「住宅ローン返済が苦しい…」現状を打破する5つの対処法とNG行為

住宅ローンを借り入れる時は問題ないと感じていた契約内容でも、長期的に返済を続ければ「支払いが苦しい」と感じることもあるでしょう。

なぜこのような状況に陥ってしまったのでしょうか?
また、苦しい状況を打破するためには、どのような対処法が考えられるでしょうか?

この記事では、住宅ローンが苦しくなる理由から、苦しい状況を抜けるための対処法を紹介しています。
記事後半には、支払いが困難だからといってしてはいけなNG行為も紹介していますので、是非最後までご覧ください。

1.住宅ローン返済が苦しくなる理由

住宅ローン返済が苦しいと感じる人は、意外にも少なくありません。
この章では、多くの人が「返済が苦しい」と感じる理由を紹介します。

1-1.収入の減少

返済が苦しくなる最も多くの理由は収入の減少です。
景気の関係で給与が減少したり、リストラに巻き込まれる可能性は誰にでもあります。

住宅ローン契約時から予期するのは難しいことですので、こうした状況に陥ると、返済が苦しくなりがちです。

1-2.離婚

住宅ローンでは、連帯保証人や連帯債務者を夫婦間で設定することで合算した収入で審査を受け、融資額を高めることができます。
夫婦お互いの収入ありきで設定されている返済額ですから、離婚すると返済が苦しくなるケースがよくあります。

また、急な生活の変化により支出が増えたり、仕事に避ける時間が減ったりする可能性もあります。
一人でも十分賄えると思っていた返済額も油断はできません。

1-3.自分または身内の病気や事故

病気や事故のリスクについては、住宅ローン契約時から想定できないことではありません。
ただ、貯蓄の計画性がなければ、いざという時に生活が圧迫されかねません。

また、一緒に住む家族だけでなく、両親の病気や事故、介護などが発生する可能性もあります。
家を購入した次の日にでも、心身のリスクが起こりかねないことを念頭に置きながら、貯蓄計画を立てる必要があります。

1-4.教育費の増加

教育費については、子を持つ親だれしもが考えていることかと思いますが、数年あるいは十数年先にかかる教育費について厳格な計画性を持てる人は多くありません。

最近は子供でもネットを通じて様々な情報を得られます。
興味や趣味、理想が増えて、よりお金のかかる道を選んでいく可能性は十分にあるのです。

平均的な教育ばかりを参考にせず、「もしも」を考えた計画性が重要です。

1-5.日々の浪費やギャンブル

日々の浪費やギャンブルでの支出がつもりに積もって、住宅ローン返済を苦しくするケースがあります。
前項までに解説した内容とは違って、じわじわと家計を圧迫していく特徴があります。
「一時的にしのげればいい」と、消費者金融から借りたお金で賄い、かえって負債を増やしてしまう方もいます。

クレジット決済が主流になりつつある現代では、収入と支出の関係を把握しにくくなっています。
クレジットでの支払いは、現金での支払いよりも精神的なストレスがすくなく、より浪費しやすい傾向にあるため注意が必要です。

2.住宅ローンが苦しいと感じる原因を考えよう

あなたが今「住宅ローンの返済が苦しい」と感じる理由はなんでしょか?
一章で紹介した『返済が苦しくなるよくある理由』に加えて、さらに詳しい原因を考えていきましょう。

次章では、住宅ローンが苦しい時の5つの対処法を紹介しますが、根本的な解決をするには現状に至った原因を明確にする必要がある為です。

  • 資金計画が甘かった
  • 返済比率が高すぎた
  • 思う様に繰り上げ返済ができなかった

2-1.資金計画が甘かった

1章で解説したような項目のほとんどは、資金計画の甘さが引き起こしているかもしれません。
家を購入する前に、考えられるだけの収支を細かく書き出し、リスクに備えた計画的な貯蓄が実行できていれば、返済が滞る可能性は各段に低くなります。

また、住宅ローンの返済額を基準に計画を立てるのではなく、事前に立てた計画にあう住宅ローンの返済額に設定できているかも重要です。
他の支出を圧迫してまで住宅ローンの返済額を大きくすると、いずれ妥協がうまれ、貯蓄の一部が支出に流れていきます。

資金計画の甘さが原因の場合は、今一度資金計画を見直し見ることで、現状を打破できる可能性もあります。

2-2.返済比率が高すぎた

返済比率とは、年収に対する年間ローン返済額の割合のことです。
例えば、年収1,000万円に対して、年間ローン返済額が200万円であれば、返済比率は20%です。

返済比率は、その値が低いほどゆとりのある返済ができることを表します。

ほとんどの金融機関は、返済比率の上限を30~40%に設定しています。
しかし、ゆとりのある返済を行うには、返済比率20~25%が目安といわれています。

ご自分の返済比率がどの程度が確認してみましょう。

金融機関に相談すれば、場合によって月々の返済額を少なくしてもらうこともできます。
この場合、返済比率は減らせますが、金利によって総支払額が高まる点には注意が必要です。

2-3.思うように繰り上げ返済ができなかった

住宅ローンの契約当初は、積極的に繰り上げ返済を行い、早期に完済させてしまおうと考える方も多いでしょう。
ただ、なかなか思う様に繰り上げ返済ができないことをあります。

1章で紹介したような教育費や病気・事故のリスクを考えれば、貯金を返済に当てることはなかなかに決心が必要だからです。

また、病気や事故以外にも急な支出は様々考えられます。
例えば、『冠婚葬祭にかかる費用』『災害による復旧費用』『住居の修理修繕』『携帯等の紛失』など。
繰り上げ返済をする前にこれらの支出が発生すれば、返済がずるずると後回しになってしまいやすいでしょう。

繰り上げ返済にも、事前の資金計画が重要ですし、返済比率が高すぎないことも大切です。

3.住宅ローンが苦しい時の対処法

住宅ローンの返済が苦しいと感じた時には、どのような対処法があるでしょうか。
この章では、以下の通り5つの対処法を紹介いたします。

  • 収支を見直す
  • 金融機関へ相談する
  • 住宅ローンを借り換える
  • 公的な融資制度を利用する
  • 家を売却する

3-1.収支を見直す

先決すべきは、支出の見直しについてです。
収入については、短期間で個人の収入を大きく増やすことは難しいため、同居家族で働ける人がいないか考える必要があります。

これまでに支出について深く考えて来なかった方であれば、減らせる部分はいくらかあるかと思います。
積極的に支出を減らして、収支のバランスを調整しましょう。

【支出を減らす例】

  • 格安SIMのスマートフォンにする
  • 車を手放す
  • 保険を見直す
  • あらかじめ買い物リストを作り衝動買いを抑える

車を手放せばガソリン代は当然、固定費が浮きます。
一戸建てで自宅に駐車場がある方は、駐車場をレンタルして副収入を得ることもできます。

3-2.金融機関へ相談する

金融機関へ相談すれば、毎月の返済額を少なくしたり、支払い猶予が受けられたりする場合があります。
金利の関係で総支払額が増えてしまう可能性もありますが、他に借り入れを増やすよりは安全な方法です

コロナウイルスの影響で収入が減少した家庭も多く、金融庁が金融機関へ返済に関する対応を柔軟にするよう指導が行われています。
コロナウイルスの影響で収入減少している方は特に、返済計画の変更をしやすい状況にあります。

3-3.住宅ローンを借り換える

低金利の住宅ローンに借り換えることで、支出を減らせる場合があります。
現在固定金利の住宅ローンを契約している方であれば、変動金利の住宅ローンに借り換えることで、多くの場合で金利が抑えられます。

ただし、変動金利の住宅ローンでは、将来的な金利上昇で支払い額が大きくなる可能性もあるので、慎重に選ぶ必要があります。
また、住宅ローンの借り換えには多くの手数料がかかるため、それらを考慮して計画を立てなければいけません。

まずは金利の低い住宅ローンを複数ピックアップし、目安として1%程の金利差が生まれそうか確認してみましょう。

3-4.公的な融資制度を利用する

公的な融資制度を利用すれば、無金利あるいは低金利でお金を借りられます。
住宅ローンの支払いのために、借り入れを増やすのは得策ではありませんが、一時的な収入減少や急な出費を耐えうる手段として活用をできないか考えてみましょう。
【公的な融資制度の例】

  • 緊急小口資金貸付
  • 総合支援資金

3-5.家を売却する

家を売却し、売却金額を住宅ローンの返済にあてることも考えてみましょう。

ただし原則として、売却金額で住宅ローンを完済できない場合は通常の売却方法をとることができません。
もし、家の価値(査定額)を、住宅ローン残高が上回る任意売却という手段で売却できます。

任意売却は、金融機関に同意をもらった上で売却を行う方法で、住宅ローンを完済できなくても売却をすることができます。

一般的に住宅ローンの支払いができず、3~6カ月程度の滞納をしている方が利用できる方法です。
住宅ローン滞納の過程で使用情報機関により事故情報(俗にいうブラックリスト)登録されてしまうので、最終手段として考えておきましょう。

売却を考える方は、まず住宅ローン残高と査定額を調べましょう。
査定額を知るために不動産会社へ相談する際は、不動産一括査定サービスを利用すると便利です。
不動産一括査定サービスは、面倒な複数社への査定依頼を一度の入力で完結できるサービスです。
会社によって異なる査定額を簡単に比較できる様になります。

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4.住宅ローンが苦しい時のNG行為

住宅ローンが苦しい時には前章で解説したような対処を講じることができますが、かえって状況を悪化させてしまうやってはいけない行為があることもあります。

以下2つのNG行為は避けるよう注意しましょう。

  • 複数月にわたる無断滞納
  • カードローンなど高金利な借り入れで賄う

4-1.複数月にわたる無断滞納

債権者(金融機関)は、不動産に抵当権という権利を設定しているため、住宅ローンの返済が滞った場合に、強制的に競売手続きを進めることができます。

金融機関へ無断の滞納を続けると、そのうちに家が競売に出されてしまうのです。

一般的に、住宅ローンを3カ月程滞納をすると、金融機関から『期限の利益喪失通知』が届きます。
期限の利益喪失とは、借り入れ金を長期にわたって分割返済する権利が無くなるという意味で、早急な一括返済を求められます。

一括返済ができないと、競売の手続きが進められてしまいます。

万が一住宅ローンを滞納してしまう場合は、事情を金融機関に相談し、返済計画を見直してもらえるよう交渉しましょう。

4-2.カードローンなど高金利な借り入れで賄う

一時的な生活資金が不足している際など、「カードローンで住宅ローンを賄う」という考えは生まれやすいかと思います。
しかし、借金で借金を返しす状況は好ましくありません。
カードローンは住宅ローンよりもはるかに金利が高く、支払いは増え、多重債務を抜け出せない方も多くいます。

最終的に自己破産に陥るケースもあり、その場合は不動産を手放差なくてはいけません。

まとめ

住宅ローンの支払いを苦しいと感じている方は少なくありません。
その多くは予期せぬ収入の減少が影響しています。

支払いが困難な状況では、資金計画の立て直しから対策をはじめ、金融機関へ相談するなどの対処を行いましょう。

住宅ローン継続的な無断滞納には十分注意してください。