【第9話】売り出すマンション、部屋のクリーニングをどうしよう？

現状引き渡しという条件を付けて売り出しが始まった、千田さんのマンション。 確か、千田さん一家はそこに16年間住んでいたそうですが、部屋の状態はどうなっているのでしょうか？買ってもらうためには、何か手を打つ必要がありそうですね。

体験記・第9話

不動産会社2社に売り出し戦略を聞いたところ、売却マンション用のチラシを発行し、自社のサイトと住宅情報サイトに掲載するとのことでした。

サイトに掲載するときは、どんなマンションなのか、おおまかな様子がわかるように、各部屋の写真を載せるそうです。

「写真を掲載！？」

ちょっと待って！ 私たちがそのマンションに住んでいたのは16年。壁紙や畳、窓枠など、汚れていたり、カビが付いていたり、とてもきれいとはいえない状態・・・。

「今のままじゃダメですよね。もしかしたら、誰も買ってくれないかも・・・。部屋をクリーニングしたほうがいいのでしょうか！？」

不動産会社の担当者に聞いてみると、こんな答えが返ってきました。

「できるだけきれいな状態の写真を載せたいですね。それに、購入希望者には内覧してもらうので、部屋はクリーニングされたほうがいいですよ。」

売りに出すということは、内覧してもらうことになるのです。汚い部屋のままでは印象が悪くなります。

よく、不要品をリサイクル店に出す際、きれいにして出したほうが買い取りしてもらいやすくなる、という話を聞いたことがあります。

実は、マンションも同じ。

同じ条件でも、汚いままの部屋ときれいにクリーニングされた部屋を比べると、クリーニングされた部屋のほうがいい印象を受けます。

つまり、見た目をいかにきれいにするかが重要なのです。

私とダンナは、言葉を交わさなくても、同じことを考えていました。 「部屋のクリーニングをお願いしよう！」

私たちは、部屋をクリーニングすることに決めたのです。

とはいえ、どこに頼めばいいのかわかりません。

そのことを不動産会社に相談したところ、両社とも取引のあるハウスクリーニング会社があるとのこと。すぐに見積もりを取ってくれるとの返事が来ました。

やっぱりネットワークの広い会社は、さまざまな心配事を上手く解決してくれるので、安心です。

ただ、私たちはマンション1軒分のクリーニングにどれくらいのお金がかかるのか、まったく見当がつきませんでした。

そのため、見積もりを待つあいだ、私たちはマンション1軒分のクリーニング代の相場をネットで調べておいたのです。

何も知らないままでいると、価格を提示された際、その価格が適正価格なのかどうかがわかりません。

価格を比較して正しく判断するために、相場を知っておくことは重要です。

調べてわかったことは、ファミリータイプのマンションの場合、部屋全体のクリーニングを依頼すると、10万円近くのお金がかかるということ。

結構、大きな出費です。

マンション売却の際は、ハウスクリーニングのお金も準備しておく必要があります。 こういった細かい資金計画も大事だと実感しました。

依頼してから2～3日で、両社からクリーニングの見積もりが届きました。

価格を比較してみると、大手の会社から来た見積もりは、価格は安いのですが、クリーニング内容が一式で記載されていて、詳細がよくわかりません。

地元に強い会社から来た見積もりは、価格は高めだったのですが、1つひとつの内容が細かく掲載されていて、いい印象を受けました。

「値段を下げてもらえるかもしれない・・・」突然ダンナが言いました。

「こういうものって、値段がピンからキリまであるんだよ。2社だけでもこんなに違うんだから、交渉すれば値下げしてくれるはずだよ。」

そう言うダンナは、地元に強い会社に、もう1社が安い価格を付けてきたことを伝えて、値下げ交渉を始めたのです。

すると、うれしいことに、大手の提示価格に並ぶ見積価格を再提示してくれました。

即決で、地元に強い会社のほうに、クリーニングをお願いすることにしました。

家を売却するときは、印象よくするためにハウスクリーニングは欠かせません。 でも、その費用は売主が負担します。

クリーニングの依頼先は、不動産会社に相談したり、自分で探したりすることになるのですが、1つの業者だけでなく、いくつかの業者で相見積もりを取れば、価格交渉をすることができます。 また、ハウスクリーニングの相場を知っておくのも重要です。

これから家を売却する予定のある方は、ハウスクリーニングも必要だということを、知っておいてくださいね。