経営するワンルームマンションの空室が気になってきたら、経営リスク回避のためには、対策が必要です。しかし、どのようなタイミングで、どんな対策をすればよいのかは、物件の持つ条件や経営状態も考慮する必要があります。本記事では、空室対策をするべきかの判断ポイントや、具体的な空室対策をまとめています。また、空室対策のひとつとして、管理会社の役割の重要性についても解説しています。良好な賃貸経営のアイデアとしてお役立てください。

1.空室対策をするべきかを判断する3大チェックポイント

経営中の物件に空室対策をするべきかを判断する基準として、チェックポイントを3つにまとめています。どれか1つでも当てはまったら、空室対策は前向きに検討すべきだと言えます。これらのチェックポイントは、ワンルームに限らず、どの賃貸経営にも共通した考え方です。

  1. 空室率が20%以上
  2. 入居募集から3カ月以内に決まらない
  3. 更新がない・退去が多い

1-1.空室率が20%以上

物件全体の空室率が20%以上になったら、積極的に空室対策をはじめてください。たとえば、所有している賃貸物件が10室ならば2室以上の空室が発生している場合は、早めに対策を講じてリスク回避をしておく必要があります。

空室率が20%以上あると、ローン返済に支障が出てくる可能性があります。多くのアパートローンでは、空室が2割あっても返済が問題なく続けられる前提で、返済計画と経営計画を提出しています。そのため、20%以上の空室が発生すると、ローン返済の不足分を、他の賃料収入から補填する必要が出てきます。

次の入居者が決まるまでの1~2カ月程度であれば問題は生じにくいのですが、さらに空室が増える、空室期間が長く続くなどの要因が重なれば、賃貸経営全体にマイナスが生じるようになります。

1-2.入居募集から3カ月以内に決まらない

前の方が退去をして、入居者募集を開始してから3カ月間が経過しても、次の入居者が決まらない場合は、早めの空室対策をしてください。入居者募集は時期にもよりますが、不動産業界の繁忙期と呼ばれる引っ越しシーズンの1~3月、9~10月の間であれば、3カ月以内に契約が成立するのが一般的です。

引っ越しシーズンを見越して、退去から原状回復までのタイミングが繁忙期に合うようにしておくことも対策になります。運悪く、新規募集のタイミングが6~8月などの閑散期にあたってしまう場合は、むやみに家賃を下げず、次の引っ越しシーズンを待つことも空室対策といえます。

現時点で閑散期ではなく、さらにお部屋の状態と家賃設定にも問題がないのであれば、不動産管理会社の営業力・交渉力も見直してみる必要があります。

1-3.更新がない・退去が多い

入居は決まるものの、更新がないためにすぐ空室が発生する、または、最近になって長期入居をしていた方の退去が目立つ場合は、物件への空室対策が必要です。

入居が決まったのに出ていくということは、お部屋探しの時点では問題が無く、住んでからわかるタイプの「住みにくさ」など、住環境を含めた物件そのものに理由がかくれている可能性があります。

退去の立ち会いをしたときに、室内の騒音・ニオイ・間取り・設備・日当たりなど、快適な生活環境が整っているかを確認してください。問題があると判断した場合は、原状回復の時に、問題がクリアできるような施工をするようにすることで、次の入居者からは長期更新につながりやすくなります。

物件は住んでみないとわからないことも多いので、不動産管理会社の担当者から退去者へアンケートを取ってもらうなど、今後の経営に役立ちそうな情報を得ることも、空室対策になります。

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2.効果が期待できるワンルームの空室対策ベスト10

空室対策の必要性をチェックしたら、全国賃貸住宅新聞がまとめた調査をもとに、具体的な空室対策方法としてワンルームの設備で人気のあるものベスト10形式で紹介します。

これらの設備は、入居希望者からの要望が多く、家賃に対して付加価値が高い(コスパが良い)と判断され、入居が決まりやすいお部屋の特徴でもあります。現在、足りない設備がある場合は、付加を検討することでライバル物件との差をつけやすくなり、空室対策となります。

現在のお部屋探しは、大手ポータルサイトなどの「こだわり条件」で、希望する設備や環境などにチェックを入れた状態で検索をしています。入居者からの要望の多い設備を整えておくと、内見リストに残りやすくなります。版

  1. インターネット無料
  2. オートロックなどのセキュリティ
  3. 宅配ボックス設置
  4. 浴室乾燥機能
  5. 独立洗面台システムキッチン
  6. 防犯カメラ機能
  7. 24時間対応ゴミ置き場
  8. ウォークインクローゼット
  9. 管理会社を変更する

【参照:全国賃貸住宅新聞 2023年人気設備ランキング

2-1.インターネット無料

インターネット無料は、ワンルーム・ファミリー向け物件ともにトップの設備です。引っ越しをしてスグにスマホやパソコンが使える便利さは、他のあらゆる設備機能よりも重要であることがわかります。

また、ネットとスマホ中心の現代のライフスタイルでは、Wi-Fiは、エアコンや給湯器と同じように、生活に必要不可欠な設備であるという認識が、かなり一般的になっているということでもあります。

入居者が自分でネット契約をする場合は、申し込み手続きや配線などに手間がかかることもあり、標準設備になっていることは、お部屋の「お得感」(コストパフォーマンスとタイムパフォーマンス)にも直結しています。

賃貸住宅用のネット環境は、管理会社が提携しているプロバイダを利用する方が、管理体制や通信環境の確認がしやすく、トラブル発生の際にも迅速な対応が可能です。また、個別に高速インターネットを契約の許可をすることも空室対策に含まれます。

2-2.オートロックなどのセキュリティ

オートロックは、エントランスと部屋の玄関ドアの2種があります。最低でもエントランスにオートロック機能があると、防犯効果が高いと認識されます。オートロックがあると、建物の敷地内に入居者以外はむやみに入れないため、入居者にとっては安心感につながります。

防犯面で見ても、オートロックのある建物は、エントランスと自室ドアの2つを突破しないと室内に入れないことから、空き巣などの犯罪がおきにくくなります。部屋の玄関につけるオートロックは、設置費用・鍵の作成費用はかかりますが、鍵の閉め忘れがなくなるため、個別の防犯性が高くなります。

昨今は大手宅配会社以外にも、出前代行者などによる、敷地内への個人の立ち入りが必要なケースが増えているため、エントランスで訪問者の確認ができることは、住環境としての安心感につながります。

2-3.宅配ボックス設置

入居者の不在時に配送物の受け取りができる宅配ボックスは、いまや賃貸経営には必要不可欠な設備といえます。とくに、ワンルームは単身者向けの住まいであるため、他に荷物の受取をしてくれる人物がいません。

そのため、宅配ボックスが無いと、何度も受取指定をしなければならない、指定した時間には家にいないとならないなど、生活が不便なイメージがあります。

置き配という玄関ドア前に置いていく配達方法もありますが、賃貸の集合住宅では盗難の心配もありますので、宅配ボックスが敷地内にあると、利便性・防犯性ともに高いと判断されます。賃貸住宅への宅配ボックス設置は、補助金などの支援制度が使えます。

【参照:国土交通省における宅配ボックス設置に関する支援策等一覧

2-4.浴室乾燥機能

浴室乾燥機能とは、風呂場の乾燥機能により、浴室内で洗濯物などを乾かせる設備のことです。この機能があることにより、夜・雨・外出の間にも、洗濯ものを干して乾かしておくことができます。また、花粉の季節に室内干しができるなど、季節や時間に関係なく、自分のライフスタイルに合わせて洗濯ができます。

ワンルームマンションは室内が狭いため、室内干しをするスペースがありません。そのため、部屋に浴室乾燥機がついていることは、生活利便性が高いと判断されます。乾燥機能には温風以外にも、冷風・換気などがあるため、浴室のカビの発生も防ぎやすくなります。現在の風呂場に換気扇がついていれば、多くのケースで後付け交換が可能です。

浴室乾燥機能とともに、室内に洗濯機置き場があることも高い要望があります。築年の古いワンルームで、ベランダなど室外に洗濯機置き場がある場合は、洗濯機置き場の室内設置と浴室乾燥機能をセットで検討してみてください。

2-5.独立洗面台

独立洗面台とは、洗面台またはシャワー機能付き洗面台が、浴室とは別に設置してあることです。浴室内に洗面台があると、お風呂の利用後は床が濡れている、浴室乾燥をしているときは使えないなど、身支度のときに不便が生じます。

独立洗面台は、シンクの上下左右に収納スペースがあり、鏡の裏にも収納棚がついています。このため、洗面・歯磨き・整髪料・化粧道具以外にも、大小タオルをしまえるうえに、コンセントがあるのでドライヤーや髭剃りもできるなど、1設備に機能が多いという点で人気があります。

さらに、シャワー付き洗面台であれば、髪をあらう、少ないの量の洗濯をするなど、お風呂場を濡らさない身支度ができるという点で、特に若い世代に好まれる傾向があります。

2-6.システムキッチン

システムキッチンはシンクからコンロまでが1枚でつながっているため、キッチンに「継ぎ目」や「段差」がありません。このことにより、見た目がすっきりしていてデザイン性が高く、デッドスペースがないため、作業やお手入れがしやすいという特徴があります。

調理器具や食器類などを効率良くしまえるように設計されているため、上部の収納なども使えば、食器棚などの家具をプラスする必要がなくなり、ワンルームを広く使えるようになります。

普通のキッチンはシンクと作業台は一体ですが、コンロ部分は別置きになっているため、システムキッチンと比較すると、キッチンの印象に一体感もなく、お手入れがしにくいと言えます。

2-7.防犯カメラ機能

敷地内の複数のポイントに防犯カメラを設置しておくと、セキュリティ意識の高い入居希望者のリストに残りやすくなります。大手賃貸不動産ポータルサイト3社(SUUMO・アットホーム・HOMEs)では、ワンルームマンションのこだわり検索機能に、防犯カメラの選択項目があります。

同じジャンルの選択項目には 24時間セキュリティ・セキュリティ会社加入・TVモニター付きインターホン・管理人常駐などがあり、どれも機械や人の監視による、防犯対策が十分であるかどうかを気にしていることがわかります。

セキュリティを気にする方にとって、安全性が高い賃貸物件は、家賃が多少高くなっても安全にお金を支払う価値があると考えます。防犯カメラが設置できない場合は、今のインターホンにモニター機能を付加するだけでも、空室対策になります。

2-8.24時間対応ゴミ置き場

賃貸物件に24時間対応の専用ゴミ置き場があると、ゴミ収集日とは関係なく、いつでもゴミ出しができます。ワンルームマンションに住む方は、独身の学生か社会人であるため、自治体の決めたゴミ出し曜日や時間を守れないことが多く、そのことが原因でトラブルに発展することもあります。

また、収集日を守ってタイミング良く出すためには、早起きする、ゴミを自室に保管しておくなど、ひと手間が増えてしまいます。24時間いつでもゴミが出せる環境が物件内にあれば、ライフスタイルとは関係なく、快適な生活が送れると判断されます。

2-9.ウォークインクローゼット

ウォークインクローゼットとは、中に入れるタイプの押し入れ機能のことです。収納力が高く、洋服や小物などをまとめて一か所にしまえるため、ワンルームのような小さな物件でも、部屋を広く使えます。また、クローゼット内のスペースをすべて使えるため、衣替えの必要がなく、季節商品(ストーブ・扇風機など)もしまえて物置としても利用できます。

ワンルームでの平均的なクローゼットの広さは1畳ほどで、和室における押入れの広さと同じくらいです。クローゼットの扉の内側に鏡を付けるなど、ちょっとした工夫で小さなワンルームでも広々と使えるようになります。和室または元和室の場合でも、押し入れをクローゼットにリフォームできます。

2-10.管理会社を変更する

空室対策として、今契約している管理会社の変更も検討してみる必要があります。空室は入居者の都合によって発生しますので、卒業や転勤などによる退去を、オーナーが止めることはできません。

しかし、新規募集をかけても、3ヶ月以内に入居が決まらない、内見が少ないなどの場合は、管理会社の営業力に問題がある可能性があります。

管理会社の営業力や、空室改善の提案力に疑問を感じている場合は、たくさんの管理会社にプラン請求をして、相談をしてみてください。NTTデータグループが運営する「賃貸経営HOME4U」の一括プラン請求では、一回の入力だけで、たくさんの管理会社にプラン請求ができます。

チェックを入れた管理会社からのみ、指定した方法で連絡が入りますので、気になる管理会社と面談をし、空室対策のお悩みを相談してみてください。「この会社なら頼りになりそうだ」と思える出会いがあれば、他社と契約中であっても管理会社の変更も可能です。

3.管理会社を変えると得られる5つの空室対策効果

入居者募集を担当する管理会社の仕事ぶりは、空室対策の結果に大きな影響を与えます。前章では、物件にお金をかけて空室対策をする方法を提案しましたが、本章では、毎月の固定費を支払っている不動産管理会社を、より営業力のある会社へと変更することで、どのような空室対策効果が得られるのかを5つにまとめています。

管理会社に営業力や提案力があると、入居者がつきやすく、退去も起きにくい傾向があります。今の会社が、以下の5つの動きをスムーズにできているかを、よく観察してください。

  1. 掲載できるポータルサイトが増える
  2. 画像・動画での訴求力がアップする
  3. 現場での営業力がアップする
  4. 入居希望者との交渉ができる
  5. 入居後のサポートが充実する

3-1.掲載できるポータルサイトが増える

今時のお部屋探しをする方は、ほとんどの情報をネットで検索して内容を比較し、最終段階で確認をするために内見をします。その際に利用するのは、大手不動産ポータルサイトと呼ばれる、全国の賃貸物件が掲載されたものです。

営業力のある管理会社は、お部屋探しをする方が複数のポータルサイトの情報を比較しながら、希望条件に合ったものを絞り込んでいくことを知っています。そのため、良い管理会社は、最低でも大手三大ポータルサイト(SUUMO・アットホーム・HOMEs)のどれか、またはすべて登録している傾向があります。

ポータルサイトごとに掲載スタイルが違いますので、お部屋探しをする方は、同じ物件を異なった切り口で比較できます。不動産管理会社が多くのポータルサイトに登録をしているほど、お部屋探しを間接的にサポートできていることになります。

このような掲載方法をしたうえで、さらに、自社のホームページや地元向けのホームページやメルマガなどにも掲載をし、多くの人の目に触れるように、広告効果アップに力を注いでいます。

3-2.画像・動画での訴求力がアップする

前項に引き続き、営業力のある管理会社は、ポータルサイトやホームページに掲載に使用する、画像や動画の内容が良い傾向があります。この場合の「良い」とは、キレイ・プロが撮影しているという意味ではなく、入居者目線で知りたいことを訴求するのが上手だという意味です。

管理会社の営業担当は、実際に自分で物件に入って案内することが多いため、入居者候補が、内見のときにどのような部分を確認したがるのかを理解しています。そのため、ポータルサイトなどを見た時に、お部屋の雰囲気が良くわかり、「本物も見てみたいな」「現地を確認してみよう」と思わせるような、画像や動画を提供しています。

たとえば、窓から入る日差しを朝・昼・夕と分けて撮影する、窓を開けたときの風の入り方を、レースカーテンの動きで見せるなど、実際にお部屋の中で見ているかのような感覚で、物件の長所を伝えてくれます。このように、良い管理会社は、お部屋探しのかゆいところに手が届く、入居者目線に立ったプレゼンテーションを上手にできている傾向があります。

3-3.現場での営業力がアップする

良い管理会社の担当者は、自分が担当している物件の長所と短所をよく理解しています。そのため、内見に来た入居希望者の質問や疑問に、適切な受け答えができている傾向があります。

たとえば、道路の近くに物件がある場合は、夜の時間帯ならどのくらいの音がするのか、カーテンはどのくらいの厚さなら気にならないなど、事前に調べたうえで、的確な回答を準備してくれています。

また、内覧の際には、物件の条件とよく似たものや、まったく違ったタイプのものも案内し、オーナーの物件の特徴を、上手にアピールしてくれます。

3-4.入居希望者との交渉ができる

良い管理会社の担当者は、案内中に入居希望者と楽しくコミュニケーションを取り、相手のお財布事情や、隠れた希望なども上手に聞き出してくれます。

たとえば、内見をしてとても気に入ってくれたものの、敷金礼金の負担が大きくて決めきれずにいる場合には、負担を少なくする提案やフリーレント期間を設けるなど、契約に結び付くような提案と交渉ができます。

敷金と礼金が無いゼロゼロ物件や、1~2カ月の無料期間のあるフリーレントなどは、最初からネットに乗せておくよりも、オーナーと担当者の間で話をしておき、手ごたえのある場合の切り札として使うようにすると、即決につながりやすくなります。

このような現場での直接交渉は、管理会社の担当者に力がないとできませんので、管理会社選びは空室対策に大きな影響があると言えます。

3-5.入居後のサポートが充実する

入居後に契約更新が続くためには、物件の良さに加え、管理会社のサポート力も必要です。たとえば、設備にちょっとした不具合が発生した場合、迅速な対応をしてくれる会社であれば、入居者は「この物件は、困ったことがあってもスグに解決してくれる」と安心してもらえます。

定期メンテナンスなどで、お部屋の設備が壊れる前に修理や交換をし、問題が起きる前に住みやすさの保証をしてくれている賃貸物件であれば、入居者はお金を払っている価値を感じ、長く住み続けてくれます。このように、入居後のサポートがしっかりしていることは、空室の発生を防ぎ、長期安定収入につながりやすくなります。

4.空室が起きにくい良質な管理会社の3大特徴

不動産管理会社の見極め方法として、質の良い管理会社に共通する3つの特徴をまとめています。基本的に担当者の個性以外は、契約前の面談などである程度の確認ができます。

契約前にたくさんの管理プランを比較し、たくさんの面談をしたうえで、良いと思える会社があれば、管理会社の変更も検討してみてください。

  1. とにかくレスポンスが早い
  2. 必要なことをアドバイスしてくれる
  3. お客様との関係作りが上手

4-1.とにかくレスポンスが早い

問い合わせに対するメールや電話対応の速さ、対面の約束の取り付けスピードなど、全体的に迅速な動きができているかを見てください。管理会社のレスポンスの速さは、現場でもそのまま反映されますので、反応が遅い会社は入居者への対応も遅い可能性があります。

とくに、はじめての問い合わせや、内見希望の問い合わせへの反応が遅いと、よりレスポンスの良い会社に、せっかくの入居者候補を持って行かれる可能が高くなります。

担当者がどのような状況であろうとも、本人または会社が電話1本、メール1本を返すことは可能です。連絡や問い合わせをしてから6~12時間以内(営業時間内)に反応がなければ、その会社は委託先としての優先順位を下げても問題ないと言えます。

4-2.必要なことをアドバイスしてくれる

不動産管理会社は、オーナーと入居者の間に立つ役割です。基本的にはオーナーサイドに立ってくれてますが、入居者や物件に必要なことは、担当者の方がよく理解している傾向があります。

たとえば、余分な経費がかかるという理由で、必須ではないがやった方が良いリフォームをしていない場合、良い管理会社であれば、あえてオーナーにその部分を指摘してくれることがあります。

もちろん、管理会社としては室内環境が良い方が案内をしやすく、成約しやすいということもありますが、長期の契約更新を勝ち取るためには、適切なタイミングでメンテナンスをする重要性を、よく理解しているからこその提案力といえます。

良い管理会社は日ごろから、室内状況や内見案内時の反応などを、社内で情報共有していますので、空室対策として提案された内容は、的を射たものであることが多い傾向があります。

このようなアドバイスをしてくれる管理会社は、物件管理を委託するパートナー会社として頼もしい存在です。

4-3.お客様との関係作りが上手

良い管理会社は、入居者と入居者候補を含めた「お客様」との関係作りに長けています。たとえば、内見案内の際には、今までの検索内容や、希望する金額などを会話の中で再確認し、案内する順番や、現場で話すべき内容などを考えてくれます。

入居中の物件にも、定期的に顔を出して管理状況を確認し、見知った入居者の方と立ち話、近隣の方と世間話から、物件とその周辺の状況確認をしてくれます。

このような、普段からの地道なネットワークつくりによって、早くから周辺状況の把握ができるため、ゴミの不法投棄や不審者の侵入など、物件にとってデメリットとなる出来事を、自然な形で遠ざけてくれています。

オーナーには直接言いにくいことでも、管理会社の担当者であれば気兼ねなく話せる雰囲気があるので、表には出てきていない不満なども見つけやすくなります。こうして早い段階で潜在的なクレームに対応していくことで、入居者はより住みやすくなり、長期の更新をする可能性が高まります。

信頼と実績のある管理会社は、複数の管理プランを比較し、実際に、担当者に面談をしてみるまでは、わかりにくいと言えます。

NTTデータグループの運営する「賃貸経営HOME4U」の一括無料相談サービスであれば、一度の入力で数多くの管理会社候補を提案してくれます。気になる会社にチェックを入れると、ご所有の物件に合った管理プランなどを、一度にたくさんの会社に請求できます。

各社の担当者と面談をして、レスポンスが早さ、交渉力、アドバイス力などの確認が終わったら、必要だと思えば、今の管理会社からの変更も検討してみてください。

まとめ

ワンルームマンションの空室対策に関してまとめました。室内状況に関してはランク10形式で説明していますが、まずは、毎月の固定費を支払っている管理会社の、営業力や提案力も見直してみる必要があることがわかりました。

良い管理会社に委託管理をすることで、適切な入居希望者からの申し込みが入り、長期安定経営につながりやすくなる可能性は高くなります。必要な空室対策とともに、管理会社の見直しも検討してみてください。

大手から地域の事情に精通した
優良企業まで多数の企業が参画