【アパート空室対策まとめ】タダでできることからリフォームまで

アパートは築10年も過ぎると、だんだんと空室が埋まりにくくなります。
空室対策をしなければと思いつつも、家賃が1部屋4~6万円の物件であれば、大きな費用をかけてまでリフォームする気になれない方も多いのではないでしょうか?
空室対策は、傷の浅いうちから始めておかないと、今後必要な大規模修繕すらできなくなってしまいます。
空室は、気になり始めたら早めに手を打つことが大切です。
アパートの空室対策というと、お金のかかるリフォームばかりを想像する人がいますが、空室対策はお金を必要とするものだけではありません。
空室対策には、管理会社の切替や、経済条件や募集要件の緩和、不動産会社へのアプローチ等々、お金のかからないものもあります。
空室対策を行うにあたっては、まずは「このような空室対策もある」ということを知ることが第一歩です。
また空室対策はすぐに効果の出るものばかりではありません。
複合的に組み合わせることで、徐々に効果が出てくるものが多いです。
そこで、この記事ではお金のかからない空室対策から、お金のかかる空室対策まで幅広く紹介いたします。
空室対策を幅広く知ることで、自分の物件に応じた対策を選択できるようになります。
最後までお読みいただき、ぜひご参考にして頂けると幸いです。

1.空室対策の種類と比較表
空室対策の種類と「取組の難易度」、「費用」、「期待できる効果」を以下に示します。
取組の難易度は「易・中・難」、費用は「大・中・小・無」、期待できる効果は「大・中・小」で示しています。
空室対策 | 取組の難易度 | 費用 | 期待できる効果 |
---|---|---|---|
管理会社の切替 | 易 | 無 | 大 |
一時金の減額 | 易 | 無 | 小 |
フリーレント | 易 | 無 | 小 |
入居者の緩和 | 中 | 小 | 大 |
使用方法・用途の緩和 | 中 | 小 | 中 |
ネット広告のテコ入れ | 難 | 小 | 中 |
外壁塗装 | 中 | 大 | 中 |
セキュリティ対策 | 中 | 中 | 中 |
部分改修 | 中 | 大 | 中 |
デザインリノベーション | 難 | 大 | 大 |
難易度や費用感はつかめていただけたでしょうか。
次の章からは、それぞれの空室対策を詳しくご紹介していきます。
2.管理会社の切替
空室対策として最も簡単で効果的なのが管理会社の切替です。
しかも無料で出来て、効果も長持ちします。
管理会社の切替は、空室対策の効果が大きいため、相続で引き継いだアパートや中古で購入したアパートにおいて、真っ先に行われることが多いです。
ただ、空室対策と言われると、管理会社の切替が頭に浮かぶ人も少ないため、まずは空室対策としての管理会社の切替について解説致します。
2-1.管理会社の役割
一般的にアパートの本来の管理の業務となると、以下のような業務を指します。
- 賃料等の徴収(入出金管理)
- 賃貸借契約の更新
- 契約更新
- 修繕の費用負担についての借主との協議
- 賃貸借終了に伴う原状回復についての借主との協議
- 未収金の督促
その他、一般的に管理委託契約は、「住宅の標準賃貸借代理及び管理委託契約書」という形で、賃貸借代理も含んだ形の契約となっています。
賃貸借代理とは、管理会社が入居者募集のための代理人となる契約です。
つまり、賃料等の徴収といった本来の管理とは別に、入居者募集の業務も行うという契約になっています。
アパートオーナーからすると、管理会社が入居者募集をするのは当り前だと思いがちですが、本来、管理業務と入居者募集業務は別物です。
入居者募集業務は賃貸仲介業務を伴うため、免許を受けている宅地建物取引業者ではないとできません。
一方で、管理業務は宅地建物取引業法の規制の範囲外のため、特段免許は必要としない業務です。
また、一般的に「住宅の標準賃貸借代理及び管理委託契約書」の中では、賃貸借仲介業務は他の不動産会社に重ねて依頼することができないようになっています。
つまり管理会社以外に入居者募集を依頼できません。
そのため、管理会社の役割としては、入居者募集業務を独占的に担う役割も担っています。
このような契約形態では、もし管理会社の賃貸仲介の力が弱いと、そのアパート自体の入居者獲得能力も連動して低くなります。
逆に、もし管理会社の賃貸仲介の力が強ければ、アパート自体の入居者獲得能力も高くなります。
よって、管理会社を賃貸仲介業務に強い会社に切替えることは、空室が埋まりやすいアパートになるということになります。
管理会社には、将来に渡ってずっと入居者募集を依頼することになるため、賃貸仲介業務に強い管理会社に切替えると、アパートの空室も将来に渡って埋まりやすくなります。
尚、アパートの管理方式には、管理委託の他に、「パススルー型サブリース」もしくは「家賃保証型サブリース」と呼ばれる形式の管理があります。
「パススルー型」とは空室に応じてサブリース会社から支払われる賃料が変動するタイプで、「家賃保証型」とは空室が増減してもサブリース会社から支払われる賃料が固定となるタイプになります。
サブリースとは、言い換えると転貸借のことです。
管理会社がアパート一棟を丸ごと借上げ、各入居者と転貸借を締結する形がサブリースです。
サブリースでは、アパートオーナーが賃貸人、サブリース会社が賃借人兼転貸人、入居者が転借人という関係になります。
サブリース契約においても、サブリース会社の入居者募集能力が高ければ、空室は少なくなります。
管理委託またはサブリースであっても、賃貸仲介業務に強い管理会社へ切替えることは、アパートの空室対策になるのです。
2-2.管理会社を切り替える方法
管理会社を切り替えるには、「今の管理会社を解約する」ことと、「新しい管理会社を探す」の2つを行う必要があります。
管理委託契約に関しては、通常、3ヶ月前に解約を申し入れることで解約が可能です。
3ヶ月という予告期間は契約書によって異なりますが、管理委託契約は契約書通りの手続きを踏めば問題なく解約できます。
一方で、サブリース契約は少し厄介です。
サブリース契約書では、6ヶ月前に解約予告を行うと解約できると定めているものが多いです。
しかしながら、サブリース契約は、賃貸借契約であるため、借主となるサブリース会社の「借りる権利」が借地借家法により強く守られています。
そのため簡単には解約できず、サブリース会社が解約に抵抗する場合には、スムーズには解約できないこともあります。
サブリース契約を解約する場合には、一方的に解約を通知するのではなく、十分に協議をした上で合意解約するようにして下さい。
なお、新たな管理会社を探すには、「賃貸経営 HOME4U(ホームフォーユー)」を利用して管理会社を探すのがとても便利です。
通常、賃貸仲介に強い管理会社を探そうとしても、どういう会社が賃貸仲介に強いのかなかなか分かりません。
「賃貸経営 HOME4U(ホームフォーユー)」では、最初から賃貸仲介に強い管理会社が登録されており、登録された会社の中から無料で一括相談することができます。
アパートオーナーの中には、今まで管理に関しては一度も他人に相談したことがない人も多いと思います。
しかも管理会社はアパート建築当初から比較して決めるということをしなかったため、どのような管理方法がベストだったのか知らないままの方も多いです。
HOME4Uでは、複数の管理会社に相談依頼ができるため、今の物件の状態にあった、もっと良い管理方法や管理会社が見つかります。
空室を埋める力は、アパートの立地や築年数だけで決まるものではありません。
管理会社も、空室を埋める力を大きく左右します。
今まで一度も管理会社を切替えてこなかったのであれば、ぜひ新たな管理会社に切替えてみましょう。
3.経済条件の緩和
賃料や礼金、更新料等のお金に関する経済条件を緩和するのも空室対策です。
但し、賃料の減額は最終手段として下さい。
賃料を下げる前にやれることはあります。
この章では賃料減額以外の経済条件の緩和による空室対策についてご紹介します。
3-1.一時金の減額
一時金とは、敷金や礼金、更新料を指します。
空室対策として、敷金や礼金、更新料をゼロにするという対策があります。
敷金・保証金
敷金や保証金は預り金として、退去時に返還義務を有する一時金です。住宅の賃貸借では敷金、店舗や事務所、借地の賃貸借では保証金と呼ばれることが多いです。
礼金・権利金
礼金や金利金は、退去時に返還義務を有しない一時金です。賃料の前払い金としての性格を有します。住宅や店舗、事務所の賃貸借では礼金、借地では権利金と呼ばれることが多いです。
更新料
更新料は契約の更新時に支払われる一時金です。礼金と同様、返還義務を有しない賃料の前払い金としての性格を有します。
名称のいかんを問わず、いずれも一時金は、商習慣上、昔から存在する金銭になります。
特に、受領しなければいけないとうルールはなく、法律的な規制もありません。
特に、入居時に発生する敷金と礼金は、ゼロにすることでインパクトを与えます。
入居者は引越代も発生していますので、入居時に発生する一時金は少しでも少なくなると助かります。
敷金と礼金をゼロにしている物件は、「ゼロゼロ物件」などと呼ばれています。
返還を要しない礼金に関しては、ゼロがかなり当たり前になってきました。
一方で、敷金に関しては、滞納賃料の補填や退去時の原状回復の補填といった意味合いも有するため、本来、ゼロにすべきではありません。
但し、滞納賃料に関しては、家賃保証会社を連帯保証人代わりとすることで、一定のリスク回避はできます。
また、原状回復に関しては、賃貸借契約書で原状回復の内容をしっかりと定めておくことで、ある程度のトラブルを回避できます。
原状回復に関しては、国土交通省が策定している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」 に基づいて取決めをしておくことをお勧めします。
このガイドラインに基づいて、原状回復を定めておけば、いざ裁判沙汰となった場合でも、大きな問題となることはありません。
敷金は賃料の滞納や原状回復の担保となるため、敷金までゼロとする物件は少ないです。
敷金に関しては、敷金以外によるリスクヘッジ方法を十分に整えた上で、減額を検討することをお勧めします。
3-2.フリーレント
入居時から数か月賃料をゼロとするサービスをフリーレントと言います。
例えばフリーレントを3ヶ月としたら、賃料は入居から4ヶ月目以降に発生します。
フリーレントは、一時期オフィスビルのテナント獲得のために多く用いられましたが、最近ではアパートやワンルームマンションでもフリーレントを導入する物件が増えています。
通常、アパートの入居者は、3ヶ月程度で退去することはほとんどありません。
フリーレントは、「少なくとも1~2年は住むであろう」という前提に立って行われています。
フリーレントは通常、家賃を値下げせずに行うことがポイントです。
オーナーにとっては実質的に値下げにはなりますが、募集賃料を下げずに入居させることで、他の住戸と同額の賃料を受領できるというメリットがあります。
例えば、他の部屋が月7万円の家賃をもらっているのに、募集家賃を6.5万円にしてしまうと、既存の入居者から「家賃を6.5万円に下げて欲しい」と言われてしまう可能性もあります。
今の入居者は、隣の部屋が空けば、いくらで募集をしているのか、インターネットですぐに見ることが可能です。
下げた賃料で堂々と募集していれば、オーナーとしては減額に対応せざるを得ません。
既存の入居者からの家賃減額リスクを回避するには、募集賃料を下げることは「最終手段」とすべきなのです。
フリーレントであれば、見た目上の募集家賃はそのままになります。
よって家賃を減額する前に、フリーレントを先に検討するようにしましょう。
4.募集要件の緩和
空室が目立ち始めてきたら、募集要件の見直しも効果のある空室対策です。
この章では募集要件の緩和についてご紹介します。
4-1.入居者の緩和
募集要件の緩和としては、「単身高齢者」や「外国人」等への入居緩和です。
特に単身高齢者に関しては、需要と供給がマッチしていないため、単身高齢者を受け入れると、かなりの空室改善効果が期待されます。
現状、単身高齢者の入居需要は増加していますが、アパートオーナー側で受け入れる人が少ない状況が続いています。
高齢者が敬遠される大きな理由は、「賃料滞納」と「孤独死」の2点です。
賃料滞納については、息子や娘を契約者とすることで、リスク回避を行うことができます。
一方で、アパートオーナーが一番気にする部分は孤独死です。
まず、孤独死されると事故物件扱いとなると誤解している方が多いですが、孤独死のような自然死は、裁判所も瑕疵には該当しないと判例を出しています。
自然死は、人間であれば誰しも起こり得ることであり、自殺や忌まわしい殺人事件とは異なります。
賃貸物件であれば、入居者の自然死は当然起こりうるものである以上、裁判所はそれを心理的瑕疵として認めていないのです。
つまり、孤独死は次の入居者に対して、重要事項説明での説明は不要であり、事故物件にはならないということになります。
但し、現実的には孤独死は早期発見がとても重要です。
発見が遅れると、部屋中に死臭が残り、近隣住民にもうわさが広がるため、結果的に物件価値を落としてしまうというリスクはあり得ます。
そのため、単身高齢者を入居させたときは、定期的な見回りが必要となってきます。
最近では警備会社などでも高齢者見守りサービスを導入しており、高齢者の安否確認は行いやすくなっている環境です。
室内の生活動線にセンサーを配置し、一定時間動きがない場合には、異常信号を伝えるという機械的な警備も登場しています。
単身高齢者も徐々に入居させやすい状況となっていますので、検討してみるのも一つです。
また、外国人に関しては、日本語を話せる連帯保証人を必須とすることで入居を認めるケースが多いです。
但し、外国人は、日本のゴミ出しルールが難しくて対応できないケースが少なくありません。
外国人を入居させたときは、ゴミ出しルールをきちんと教えることがポイントです。
4-2.使用方法・用途の緩和
使用方法に関しては、「ペット可能」、「事務所可能」、「ルームシェア可能」等、使用の幅を広げることで、入居者を獲得する対策です。
ペットに関しては、臭いと傷の問題が懸念されます。
ペット可能とする前に、クロスを脱臭クロスに変更し、床をペット対応したフローリング(糞尿が拭き取れる、傷つきにくい、滑りにくい等)に変更しておくことをお勧めします。
また、事務所を入居させた場合、家賃の消費税に注意してください。
住宅であれば家賃に消費税はかかりませんが、事務所として貸す場合は消費税がかかります。
消費税は総額表示が原則ですので、住宅と同じ表記をしたままだと、家賃が税込みの金額となってしまいます。
使用方法や用途の緩和する場合は、周辺にどういう賃貸需要が多いのか十分に検討した上で実施するようにしましょう。
5.ネット広告のテコ入れ
HOME’S等の不動産ポータルサイトに掲載されている物件情報をインターネット広告と呼びます。
現在では、賃貸希望者はポータルサイトで物件を特定して不動産会社に問い合わせる流れが主流です。
インターネット広告の良し悪しでも入居状況が変わりますので、インターネット広告は改善すべきです。
まず、自分の物件はどのように広告されているのか必ず確認するようにして下さい。
他の類似物件の広告もチェックし、賃貸希望者から見るとどのように見えるのか、想像しながら客観的に見ることが重要です。
本来、インターネット広告は、不動産会社が行うべき仕事の領域ですが、その重要性を増しているため、オーナーとしても積極的に改善要望を伝えることが必要となってきています。
5-1.写真・動画の提供
インターネット広告で重要なのは写真の量です。
賃貸希望者は全ての部屋や収納等の写真を見たいと思っています。
ポータルサイトで自分の物件を検索した際、写真が少ないようであれば、不動産会社に写真を提供してもっと掲載する様指示してください。
間取図や最寄のスーパーなどの写真も載せておくと効果的です。
また動画も載せていなければ提供してください。
新たに動画を撮影する必要はなく、写真をスライドショー化したもので十分です。
こちらから不動産会社へ素材を提供すれば、不動産会社も動きます。
「写真を増やして欲しい」とか、「動画も掲載して欲しい」等の要望だけ出しても面倒臭がって動いてくれない場合があります。
管理会社を動かすためにも、オーナー自らが素材提供するというのがポイントです。
5-2.キャッチコピー・強み情報の提供
インターネット広告上に載る物件のキャッチコピーや強みも考えて提供してください。
キャッチコピーや強みを考えるのも、本来は広告を載せる不動産会社の仕事です。
しかしながら、不動産会社は扱っている物件が多く、キャッチコピーを考えるプロではないため、一つ一つの物件のコピーを真剣に考えるようなことはしません。
そのためこちらから物件の売り文句を提供してあげると対応してくれます。
但し、不動産の広告では誇大広告は禁止されていますので表現には注意が必要です。
例えば、「日本一」や、「抜群」、「完璧」、「特選」、「最高級」、「掘出物」等の表現は使ってはいけません。
キャッチコピーは、あくまでも事実をきちんと伝えるというスタンスに留めるようにして下さい。
例えば、「南向きバルコニー」や「トランクルーム有り」、「○○小学区内」等々、事実として強みがあるにもかかわらず、広告に書かれていない場合は、改善を要求します。
6.リフォーム
最後にお金のかかる空室対策としてリフォームを紹介します。
6-1.外壁塗装
外壁塗装は、大規模修繕の一つでもあり、外壁が塗り替えられるだけで物件が新しい印象に生まれ変わるため、空室対策としても有効です。
まず外壁を塗り替えると、写真映りが良くなります。
塗り替えた後は、必ずインターネット広告の写真も差し替えるようにして下さい。
たまに、せっかく外壁を塗り替えたのにもかかわらず、古い写真をそのまま載せている方がいます。
もったいないので、写真は必ず差し替えるようにしましょう。
また、外壁を塗り替えておくと、物件案内時の印象もかなり変わります。
外壁が古びていると、部屋の中を見る前に、建物に到着した段階で古びた印象を与えてしまいます。
外壁塗装で第一印象を変えることも重要です。
外壁塗装に関しては、白系の明るい色で塗り直すことがお勧めです。
暗い色やくすんだ色で塗り直すと、逆に古さを助長してしまうようなことがあります。
新築物件の色味を参考にしながら、色の選択をするようにしましょう。
尚、外壁塗装は金額が20万円以上でも一括で経費処理できる費用項目です。
他に大きな収入が入ったタイミングと合わせて行うと、節税対策としても使えます。
6-2.セキュリティ対策
アパートはマンションのように共用エントランスがないため、セキュリティに関してはどうしても見劣りします。
近年はセキュリティが強く求められているため、セキュリティ対策を行うことは、空室対策に繋がります。
6-2-1.オートロック
アパートには通常、オートロックがありません。
そのため、オートロックを求めている人からすると、物件検索候補の中から漏れてしまいます。
そこで、アパートの入口に門扉を設け、その門扉を簡易オートロックとします。
門扉には、各住戸の全ての鍵で開くことができる鍵を設け、閉じたら勝手に閉まるホテルのような扉を設置します。
このような鍵を「逆マスターキー付のホテル錠」と呼びます。
入口に住民しか開けない門扉を設けることで、簡易オートロックとすることができます。
6-2-2.防犯カメラ
防犯カメラもセキュリティ対策として効果があります。
特に、駐車場に付けると車上荒らしの防止につながるため、入居者に喜ばれます。
最低でも入口と駐車場の2箇所には設置するようにして下さい。
最近は、ネットワークカメラと呼ばれる小型カメラが安価で設置できるようになりました。
昔に比べるとだいぶ金額が安くなっていますので、検討する価値は十分にあります。
6-2-3.センサーライト
夜間、人が通ると光るライトをセンサーライトと言います。
センサーライトも防犯対策として有効です。
また住民にとっても、帰ってきたときに足元を明るく照らしてくれるため、歩行の安全性が向上します。
センサーライトは防犯カメラとともに設置しておくと効果的です。
6-2-4.カラーモニター付きインターフォン
最近は、新築のアパートではカメラモニター付きインターフォンが付いているのが当たり前になってきました。
白黒モニターはかなり以前より普及していますので、対策するとしたらカラーモニター付きのインターフォンがお勧めです。
カラーモニター付きインターフォンは、ファミリー向けや単身の女性が住むようなアパートでは、良い印象を与えます。
賃貸希望者に物件を案内した際、セキュリティの良さを分かり易く伝えることができるアイテムになります。
6-2-5.ディンプルキー

出典:MIWA JNシリンダー
玄関扉の鍵についても、ディンプルキーに変更することをおススメします。
ディンプルキーとは、板に穴がポツポツ空いているタイプの鍵で、泥棒がピッキングをしにくい鍵になります。
セキュリティ面を上げるには、Wロックとすると効果的です。
Wロックとは、上下にカギ穴が2つ付いたタイプのドアのことです。
Wロックは、泥棒にとって2つの鍵をピッキングしなければならないため、泥棒が見ただけ浸入を諦めるという効果があります。
Wロックのディンプルキー扉であれば、セキュリティ面を十分にアピールできるでしょう。
6-3.部分改修
リフォームでは、募集上、ボトルネックとなっている部分の改修や、追加すると効果のある改修があります。
多少、金額はかかりますが、今後も10年以上保有するのであれば、思い切って投資するという判断はあります。
6-3-1.3点ユニットバス
バス・トイレ・洗面が1つになっているものを3点ユニットバスと呼びます。
3点ユニットバスは、入居を決まりにくくさせる大きな要因の一つです。
少し大工事になってしまいますが、ユニットバスを丸ごと交換し、バス・トイレ・洗面は独立させるのが望ましいです。
但し、ユニットバスの交換は、最もお金がかかる工事です。
3点ユニットバスで空室に悩むような物件であれば、無理にリフォームはせず、売却も含めて検討するようにして下さい。
6-3-2.和室
和室も、入居を決まりにくくさせる要因の1つです。
和室はベッドやテーブルといった重い家具が置きにくく、部屋自体が無駄な印象を与えてしまいます。
和室は、洋室化するリフォームがあります。
畳をシートフローリングに変更し、使いやすくすることがポイントです。
6-3-3.収納
どのアパートも収納は慢性的に不足していますので、収納量を増やすことは他のアパートとの差別化になります。
収納のリフォームには、「壁面収納を設置する」「押入をクローゼットに変更する」、「玄関収納を広くする」等の対策があります。
生活シーンをしっかりイメージして、「あったら便利」と思える収納を追加するようにして下さい。
また、アパートでは、敷地内におけるアパート用のトランクルームもあります。
いわゆる庭に置く「物置」です。
アパート用トランクルームは各戸に割り当てることができるため、今の入居者に対してもトランクルームを提供でき、入居サービスの向上につながります。
トランクルームを敷地におけるというのは、アパートならではの空室対策です。
区分のワンルームマンションでは、敷地に自由に置けないため、このような対策はできません。
収納が多いことは大きなアピールポイントになりますので、ぜひ検討してみましょう。
6-4.デザインリノベーション
フルリフォームをするのであれば、デザインリノベーションをすることをおススメします。
デザインリノベーションは、プロのデザイナーがしっかりと企画提案して作るカッコ良く、オシャレなリフォームのことです。
古いアパートは、クロスや床の張替えだけのリフォームでは、空室対策効果は低いです。
思い切ってデザインをガラッと変えないと、インパクトがありません。
デザインは、空調やウォシュレットのような機械設備ではないので、壊れませんし、修繕する必要もありません。
デザインは、機械設備よりも長持ちします。

出典:LOHAS studio
最近は「カフェ」や「ヨーロッパヴィンテージ」、「禅」、「南国リゾート」、「北欧風アパートメント」 等をモチーフとしたデザインリノベーションがあり、若い人たちに人気です。
写真映えもしますので、インターネット広告でも大きなインパクトを与えます。
デザインリノベーションは、楽しみながらチャレンジするのが良いでしょう。
7.アパートの空室対策を専門家に相談してみる
これまでにご紹介した通り、アパートの空室対策には、様々な手法があります。何から手を付ければ良いか分からない方は、まずは専門家に相談してみる事もお勧めします。
専門家による第三者からのアドバイスで、あなたのアパートにとっての選択肢を確認する事は重要です。
まとめ
いかがでしたか?
アパートの空室対策について見てきました。
アパートの空室対策には、「管理会社の切替」や、「経済条件の緩和」、「募集要件の緩和」、「ネット広告のテコ入れ」、「リフォーム」がありました。
このうち、管理会社の切替は、費用もかからず、効果も高いため、最もおススメです。
管理会社の切替は、「賃貸経営 HOME4U(ホームフォーユー)」を使うと力のある管理会社に簡単に切替えることができます。
「経済条件の緩和」や「募集要件の緩和」もお金をかけずにできる空室対策です。
周辺物件の募集条件や賃貸需要を加味しながら実施するようにして下さい。
インターネット広告も不動産会社に任せきりにせず、オーナー自らインターネット広告を確認し、「ネット広告のテコ入れ」をするのが効果的です。
最後にお金のかかる「リフォーム」も紹介しました。
リフォームは費用対効果を考え、取捨選択をしながら実施するようにして下さい。