親から相続した古い家や、長年空き家になっている実家を「賃貸」として活用できないか考えている方が増えています。
とはいうものの、「こんな古い家でも借り手はつくだろうか?」「リフォームしないと貸せないのでは?」といった悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、古い家を貸したいと考えている方に向けて、古い戸建て住宅の賃貸需要の実情から、賃貸に出すメリット・デメリット、実際に賃貸を行う手順までを詳しく解説します。

思い出の詰まった家を手放さずに活用するための第一歩を踏み出しましょう。

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1. 古い家を貸したい!知っておきたい築古住宅の賃貸需要

「古い家を貸したいけれど、本当に需要はあるのだろうか?」と不安に思い、なかなか一歩を踏み出せない方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えすると、古い戸建て住宅には、集合住宅であるマンションやアパートにはない需要があります。

実は、近年、借家が増加傾向にあります。
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2013年時点の全国の借家数は18,519戸でしたが、2023年には19,462戸と、943戸増えたことが確認できます。

出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査」

調査結果から読み取れるのは、住まいを「所有」しない選択肢を取る人が徐々に増えているという事実です。

かつての日本では、多少無理をしてでも家を購入することが一般的でした。
しかし現在は、ライフスタイルの多様化や将来への不安から、「あえて家を買わずに賃貸を選ぶ」層が出てきています。
そのなかには、賃貸であっても「戸建て」に住みたい人も一定数存在します。

たとえば、子どもが多い世帯の場合、マンションでは手狭になるため、戸建てを選ぶことがあります。
特に、古い家は家賃を比較的安く設定できるため、主にファミリー層から「手頃な家賃で広いスペースが確保できる物件」としてニーズが高いのが特徴です。

国土交通省も、既存の空き家を活用して、子育て世帯が安く住める賃貸住宅を供給することを後押ししています。

とはいえ、「古い家はリフォームをしなければ貸し出せないのでは?」と悩まれるオーナーの方も少なくないのではないでしょうか。

近年は、古い家をリフォームなしで賃貸に出す有効な方法として、借主が自分の好みに合わせて修繕や模様替えできる「DIY型賃貸借」の需要が高まっています。

国土交通省もガイドラインを策定して「DIY型賃貸借」の普及をバックアップしていることから、リフォームを行わず古い家を現状のまま貸し出すケースも増えてきました。

こうした背景から、古い家であっても、適切に活用すれば十分に借り手がつく可能性はあるといえます。

2. 古い家を賃貸に出す4つのメリット

古い家を売却せずに賃貸に出すことには、以下のような長期的なメリットがあります。

  • 継続的な家賃収入が得られる
  • 思い入れのある家を残しておける
  • 税金対策になる
  • 老朽化を防止できる

2-1. 継続的な家賃収入が得られる

最大のメリットは、入居者がいる限り毎月安定した家賃収入が得られることです。

家を売った場合は売却益を得るだけですが、賃貸であれば継続的に収益を生み出せます。
入居期間が長ければ長いほど収益が積み上がり、将来の資産形成にもつながります。

また、将来的に不動産価値が上がったとき、売りに出しやすい点もメリットです。
土地の条件にもよりますが、不動産をそのままにしているより、賃貸に出すことで家賃収入を得ながら価値が上がるのを待つことができます。

2-2. 思い入れのある家を残しておける

「生まれ育った実家を手放したくない」「思い出の詰まった家を失うのは寂しい」という場合、賃貸として貸し出す方法は最適な選択肢です。

売却すると、購入者の意向で大幅に改装されたり、取り壊されたりすることもありますが、賃貸であれば家をそのままの形で残しながら活用できます。

「今は住まないけれど、将来は戻りたい」というケースの場合は、「定期借家契約」のような期間限定で貸し出せる契約形態をとれば、後から自分が住むことも可能です。

2-3. 税金対策になる

家を空き家のままにしておくと、固定資産税を払い続けるだけになってしまいます。
しかし、賃貸に出して適切な管理をすれば、その土地は「住宅用地」として扱われ税制優遇を受けられます。

特に、一戸につき200平米までの「小規模住宅用地」に該当する部分は、特例措置により固定資産税が最大1/6、都市計画税が最大1/3に軽減されるのです。

一方で、誰も住まずに放置し、自治体から「特定空家」に指定されてしまうと、特例措置の対象外となります。
特例措置から外された場合、固定資産税が最大6倍にはね上がるリスクがあります。

家の税金については、以下の記事で詳しく解説しています。

家を貸すと税金は増える?節税になる?計算や確定申告方法を解説

2-4. 老朽化を防止できる

誰も住んでいない家は、時間とともに傷みが進んでいきますが、人が住めば老朽化のスピードを緩やかにできます。

締め切ったままの家は換気がされず、湿気がこもることで、木材やアルミサッシの腐食、カビの発生といった建物内外の劣化を招きます。
また、誰もいない家はネズミやハクビシン、コウモリなどの野生動物のすみかになりやすく、荒れやすい点も大きなリスクです。

適切な管理を怠ったことによる「建物の劣化」は、家の資産価値を大きく下げる要因です。
賃貸に出して入居者が日常的に換気や清掃をすることが、家の寿命を延ばし、資産価値を維持する対策になります。

誰も住んでいない家を放置するリスクの詳細は、以下の記事をご確認ください。

空き家をそのまま放置するのは危険!管理の方法を徹底解説

3. 古い家を貸す前に確認しておきたい2つのデメリット

古い家を賃貸に出すことにはデメリットも存在します。
事前にデメリットを把握し、対策を練っておきましょう。

  • 修繕費・維持費がかかる
  • 空室リスクがある

3-1. 修繕費・維持費がかかる

設備の故障や建物に傷みがある古い家は、貸し出す前に修繕が必要です。

たとえば、雨漏り補修や設備機器の交換には、相応の費用がかかります。

また入居後も、給湯器やエアコンのメンテナンスなどで定期的に費用が発生する点は念頭に置いておきましょう。

修繕・維持費の目安

項目 費用目安(万円) 目的
雨どいの交換 5~40 劣化による破損や落下、雨漏りの対策
スレート屋根の塗り替え 20~80 屋根の防水性能を維持・向上させる
外壁材の重ね塗り 50~150 外壁のひび割れや劣化を防ぐ
ガス給湯器の交換 20~50 「お湯が出ない」「お湯がぬるい」などのトラブル防止

そのほか、予期せぬタイミングで修繕が必要になることもあります。
古い家に起こりやすいのが、シロアリ被害です。
シロアリ被害が発生した場合は、駆除だけでなく、損傷した木材の交換・修繕なども必要になり、高額な費用がかかる可能性があります。

修繕義務は原則として貸主にあるため、家賃収入で修繕費と維持費が賄えるか事前に計画を立てることが重要です。

3-2. 空室リスクがある

賃貸マンションやアパートであれば、1部屋が空いても他の部屋の家賃で収入を維持できます。
一方、戸建ては基本的に「1戸」のみの貸し出しとなるため、入居者が決まらなければ収入はゼロです。

退去が出た場合、次の入居者が決まるまでの期間は、収入がない状態で維持費や税金を払い続ければならない点に留意しましょう。

空室リスクを抑えるには、次の章でお伝えするさまざまな工夫が必要になります。

4. 費用をかけすぎずに古い家を貸すポイント

古い家を「できるだけリフォーム費用をかけずに貸し出したい」と考える方も多いでしょう。
ここでは空室リスクを意識した、なるべく費用を抑えて貸し出すコツを紹介します。

  • 最低限の修繕・手入れにとどめる
  • 「契約条件」を工夫する
  • 「どんな人が借り手になるか」を明確に設定する

4-1. 最低限の修繕・手入れにとどめる

まずは、「ハウスクリーニングで全体の印象を整える」「汚れた壁紙だけを張り替える」など、見た目を改善する最低限のリフォームや清掃から検討しましょう。

「床をすべて張り替える」「システムキッチンを改装する」といった、高額な費用がかかるリフォームは避けたほうが無難です。

数百万円をかけて大規模なリフォームを行い、その分を家賃に上乗せしても、費用を回収できるとは限りません。
それどころか、家賃が相場より高くなり、一向に借り手がつかない事態を招くこともあります。

ただし、「雨漏り」「シロアリ被害」「給排水管の詰まり」など、生活に支障をきたす欠陥は、事前の修繕が必要です。

どこまで手を入れるべきか自己判断せず、管理会社などのプロに現地を見てもらい、費用対効果を相談して決めるのが得策です。

4-2. 「契約条件」を工夫する

契約条件を工夫して修繕負担を軽減する方法も検討しましょう。

たとえば「DIY型賃貸」とし、「借主が自費で自由に改装できる代わりに、現状のまま貸し出す(現状渡し)」という契約を結べば、オーナー側の初期費用の負担を減らせます。

ただし、「現状渡し」で貸す場合は、建物の状態の確認や契約内容の整理など、法的な知識が必要になります。
必ず管理会社の担当者など、不動産の専門家に相談しながら進めるようにしてください。

4-3. 「どんな人が借り手になるか」を明確に設定する

その家のアピールポイントを考え、ターゲットを絞り込めば、大掛かりなリフォームをせずに借り手が見つかることがあります。

たとえば「広い庭」があるなら、「庭で家庭菜園をしたい層」がターゲットにならないか検討してみるのがおすすめです。

築年数が経っていて家賃を下げざるを得ない場合は、それを逆手に取り、「アトリエ」や「荷物置き場」など、居住以外の用途にも利用できないかを考えてみるとよいでしょう。

物件の強みや立地に合わせてターゲットを明確にすれば、借り手が見つかりやすくなります。

どのような活用法が適しているのか、まずは一度、不動産会社に相談してみることをおすすめします。

NTTデータグループ会社が運営する「賃貸経営HOME4U(ホームフォーユー)」なら、全国47都道府県の130社以上の企業から、最大30社の賃貸管理プランを選んで無料で比較できます。

管理会社選びや募集条件の設定にお悩みなら、ぜひご活用ください。

5. 古い家を賃貸に出す手順

ここでは、古い家を賃貸に出す際の一般的な手順を紹介します。
段取りを押さえてスムーズに手続きを進めましょう。

  1. 家賃相場を把握する
  2. 複数の管理会社に見積もりを依頼する
  3. 管理委託契約の締結と貸し出し準備の開始
  4. 管理会社と入居者募集の方針をすり合わせる
  5. 入居審査・賃貸借契約の締結

5-1. 家賃相場を把握する

まずは周辺の賃貸相場を調べて、適正な家賃を設定します。

「SUUMO」や「ホームズ」といった不動産賃貸のポータルサイトで、自宅近隣の築年数や間取りが近い戸建ての募集賃料を確認しましょう。
賃料が高すぎると借り手がつきにくく、逆に安すぎると収益が下がるため、地域の家賃相場を把握しておくことが大切です。

また戸建ては、「庭付き」「駐車場付き」といったマンションにない付加価値を賃料に反映しやすい点も特徴です。
立地や周辺環境なども考慮しながら、自分の物件に適した家賃を検討することが重要です。

5-2. 複数の管理会社に見積もりを依頼する

相場を把握したら、管理を委託する不動産会社を探すために、見積りを依頼しましょう。

このときは、1社に絞らず複数の会社から見積りをもらうことが大切です。
料金はもちろんのこと、会社によって「リフォームの提案」や「入居者の募集方法」などに違いがあります。
それぞれの料金やサービス内容を比較して、自分の物件に最適な会社を選びましょう。

あわせて、耐震診断が必要かどうかについても、この段階でアドバイスをもらっておくと安心です。

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複数のプランを比較して優良な管理会社を見つけたい方は、ぜひ以下からご依頼ください。

5-3. 管理委託契約の締結と貸し出し準備の開始

管理会社を決めたら、管理委託契約を結びます。

契約した管理会社と相談し、「現状のまま貸すか」「一部補修するか」といった貸し出し方針を決めます。

担当者の意見を聞きながら、雨漏り修理や設備の交換など、必要な修繕やリフォームを専門会社に依頼しましょう。

築年数が古い場合は、耐震診断を検討し、必要であれば耐震補強工事を実施します。
耐震診断の結果も管理会社と共有し、入居希望者へ伝える情報として準備しておきます。

これらの準備が整ったら、いよいよ募集開始に向けて動き出します。

5-4. 管理会社と入居者募集の方針をすり合わせる

次に、契約した管理会社とともに物件のアピールポイントや募集条件を決めます。

「駅に近い」「学校や商業施設が付近にある」といった立地が良い家なら、築年数に関わらず家賃を高めに設定することも可能です。

一方、駅から遠い物件は賃料を少し抑える代わりに、「庭付き」や「駐車場がある」などの付加価値をアピールできないか、担当者と話し合います。

またこの段階で、契約形態を一般的な「普通借家契約」にするのか、一定期間で契約が終了する「定期借家契約」にするのかについても決定します。

読めば丸っと分かる!プロが教える定期借家契約完全ガイド

5-5. 入居審査・賃貸借契約の締結

入居希望者から申し込みが入ったら、管理会社を通じて入居審査を実施します。

借主の「家賃の支払い能力」や「連帯保証人の有無」などを確認し、問題がなければ契約手続きへと進みます。

契約書の内容を貸主・借主の双方で改めて確認し、不動産会社の担当者(宅地建物取引士)による重要事項説明を経て、署名・押印します。
その後、敷金や初月の家賃の入金が確認できたら、鍵を引き渡して手続き完了です。

まとめ

古い家であっても、戸建てならではの需要は存在します。
「築年が古いから」と諦めず、丁寧に準備をし、貸し出すための対策をとれば、思い入れのある家を残しながら継続的な収入を得ることができます。

築古戸建てならではの広さや環境を活かし、入居者ニーズに合ったターゲット設定を行いましょう。
そのためには、古い家の賃貸管理に実績のある管理会社を選ぶことが、成功への近道です。

まずは「賃貸経営HOME4U(ホームフォーユー)」のような、複数の会社に一括で見積りを依頼できるサービスを利用し、所有している家にどのような活用方法があるのか、プロの提案を聞いてみましょう。

管理会社や不動産の専門家のサポートを活用し、思い出の詰まった家を売ることなく貸し出すための第一歩を踏み出してください。