不動産オーナーなら知っておきたい入居者トラブルの防御策

賃貸借契約は、長期にわたり入居者との関係が続くため、その間には色々なトラブルが発生します。
不動産に関する相談ネタは、実はほとんどが賃貸借に関することです。
そこで、この記事では賃貸経営における入居者トラブルについてお伝えいたします。
最後までお読みいただき、今後の賃貸経営の参考にして頂ければ幸いです。
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1.管理体制と入居者トラブル対応の関係
入居者トラブルと言っても、実は管理体制の違いによって不動産オーナーが感じる負担は全く異なるという点は先に知っておくべきです。
これから賃貸経営を始める方は、管理体制による負担の差をご理解いただいた方が、安心感が得られるはずです。
1-1.一番重いのは自主管理
アパートやマンションの賃貸経営で、管理会社に管理を委託せずに経営する管理体制を自主管理と呼びます。
自主管理は何も特別なことではなく、自宅の近くに物件がある方や、物件の一室に自分も住んでいる方は今でも普通に行っています。
郊外の地主さんがアパートを経営している場合は、自主管理をしているケースはかなり多いです。
戸数も10~20戸程度であれば、自主管理は十分に可能です。
戸数が増えるほど管理の手間が増えることから、入居者が多い物件は自主管理には向いていません。
自主管理の特徴として、入居者とは直接賃貸借契約を締結します。
普段の業務は、賃料の入出金管理です。
入出金管理とは、家賃が振込の場合には、きちんと振り込みが行われているかの確認です。
家賃が持参の場合には、入居者に持ってきてもらいます。
入出金管理で大切なことは、家賃が振り込まれていない場合の督促です。
家賃滞納は入居者の典型的なトラブルと言えます。
また、自主管理では入居者から突発的なクレームが来た場合も、全て自分で対応する必要があります。
お湯が出ない、トイレが詰まった等々のトラブルが夜間に発生した場合には、そのトラブルに対処する必要性が出てきます。
こういった緊急トラブルも考慮すると、自主管理は近くに物件がないと現実的には難しいです。
またイレギュラーなトラブルが生じた場合、相談する相手もいなく、精神的な負担も大きくなります。
自主管理は入居者トラブルへの対処においては、一番負担が大きい管理体制となります。
これから賃貸経営にチャレンジするのであれば、管理委託かサブリースがお勧めです。
1-2. トラブル対応がレアケースな管理委託
賃貸経営の管理手法のもう一つは、管理委託です。
管理委託は、毎月家賃の5%程度を管理会社に支払うことによって、その名の通り、管理を委託します。
管理委託では、空室リスクは建物オーナーが持つことになりますが、満室になった場合にはその分収入も増えるというメリットがあります。
収益性に関しては自主管理の次に高いです。
管理委託では、各戸の入居者とは直接賃貸借契約を結びます。
貸主は建物オーナーであり、借主は入居者です。
管理会社とは、別途管理委託契約を締結します。
日常的な入出金管理や入居者からの突発的なクレーム対応等は、全て管理会社の方で対応します。
賃料に関しては、入居者から一旦、管理会社の口座に振り込まれ、管理料を差し引いた金額が建物オーナーの口座へ一括で振り込まれます。
建物オーナーは管理会社からの入金だけを気にすれば良いため、入出金管理の手間が大幅に削減されます。
家賃滞納者が発生しても、その督促等についても基本的には管理会社が行ってくれます。
また夜間や土日に緊急トラブルが発生しても、管理会社が窓口となり対応してくれます。
管理委託を行えば、基本的には入居者トラブルは管理会社がほとんど解決してくれるため、とても楽です。
そのため、管理委託の形式であれば、初心者の方や、戸数が多い方、遠方の物件を持っている方でも賃貸経営が可能です。
但し、家賃滞納等のトラブルが深刻となり、裁判等の法的手段による解決が必要となった場合、貸主としての対応必要となっています。
管理委託では、賃貸借契約の当事者は、貸主が建物オーナーで借主が入居者です。
管理会社は当事者ではないため、裁判等で訴えの原告になるということはありません。
例えば、訴訟で家賃滞納者を退去させたい場合には、貸主の訴えが必要となってきます。
管理委託では、トラブルの深刻度が増して、建物オーナーがいよいよ表に出なければいけない時点で、はじめて手間がかかるようになります。
管理委託は、日常的なトラブル対応は管理会社が対応することがほとんどですが、建物オーナーは賃貸借契約の当事者となっているため、重大なトラブルが発生した場合には対応が必要となります。
管理委託を選んだとしても、入居者トラブルに対応しなければならないときが、稀にですがあるということを理解しておきましょう。
1-3.トラブルとは無縁のサブリース
管理の中には、サブリースがあります。
サブリースとは管理会社(サブリース会社)が建物オーナーから一棟を丸ごと借上げ、各戸の入居者とは管理会社が賃貸借契約を結ぶ形になります。
サブリースは一括借上げと呼ばれることもあります。
言い換えると、転貸借のことです。
サブリースには、空室が発生しても家賃を変動させない「家賃保証型サブリース」と空室の発生状況に応じて家賃を変動させる「パススルー型サブリース」があります。
家賃保証型サブリースは満室想定賃料の83~85%程度の賃料が建物オーナーへ入ります。
一方でパススルー型サブリースの場合には、当月入居している賃料の95%程度の賃料が建物オーナーへ入ります。
サブリースは、入居者とは直接の契約関係とはならないため、基本的に入居者トラブルとは無縁です。
トラブルが発生したとしても、それは貸主である管理会社が対処することになります。
家賃保証型のサブリースとなると、収入が大きく下がるため敬遠する建物オーナーもいます。
一方で、パススルー型サブリースでは、収益性は管理委託と変わりませんが、入居者トラブルとは無縁になるというメリットがあります。
そのため、高い収益性も確保でき、トラブル無縁のパススルー型サブリースは管理体制として多くの建物オーナーに支持されています。
現在、管理委託方式を採用されている方であれば、パススルー型サブリースへの切替は、入居者トラブルの防止策としてお勧めです。
2.入居者トラブルの種類と具体例
この章では、入居者トラブルの種類と具体例を示します。
以下のようなトラブルは、主に自主管理の人であれば自力で対処する必要がありますが、管理委託やサブリースを行っていれば、基本的には管理会社が対処するトラブルとなります。
2-1.ハードに関するトラブル
ハードに関するトラブルとしては、以下のようなものがあります。
- お湯が出ない
- エアコンが作動しない
- トイレの水が出ない
- 水道が止まらない
- ドアの閉まりが悪い
- ドアスコープが使えない
- キッチン下が水漏れ
基本的には設備の劣化が原因で入居者からクレームが来ます。
クレームへの対応が悪いと、トラブルへと発展することが多いです。
2-2.管理規約に反するトラブル
管理規約に反するトラブルには以下のようなものがあります。
- ペットを飼う
- ゴミを分別しない
- 同居や同棲をする
- 夜間に騒ぐ
- バルコニーでバーベキューをする
- 落書きをする
これらのトラブルは近隣住民からのクレームも発生します。
賃貸借契約書の禁止事項に該当していれば、契約解除の検討も必要となります。
2-3.特殊なトラブル
特殊なトラブルとしては以下のものが挙げられます。
- 汚部屋にしてしまう
- 夜逃げする
- 自殺をする
- 反社会的勢力が占拠する
特殊なトラブルの中でも、自殺のような事故物件となり得るトラブルには注意が必要です。
事故の内容にもよりますが、事故物件となると、10年程度は入居希望者に対し重要事項説明での説明が必要となってきます。
事故物件となると、入居者がなかなか決まらず、賃貸物件としての価値を大きく下げることになります。
2-4.家賃滞納トラブル
家賃滞納トラブルは、賃貸経営の典型的なトラブルと言えます。
本来、家賃滞納トラブルを防ぐため、賃貸借契約においては入居者から敷金を預かったり、連帯保証人を付けたりするのが通常でした。
しかしながら、空室対策の一環から敷金をゼロで入居させる建物オーナーも増え、連帯保証人も家賃保証会社で代行させる形態も増えたことから、以前にもまして家賃滞納トラブルが増えてきています。
敷金は、借主の家賃滞納があった場合、敷金を家賃として充当できる役割があります。
例えば、敷金を3ヶ月分受領した場合、2ヶ月分の家賃滞納があったとしても入居者が退去する際、滞納分を差し引いて1ヶ月分を返金すれば良いことになります。
敷金を多く受領していれば、家賃滞納の分を敷金から差し引けば良いため、目くじら立てて取立を行う必要性も低くなります。
一方で、敷金ゼロで入居させてしまった場合、1回でも家賃滞納が発生してしまえば、建物オーナーとしては回収の必要性が出てきます。
受領する敷金が少ないと、賃貸人が対応しなければならないトラブルの頻度が上がります。
近年は、オーナーが受領する敷金が減ったため、家賃対応トラブルに遭遇する頻度も高くなってしまっていました。
空室対策で、礼金や敷金等の入居時の一時金を減額する場合、後々の入居者トラブルを考慮すると、順番としてまずは礼金を減額すべきです。
敷金まで減額するのは最終手段と考えるようにして下さい。
3.家賃滞納者への対応
入居者トラブルにおいて、家賃滞納に関しては少し専門的な知識を有します。
そのため、この章では家賃滞納だけを詳しくご紹介します。
3-1.即時解約できない
一般的なレンタル商品は、当然お金を払ってくれない人に対して、商品は貸さないというのが常識です。
ところが、賃貸借契約の場合、その常識は通用しません。
結論からすると、1ヶ月家賃を支払わなかったとしても、「部屋を返してください。」とはすぐには言えないのが賃貸借契約になります。
賃貸借という契約関係が発生すると、そのルールは借地借家法という法律に従うことになります。
借地借家法の基本精神としては、本来的に弱い立場の人である借主を守るという趣旨が根底にあります。
普通のレンタル商品とは異なり、建物の賃貸では、借主の権利が法律によって強く守られています。
そのため、アパートや賃貸マンションでは借主が1回や2回、家賃を支払わなかったとしても、賃貸借契約を解除することはできません。
一般的には、3ヶ月以上の家賃滞納があってから初めて建物オーナーから契約を解除できるものとされています。
法律的には、3ヶ月以上の家賃滞納が発生した状態を、「信頼関係が破壊されている」と表現します。
貸主と借主の信頼関係が破壊された状態でないと、貸主からの契約解除の申出は認められません。
尚、信頼関係が破壊されている状態をどのように判断するかはケースバイケースです。
3ヶ月以上連続で家賃滞納があった場合は、基本的には信頼関係は破壊されています。
このようなケースは、一発でアウトと考えても良いです。
一方で、1~2ヶ月滞納した後にきちんと支払い、またすぐに1~2ヶ月滞納するような場合もあります。
1~2ヶ月の家賃滞納でも、常習的に滞納を繰り返すようであれば、信頼関係は破壊されていると解釈される場合もあります。
悪質な入居者の中には、確信犯的に信頼関係が破壊されるスレスレのラインで家賃滞納を繰り返すような人もいます。
実際に建物オーナーさんが悩まれている人の中には、このような悪質なケースに遭遇されている方も多いです。
判断に迷うような場合には、弁護士等に相談するのが良いでしょう。
3-2.家賃督促の流れ
家賃滞納が発生した場合、管理会社に管理を委託していれば督促は管理会社が行います。
サブリース契約の場合は、入居者とは直接の契約当事者ではないため、督促は全く不要です。
家賃督促で問題となるのは、自主管理の場合です。
自主管理の方は自分で督促をする必要があります。
家賃滞納者に対する督促の流れは以下の通りです。
滞納が発生したら、まずは電話で問い合わせを行います。
メールや手紙はスルーされる可能性がありますので、1発目は必ず電話をするようにして下さい。
借主が常識的な人であれば、電話による督促で、解決することがほとんどです。
今まで一度も滞納しなかった人であれば、たまたま本当に忙しくて振込ができなかったという場合もあります。
電話での督促のポイントは、支払期日を確認することです。
「いつまでに支払う」という期限をその場で確定するようにして下さい。
また、電話で督促をした際、変な言い訳をし始める人は注意が必要です。
「車をぶつけて急にお金が必要となった」、「親が入院した」、「取引先が倒産した」、「詐欺にあった」等々の言い訳をしてくる場合があります。
もし、そのような理由が本当だとしたら、「今月の家賃をちょっと待ってもらって良いですか?」と事前に言ってくるのが常識です。
変な言い訳をしてきたら、常習化する可能性が高いです。
優しい先延ばしの声はかけず、支払期限をきちんと決めるという毅然とした態度で臨むようにして下さい。
電話での督促を終えたら、次は書面による督促を行ってください。
電話で確約させた支払期日を明記し、「〇年〇月〇日までにお支払い願います。」と書き、口頭で約束したことを書面に残すようにします。
電話と書面はセットですが、督促は期日までに支払いがあればここで終了です。
もし、支払期日が過ぎても家賃の振込が無い場合、訪問による督促を行います。
訪問では確約書と督促状の2つを用意して伺います。
訪問で、先方がいる場合には、その場で賃料の支払に関する確約書に押印させます。
不在の場合には、督促状を投函して帰ります。
ここまでが概ね賃料滞納が発生してから1ヶ月目の手続きです。
滞納が2ヶ月目以降に突入した場合、法的措置を視野に入れて行動します。
2ヶ月目以降は内容証明郵便にて督促状を送ります。
内容証明郵便とは、どのような文書が送付されたのかを、差出人が作成した謄本によって郵便局が証明する郵便です。
この段階では、後に訴訟になった場合、ちゃんと督促をしたという履歴を残しておくことが重要です。
内容証明郵便で督促したことが、後で重要な証拠となりますので、訴訟を意識して対応するようにして下さい。
3-3.法定手続き
家賃督促を行っても家賃の支払いが行われない場合、最終的には法的手続きを取ることになります。
家賃滞納では、法的手続きとして取り得る手段は以下の3つです。
- 支払督促手続きによる請求
- 少額訴訟
- 民事訴訟
1つ目の支払督促手続きとは、裁判所から入居者に対して督促状を出してもらうという手続きになります。
督促状を自分が出すか、裁判所が出すかという違いだけなのですが、裁判所から出すことによって、何も知らない入居者は驚いで支払うことがあります。
支払督促手続きは、この心理的効果を狙います。
裁判所から督促状が来ることで、何か裁判でも起こされるのではないかという恐怖心から払う入居者もいます。
簡易裁判所で手続きをするだけなので、簡単にできますが、強制力はありません。
あくまでも心理的な効果を与えるだけの法的手段です。
2つ目は少額訴訟です。
少額訴訟は60万円以下の金銭の支払を求める場合に限り利用できます。
1回の期日で判決が出され、強制執行もできるため、支払督促手続きとは異なり強制力があります。
但し、少額訴訟は金銭の支払だけしか請求できないため、賃貸借契約の解除(明け渡し)を請求することはできません。
3つ目としては民事訴訟、つまり裁判があります。
民事訴訟では、明け渡しまで求めることができます。
建物オーナーとしては、正直、家賃を滞納するような人とは、契約を解除したいというのが正直なところだと思います。
少額訴訟でできることは家賃の支払だけなので、再び同じ入居者が家賃滞納を発生させる可能性を防げません。
それであれば小額訴訟などは行わず、いきなり民事訴訟によって明け渡しを求めるというのは一つの考えです。
法的手続きを要する段階になれば、弁護士とも打合せする必要があります。
入居者との関係をどうしたいかをきちんと考えてから法的手段を選択するようにして下さい。
4.入居者トラブルを防ぐ方法
入居者トラブルは、発生してしまうと対応が大変です。
一番良いのは、入居者トラブルの発生を未然に防ぐということがとても重要になります。
そこでこの章では入居者トラブルを防ぐ方法についてご紹介します。
4-1.入居者審査をしっかり行う
入居者トラブルを防ぐには、しっかりと入居者審査をすることです。
入居審査の段階で、いかにもトラブルを起こしそうな人とは契約しないということに尽きます。
入居審査は、問題となる人を完全に除外することはできませんが、それでも一番の効果があることは間違いありません。
審査と言っても、書類審査だけではなく、物件を案内したときの話し方や身なり等でなんとなく見抜いていくことが重要です。
入居審査で人を見抜くには、経験がものを言います。
自主管理では入居審査の経験がどうしても浅くなるため、なかなか上達する機会に恵まれません。
一方で、入居審査に関して管理会社への委託には、かなりのメリットがあります。
管理会社は、数多くの経験値があるため、基本的には入居審査がしっかりしています。
但し、管理会社へ委託する場合には、「入居審査はしっかりと行うようにして下さい。」と伝えるようにしておくことが重要です。
管理会社に「このオーナーはどんな入居者を入れても問題ない」と思われてしまうと、変な入居者を回される場合もあります。
「この建物オーナーはうるさいから、しっかり入居審査をしないとダメだ」と思われれば、しっかりと審査するようになります。
本来、お客様にこのようなサービスの差があるのはあってはならないですが、管理会社から良いサービスを引き出すには、建物オーナーにも工夫が必要です。
管理会社へ委託をする際には、入居審査はしっかりやるように事前に伝えることがポイントになります。
4-2.連帯保証人を取る
入居者トラブルを防ぐ方法の一つに連帯保証人を取るという方法があります。
近年は、家賃保証会社に保証をつけさせることが多いため、連帯保証人を取るケースは減ってきました。
しかしながら、入居者トラブルを防ぐという観点においては、やはり連帯保証人は取るべきです。
まず、連帯保証人を条件とすると、連帯保証人を立てることができない人が、その時点で除かれます。
連帯保証人は、親や兄弟がなるケースが多いですが、以前は連帯保証人を立てることは当たり前でした。
連帯保証人は頼む方も、頼まれる方も精神的な負担を負います。
この負担が、逆に抑止力となりトラブルを発生させないための心理的効果を生みます。
連帯保証人が親であれば、親には迷惑はかけられないという良心が少しは働きます。
また、連帯保証人がいると、トラブル発生後も対応がスムーズになります。
夜逃げ等があった場合、連帯保証人に連絡がつけば、本人までたどり着くことができます。
もちろん、家賃滞納があれば連帯保証人にも請求は可能です。
連帯保証人は、賃料の保証人というよりは、実質的にはトラブル発生時の緊急の連絡先という意味合いの方が強いです。
そのため、もし連帯保証人をつけない形とするならば、最低限、親や兄弟等の緊急連絡先だけは聞いておくようにしましょう。
4-3.敷金を取る
入居者トラブルを防止するためには、敷金は取っておく必要があります。
家賃滞納による契約解除事由が、3ヶ月以上の滞納を必要となってきますので、理想的には3ヶ月以上の敷金は確保すべきです。
ただ、空室対策として、敷金をゼロにしているような物件もあるかと思います。
トラブル防止という観点では、最低でも1ヶ月は確保しておきたいところです。
敷金は、たとえ家賃滞納が無かったとしても、契約終了時に原状回復の必要があるときは、敷金を修繕費用に充当することができます。
家賃滞納は家賃保証会社による保証でカバーできたとしても、原状回復のトラブルまでは家賃保証会社の保証でカバーすることはできません。
トラブルは発生したときに対応するためのお金が必要です。
万が一のリスクに備えるためにも、敷金はきちんと取るようにしましょう。
4-4.管理体制の見直し
賃貸経営においては、不動産会社の空室募集の窓口を広げることで、結果的に悪質入居者を入れてしまうという失敗が良くあります。
不動産会社の募集窓口を広げることは、空室対策としては有効なのですが、入居審査基準にもバラつきが発生することで、結果的に悪質入居者も入れてしまうということがあります。
不動産会社の募集窓口を広げる場合には、各社に入居審査を徹底させることがポイントになります。
一方で、不動産会社の募集窓口を広げた人の中には、今の管理会社に不満を持たれている方も多いと思います。
今の管理会社がなかなか空室を埋めてくれないため、色々な不動産会社に募集の依頼をした結果、悪質入居者も紛れ込んでしまったというパターンはたまにあります。
悪質入居者の入居を防ぐには、入居審査は基本的に1社に任せて徹底させるということが理想的です。
そこで、今の管理会社に不満を持たれている方は、入居者募集を得意とする不動産会社に切替えることをお勧めします。
管理会社が入居者募集にも強く、入居審査も徹底していれば、入居者トラブルはかなりの確率で防げるようになります。
入居者トラブルを防ぐには、入居審査が一番効果はありますが、それには実績豊富な管理会社に管理を委託することが一番です。
管理会社は、「賃貸経営HOME4U(ホームフォーユー)」を使って探すのがお勧めです。
賃貸経営HOME4U(ホームフォーユー)では、その地域で実績のある管理会社が登録されています。
サービスを利用すると、複数の管理会社から無料で一括相談を受けることができます。
この際、トラブルとは無縁のパススルー型サブリースに切替えてみるのも一つです。
連帯保証人や敷金によるトラブル防止策は、空室対策としては逆行しているため、取組みにくい方も多いと思います。
優秀な管理会社に切替ることは、入居者のトラブル防止策になるだけではなく、空室対策としても有効です。
トラブル防止策と空室対策を同時に実現するためにも、管理体制の見直しはぜひ検討してみましょう。
まとめ
入居者トラブルの負担は、管理体制によっても異なります。
トラブルの負担を少なくし、かつ収益性を上げたい場合にはパススルー型サブリースがお勧めです。
入居者トラブルには、ハードに関するもの、管理規約に反するもの、特殊なトラブル、家賃滞納等がありました。
特に、家賃滞納については、裁判等になれば管理委託している方でも当事者にならざるを得ません。
家賃滞納は発生してもすぐには契約解除できないと知っておく必要があります。
最後に、入居者トラブルを防ぐ方法として、入居審査や連帯保証人、敷金の受領、管理会社の切替等を紹介しました。
特に、入居審査でトラブルを起こしそうな人を排除することが一番効的です。
入居者のトラブル防止策と空室対策を両立させるには、実績豊富な管理会社に切替えがお勧めです。
管理会社の切替では、賃貸経営HOME4U(ホームフォーユー)をぜひ活用してみてください。
本記事を参考にして、入居者トラブルの対処をして頂ければと思います。