【大家さん向け】賃貸管理費の考え方、相場&管理費割引・0円にする意味

この記事は「賃貸管理費」についてできるだけ簡単に理解できるよう、その「定義・意味」や「相場」、「使い道」や「割引・0円にする意味」等について簡潔に解説しています。
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1.賃貸物件の「賃貸管理費」とは
1-1.管理費の定義を解説
賃貸管理費とは、
アパート・マンションの建物や共用部分を管理・維持するための費用です。
1-2.管理費と共益費の違い|実はほぼ同じ意味
管理費と共益費は同じ意味として使われるケースがほとんどです。 厳密には以下のような違いがあります。厳密には以下のような違いがあります。
<管理費と共益費の違い>
種類 | 意味 | 内容 |
管理費 | 賃貸物件(建物)全体の維持や管理に必要な費用 | エレベーター等の点検費用 清掃費用 管理人の人件費 等 |
共益費 | 共用部分の維持や管理に必要な費用 | 廊下やエレベーターの電気代 廊下の電球の交換費用 等 |
共益費は不動産公正取引協議会連合会で以下のように定義されています。
引用:不動産公正取引協議会連合会「不動産の表示に関する公正競争規約・同施行規則」
管理費には共用部分の管理や維持も含まれているため、場合によっては「管理費に共益費が含まれている」と説明するオーナーもいます。
1-3.「賃貸マンション」と「分譲マンション」の管理費の違い
賃貸マンションと分譲マンションの管理費は算出方法に違いがあります。
<賃貸マンションと分譲マンションの管理費の違い>
種類 | 算出方法 | 支払う義務のある人 |
賃貸マンション | オーナーが定めることができる | 入居者 |
分譲マンション | 管理にかかった費用を入居者数で割って算出する | 入居者 |
賃貸の場合は管理にかかった費用に関わらず、オーナーが定めた一定の管理費を入居者から支払ってもらう場合が多いです。
一方、分譲の場合は管理にかかった費用を入居者で分担して支払います。
2.賃貸管理費の相場と使い道
賃貸管理費の相場はどのくらいか、また何に使われているかを解説していきます。
2-1.賃貸物件の管理費相場|家賃の5〜10%程
入居者からオーナーに支払われる管理費相場は家賃の5〜10%程度です。
家賃が10万円の物件であれば、5,000円〜10,000円程度が目安となります。 また、オーナーが管理会社に物件の管理を委託する場合、家賃の3〜5%が委託料の相場です。
2-2. サブリースの管理費相場|入居者負担は変わらない
サブリースとは、オーナーが所有しているアパートやマンションの管理業務を、全て管理会社に委託する方法です。
入居者の管理費負担は変わりなく、家賃の5〜10%程度が相場です。
しかしオーナーは入居者募集を含めてあらゆる業務を管理会社に任せることになるので、オーナーが払う管理委託料は家賃の10〜20%程度が相場と高額になります。
したがって、オーナーの取り分が減る形になります。
サブリースについて詳しく知りたい方は、下記記事もご覧ください。
2-3. 賃貸管理費の使い道
入居者から収集した管理費の使い道は多岐にわたります。
- エントランスの清掃費用、照明の電気代
- エレベーターの点検費用や保守費用、電気代
- 各階の廊下の清掃費用や共用部分の電気代
- ゴミステーションの清掃や管理
- インターネット環境やテレビ回線の使用料
- 防犯カメラの設置費用
- オートロック設備の設置費用や点検費用 など
管理費の使用用途に決まりはなく、原則として賃貸物件の住環境の維持や向上に使われます。 分譲マンションにおいても管理費の使い道は同様です。
2-4.その他
管理費の額が季節で変わる時もある
賃貸物件の管理費は入居したタイミングで金額が異なる場合があります。 例えば、引っ越しが停滞する8〜10月に入居者を集めるために、物件オーナーが管理費を下げて呼び込みを図るケース等があります。
管理費の額が部屋の大きさで変わる時もある
同じマンションでも、部屋の広さによって管理費の金額が異なる場合があります。 例えば、60㎡の部屋では6,000円、80㎡の部屋では8,000円といった具合です。
3.管理費割引&0円にする意味は?
賃貸物件での
3-1.「管理費0円」は、入居者の募集を促進する効果がある
オーナーが入居者を増やすために、管理費を割引&0円にするケースがあります。
入居者をすぐ獲得できると考えれば、長い目で見ると収入増加につながります。 しかし、そもそも管理費分を家賃に入れてしまい、「管理費0円」とうたう悪質なケースもありますので、しっかり周辺相場等を調べて実際に安くなっているのか吟味する必要があります。
3-2.「管理費割引&0円」の想定成功事例
「管理費割引&0円」にして成功した、よくあるケースの想定事例を紹介します。
<「管理費割引&0円」の想定成功事例>
ある賃貸マンションのオーナーさんは空室が多いことに悩んでおり、管理会社に相談したところ数ヶ月限定での「管理費0円」を提案されました。
提案を受けた当初、オーナーさんは「管理費を0円にすると収益も下がるのでは?」と懸念していましたが、空室期間が長い方がよくないと判断し、早速実行。
「管理費0円」にしてから1週間程度で、入居希望者からの問い合わせがあり、無事に契約に至りました。 初期費用としての収入は減りましたが、空室期間が短くなったことで総合的な収支でプラスになり、現在も入居者がいる状態です。
管理費を割引する、または0円にする場合は、長期的な収支のシミュレーションが大事になるといえる事例です。
4.管理会社で「賃貸管理費」は変わる!
オーナーが管理会社に物件の管理を委託する場合、安い管理会社を使えば、その分入居者の管理費負担を減らし、実質の家賃を下げて競争力のある物件にすることも可能です。
しかし、当然「管理の質」の低下は居住者の「生活の質」の低下につながるので、慎重に判断しましょう。 オーナーが管理会社を選ぶ時に注目したいポイントは、以下のとおりです。
- 空室対策に長けているか
- 物件のあるエリアでの実績があるか
- トラブル対応の体制はどうなっているか
- 賃貸管理の請負業務の範囲
空室対策に長けており実績が豊富であれば、入居者獲得を期待でき安心して運営・管理を任せられるでしょう。
また、管理費手数料が安くても、他の内訳でコストがかかる可能性があるため、請け負ってくれる業務の範囲は必ず確認しましょう。
管理会社の選び方について詳しく知りたい方は下記の記事もご覧ください。
まとめ
賃貸管理費は入居者が快適に過ごすための環境整備に必要な資金で、管理費の設定によっては入居者を効果的に集められます。
賃貸管理費の相場は家賃の5~10%ですが、管理会社によって委託料が異なるため、オーナーの取り分が変わります。 管理会社を選ぶ際は賃貸管理費の安さだけでなく、実績があり空室対策に長けている会社にしましょう。
この記事のまとめ
賃貸管理費とは
アパートやマンションの建物や共用部分を管理・維持するための費用です。
管理費と共益費は厳密には違いますが、ほぼ同じ意味として使われるケースがほとんどです。
詳細は「1.賃貸物件の「賃貸管理費」とは」にて解説しています。
賃貸管理費の仕組みと相場は?
入居者からオーナーに支払われる管理費相場は家賃の5〜10%程度です。
また、オーナーが管理会社に支払う委託料は家賃の3~5%が相場です。
サブリースの場合でも入居者の管理費負担は変わりません。
管理費の使い道は、エントランスの清掃費用やエレベーターの点検・保守費用など多岐にわたります。
詳細は「2.賃貸管理費の仕組みと管理費の相場」にて解説しています。
管理費割引&0円にする意味は?
「管理費0円=管理しない」ではありません。
オーナーや入居者にメリットがある場合に、管理費を割引&0円にするケースがあります。
詳細は「3.管理費割引&0円にする意味は?」にて解説しています。