更新日:2024.04.23 不動産売却, 税金・制度、法律、金融, 不動産売却の授業, 不動産売却の基礎講座 【図解】タワマン節税の効果がなくなる?改正後の影響や節税対策の仕組み タワマン節税について「改正後は節税効果がなくなるのでは?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。また、マンション売却をお考えの場合、売却に影響がないか気になる方もいるでしょう。 本記事では、そもそもタワマン節税とは何か、税制改正による影響はあるか、などについて解説しています。マンション売却の税金についても併せて確認しておきましょう。 この記事を読めばわかること タワマン節税による減税効果 税制度改正による影響 タワマン節税で注意すべきポイント 「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格(※)”を見つけましょう※依頼する6社の中での最高価格 「NTTデータグループ運営」のHOME4Uなら、売却に強い不動産会社に出会えます 完全無料一括査定依頼をスタート Contents1.タワマン節税とは?2.相続税制度改正によって「タワマン節税」見直しの可能性3.タワマン節税で注意すべきポイントまとめ 1.タワマン節税とは? タワマン節税とは、預貯金などをタワーマンションに換えて、相続税の支払額を抑える節税方法のことです。 現金で相続するよりも、タワーマンションに換えて相続した方が、相続税の支払額を大幅に減らせます。 被相続人(亡くなった方)からマンションなどの財産を取得する場合の価格は、「財産評価基本通達」と言われる国税庁が示した評価基準によって決定します。 評価基準によって計算された金額を「相続税評価額」と呼びます。評価額が高ければ税額は高くなり、低ければ税額は安くなるのです。 つまり、支払う税金を減らしたければ、評価額を低くすれば良いわけです。評価額を低くして税額を減らす方法としてタワーマンションの購入があります。 タワマン節税は、2012年頃のアベノミクスによって都心の戸建やマンション価格の高騰、2015年に基礎控除額が引き下げられ、相続税の課税対象者が増えたことなどが原因となり、富裕層の間で浸透している節税方法です。 1-1.【図解】相続税とタワマン節税の仕組み タワマンを購入すると節税になる仕組みは、主に以下の2つが要因です。 不動産に換えることで相続税評価額が下がる マンションの高層階であるほど相続税評価額と時価の差額が大きくなる まず相続税は、被相続人(亡くなった方)の財産が一定の割合を超えた際にかかる税金のことです。仮に、現金がそのまま1億円残っていた場合は、1億円に対して税金が発生します。 しかし、不動産の場合は、国が定めた財産評価基本通達と呼ばれる評価基準によって、相続税評価額を計算します。不動産の相続税評価基準は、一般的に取引される市場価値の70%〜80%程度に抑えられる仕組みです。 そのため、以下の図のように、現金で1億円を相続して1億円相当の相続税を払うよりも現金を不動産に換えて7,000万円相当の相続税を払う方が節税になります。 さらに、建物部分の評価額は低層階でも高層階でも面積が等しければ相続税評価額に差はありません。 つまり、タワーマンションであれば、高層階であればあるほど購入価格(時価)が高額なため、上層の部屋ほど相続税評価額との差が開き、より大きな節税効果を期待できるということです。 1-2.タワマン節税の効果│固定資産税 タワマンの節税効果は、前述した相続税の他に、固定資産税の削減にも効果的です。 固定資産税とは、戸建てやマンションなどの、固定資産の所有者が納付しなければならない税金のことを指します。 固定資産税は、不動産の評価額に応じて1.4%が課税される決まりがありますが、200平米以下の土地であれば「小規模住宅の特例」が利用できるため、固定資産税が1/6以下になります。 計算式の通り、特例の適用外だと70万円の課税だが、特例を利用できれば11万7,000円となります。 タワーマンションの場合、土地全体の評価額を戸数で割った金額となるため、納税すべき固定資産税が1/6以下になるケースが多く、大幅な節税効果を期待できるでしょう。 2.相続税制度改正によって「タワマン節税」見直しの可能性 大幅な節税に期待できる「タワマン節税」ですが、相続税制度改正によって見直しの可能性が出てきています。 そのため、今後は大幅な節税効果を期待できなくなるかもしれません。将来、現金を不動産に換えて節税効果を望んでいる方や、市場価値の高いタワーマンションの購入を検討している方は、以下2点の内容を押さえておきましょう。 タワマン節税の見直しはいつから? 国税庁がタワマン節税に「待った」をした理由 2-1.タワマン節税の見直しはいつから? タワマン節税の見直しは、2024年からの改正を目指し準備が進んでいる状況です。 現在の税制度には含まれていない「築年数」や「階数」などの基準が追加されるので、評価額の算出基準が変わることが予想されます。 新たな基準が追加されることで、相続税評価額が市場価値の4割〜6割以上に引き上げられることが検討されています。 相続税評価額が高くなると、相続税の支払いも高額になるので、現在の節税対策よりも効果が小さくなる可能性が高いです。そのため、今後は税制度改正によって規制が厳しくなり、大きな節税効果は期待できなくなるかもしれません。 2-2.国税庁がタワマン節税に「待った」をした理由 タワマン節税の見直しがされる要因は、市場価値と相続税評価額の価格が大きく乖離していることが原因です。 一般的に不動産の相続税評価額は、市場価値の70%〜80%程度ですが、タワーマンションの場合はその数値を大幅に下回ります。 国税庁の調査によれば、一戸建ての評価額と実際の市場価格の平均の差は1.66倍ですが、総階数が20階以上のタワーマンションと呼ばれる建物では、その差が3.16倍にも広がっています。 出典:国税庁.”相続税評価額と市場価格の乖離の実態”.(参照2024-01-19) つまり、一戸建てよりも1/3程度も評価額を引き下げられるのです。 2024年からの新制度では、公平性の観点から、市場価値と相続税評価額の差をできるだけ少なくし、タワーマンションも戸建て程度の評価額に抑えようする制度です。 3.タワマン節税で注意すべきポイント タワマン節税で注意すべきポイントは、以下のとおりです。 2017年よりも後に販売されたマンションは固定資産税改正の対象 追徴課税されるリスクがある 節税目的でタワーマンションを購入したものの、注意点を把握していないと損をする可能性があります。以下でしっかりと確認しておきましょう。 3-1.2017年よりも後に販売されたマンションは固定資産税改正の対象 2017年に行われた税制度改正により、固定資産税の算出方法が見直されました。 以前は、高さ60m以上のタワーマンションなどの居住用建築物であれば、固定資産税の税率は高層か低層かに問わず一定でしたが、改正以降は、高層階になるほど税率がかかる制度に修正されました。 なお、2017年4月1日以前に建築されたタワーマンションは適用外となり、改正前の算出方法が用いられます。 3-2.追徴課税されるリスクがある 明らかな税金逃れのために購入したと判断されると、追徴課税されるリスクがあります。 昨今、タワマン節税の仕組みを利用して過度な節税対策が行われている事態に、国税庁のチェックはより厳しくなっています。 特に、以下のようなケースは国税庁から否認される可能性がありますので注意が必要です。 相続後すぐにマンションを売却 高齢の被相続人の不自然な不動産購入 亡くなる数前に立て続けにマンションを購入 過度な課税とみなされれば追徴課税の対象となりますので、より多くの税金を支払わなければならなくなりますので、適正な節税を心がけてください。 タワマン節税の税制改正の前に売却をしたいとお考えの方は、一括査定サービスの「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)]」を活用して不動産査定を受けてみましょう。 まとめて複数社に査定を依頼できるので、査定結果や担当者との相性などを比較や信頼出来る不動産会社が見つけやすくなります。 査定は無料ですので、不動産売却がお決まりの方はぜひ「不動産売却 HOME4U」をご利用ください。 【無料】一括査定依頼スタート まとめ タワマン節税の仕組みや、税制度改正によって引き起こる影響について解説しました。 タワマン節税は、市場価値と相続税評価額の乖離を利用した節税方法で、大幅な節税に期待できました。しかし、今後は、市場価値と相続税評価額の計算方法が見直されるようになり、従来ほどの大きな節税効果は期待できないでしょう。 また、節税だけを目的に購入すると、追徴課税されるなどのリスクがあるため、節税目的のためだけに購入するのはおすすめできません。 とはいえ、現金で相続するよりかは不動産に換えた方が節税効果は期待できますし、税理士などに相談して進めればリスクを回避できるでしょう。「居住する」「賃貸に出す」など、本来の目的を忘れずに節税を考えましょう。