったのかもしれません。
けれども、そんなことをしなくても自分なら乗り切れると思っていたのです。

また、子どもには将来、私立中学を受験させようと思い、春から学習塾に通わせることになり、新たな出費も増えていました。
給料が減ったのに、いままでと同じレベルの生活を続けたいという妙なプライドのせいで、私たち家族は少しずつ窮地へ追い込まれていったのです。

最初は乗り切れると思っていた住宅ローンが、じわじわと私たちの生活を追い込んでいきました。そのうち、少しずつ貯蓄を取り崩すようになっていき・・・。

たまりかねて、専業主婦だった妻はパートに出るようになりましたが、小学生の子どもがいるため、ほんの4時間程度しか働けず、家計の赤字を改善することはできませんでした。少しずつ目減りしていった貯蓄の残額は、気づけば生活を支える最小限のところまで来ていたのです。

前の会社は給料がよかったから、「何とかなるさ」と、いざというときのために十分な貯蓄をしてこなかったことを、今になって後悔しました。このまま取り崩していったら、子どものために準備した教育費までなくなってしまう。それに、貯蓄を完全に使い切ってしまったら、今度は家族の生活費も危うくなってしまう・・・。

「これ以上、ローンを払い続けることはできない・・・」

こうしてわが家は、2014年10月からの住宅ローンを滞納するようになってしまったのです。

滞納が始まってから1カ月ほど経って、住宅ローンを組んでいた金融機関から郵便が届きました。中を見ると、それは住宅ローンの支払いを督促する文書でした。
期日までに延滞分を支払うよう記載されていましたが、どうにもできず、そのままにしていたら・・

今度は2カ月を過ぎたころに、「督促状」が届いたのです。

この時点で、金融機関に相談していれば、まだ救われたのかもしれません。
しかし、私にはそんな余裕がありませんでした。
それに、これ以上、貯蓄を取り崩すことはできません。

そこで、実家の父に頼ろうかなとも考えました。
けれども、年金暮らしの父に頼るのは親不孝だと思い、連絡をすることがありませんでした。

妻の両親にも私がローンの返済に苦しんでいるのを知られたくなくて、話もしていません。また、私には弟がいますが、プライドもあって連絡を取ることもできませんでした。二進も三進もいかなくなっても、無気力になってしまった私は行動する気がまったく起きず、ただ時が流れるだけ。

そして、滞納から4カ月になるころ、とうとう金融機関から「催告書」が届きました。

文書を読むと、非常にまずい状態だということはわかりました。
いちばん苦しかったのは、指定期日までに支払わないと、法的手続きに移行する、と書かれていたこと。このままだと、この家に住んでいられなくなるかもしれない・・・。

あまりの苦しい状況に、私はただ落ち込むばかり。
ほんとうに大変なことになってしまいました・・・。

マネ子先生からひとこと

住宅ローンを滞納する状況になり、金融機関から督促状や催告書まで届いてしまった前島さん。このままの状態を放置していると、ほんとうに家を手放すことになってしまうワ。でも落ち込む前島さんは、先のことがまったく考えられなくなっていました。これから、どうなってしまうのでしょうか?次回をお楽しみに!