不動産買取を大手に依頼するフローとメリット・デメリット

相続などで不動産買取をしてもらう際には、買いたたきなどがなく、公正で適正な値段で買ってくれる会社を選びたいですよね。不動産の売却には大きなお金が動きますので、買取希望をされる多くの方は、長年の実績やブランド力で信頼のある大手不動産会社にお願いしたほうが良いのではないか、とお考えだと思います。

そこで今回は、不動産買取を大手に依頼しようとしている方々が知っておくべき

1章 不動産買取を大手でしてもらう流れ
2章 不動産買取を大手でするメリット・デメリット
3章 失敗しにくい不動産買取会社選びの基準

をまとめました。最後までお読みいただければ、不動産買取全般の流れと、不動産買取に大手不動産会社を選ぶことのメリットとデメリット、実際に買取契約をする不動産会社選びの判断基準などがわかり、不動産買取会社選びを迷いなくできるようになります。

不動産の売却について基礎から詳しく知りたい方は『不動産売却の入門書』『【完全版】マンション売却の注意点』も合わせてご覧ください。

「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「何から始めたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
  • 「不動産一括査定」で複数社に査定依頼し、”最高価格”を見つけましょう
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1章 不動産買取を大手でしてもらう流れ

本章では、大手の不動産会社で不動産買取をする流れをまとめていますが、基本的に買取フローは、大手でも中小でも、買取専門会社でも同じです。不動産の買取とは、ご自身が売ろうとしている不動産(戸建て・マンションなど)を、不動産会社に直接買ってもらうことです。ほとんどの不動産会社では、不動産買取の対応をしています

不動産会社は買い取った物件にリフォームやリノベーションなどの手を入れてから再販をする前提で買取をしますので、その手間がかかる分、買取価格は市場相場よりも60~80%低い金額に設定されます。

買取の場合、買主=不動産会社ですので、スムーズにいけば2週間~1か月ほどで現金化ができます。不動産の買取には、「即時買い取り」と「買い取り保証」の2種類があります。

即時買い取り

売主と不動産会社の間で、買い取り価格の交渉が終了した時点ですぐ買い取ってもらうことを、即時買い取りと言います。ケースによっては日をあらためることなく、その場で買い取りが成立することもあります。

普通の売却のように、買主のローン審査などを待たなくてもよいため、売却代金を早くに受け取れますので、早急に売却して現金化をしたい場合には最も適した方法です

買取保証

買い取り保証とは、以下の表のように、即時買取と仲介売却の特徴の良いところを合わせたような方法です。

買取による売却の特徴 仲介による売却の特徴
金銭面で折り合えば、即売却可能で、現金化が早い 買主が現れないと売れない。売却までに時間がかかる。
仲介手数料がかからない 仲介手数料がかかる
仲介よりも売却額は低くなる 買い取りよりも高額で売れる

買取保証では先に、期間限定で仲介の売却活動をして、設定した期間中に売却が成立しなかった場合、不動産会社に買い取りをしてもらいます。仲介をする期間は、売主の希望に沿って設定できます。

仲介による不動産売却では、買主が見つかる・内覧などの案内をして気に入ってくれる・「買います」と言ってくれるまでは、いつになったら売れるのかがわかりません。しかし、最初から不動産会社の買い取りにしてしまうと、相場よりも低い金額で売らなければなりません。

そこで、ある程度の期間は市場相場の金額で売れるチャンスも持っておきながら、万が一、売れなかった場合は仲介契約をしている不動産会社が不動産を確実に買い取ってくれるというものです。

不動産買取と仲介の違いって何?

どちらの場合も買主が不動産会社になりますので、仲介手数料が発生しません。ただし、買取をする不動産にローン残債がある場合、買取額がローンの残債に足りず、その不足分を充当できない場合は、売却そのものを金融機関が許可しない場合があります。買取を検討した際には、先にローン残債の有無を確認しておきましょう。

不動産買取を申し込みの流れは、以下のようになります。

1-1.売却の準備 

不動産買取を申し込みの流れ

買取してもらうことに決めたら、まずは売却する不動産の現地調査に来てもらい、査定をしてもらうための準備に取り掛かります。ここは準備の段階ですので、ご自身の努力で期間を短くすることができます。

買取には必要な書類がありますので、以下のものを準備しておきましょう。

  • A.登記事項証明書(登記簿謄本)
  • B.売買契約書
  • C.重要事項証明書
  • D.登記済権利証または、登記識別情報
  • E.測量図・境界確認書
  • F.建築確認済証および検査済証、建築設計図書・工事記録書
  • G.固定資産税納税通知書、固定資産税評価証明書
  • H.マンションの管理規約・使用細則ほか
  • I. 本人確認書類
  • J. パンフレット(あれば)

A.登記事項証明書(登記簿謄本)

登記簿謄本とは、その土地や建物の概要と、所有者・抵当権設定など、これまでの取引記録~現状が詳細に記載されている不動産の履歴書のようなものです。登記簿謄本に書かれている内容を、プリントまたはデータ化したものが、登記事項証明書です。手元にない場合は、法務局で発行をしてもらいます。

【参照:法務局 登記簿謄本ほか請求手続き

B.売買契約書

不動産を購入したときの契約書です。中古物件を買った場合は、以前の持ち主から手渡されています。売買契約書には、不動産の契約日・引き渡し日・売買代金・手付金の金額、物件の状況や付帯特約などの記載があります。

C.重要事項証明書

不動産関する重要事項や特記事項などが記載されています。たいていは、Bの売買契約書と一緒に手渡されています。

D.登記済権利証または、登記識別情報

そのデータにある名義人が、その不動産の正当な所有者であることを証明するものです。一昔前までは「権利書」と呼ばれていたもので、現在では、「登記識別情報」と言います。パスワードのような12桁の英数記号を発行した、登記識別情報通知という書類に不動産の住所地や不動産番号、登記の目的、登記名義人の名前などが記載されています。

E.測量図・境界確認書

測量図・境界確認書ともに、土地の正確な面積や、隣接地との境界線がとこにあるかが記載されています。土地測量図は法務局で取得できますが、境界確認書は公的に保管される書類ではないため、見つからない場合は測量図に記載のある測量会社に問い合わせてコピーがあるか確認します。どちらもない場合は、再度、測量が必要になる可能性がありますので、売却を依頼する不動産会社に確認してみましょう。

F.建築確認済証および検査済証、建築設計図書・工事記録書

戸建てを売却するときに必要です。建築確認済証と検査済証は、その物件が建築基準法に則って建築されていることを証明する書類です。不動産の構造や工法が現行の法律に沿って建てたものである、という証明書となります。紛失した場合は、自治体窓口で、建築確認済証や検査済証の代わりとなる「建築計画概要書」や「建築確認台帳記載事項証明書」を発行してもらいます。

G.固定資産税納税通知書・固定資産税評価証明書

売却する不動産の固定資産税の確認と、登録免許税を計算するときに必要になります。固定資産税は毎年1月1日時点での所有者に課税されますので、年の途中で売却をする場合は、一旦、売主が全額を支払い、売却後、年末までの残日数に相当した金額が、買主(不動産会社)から返金されます。

H.マンションの管理規約・使用細則ほか

マンション売却に必要です。基本的にはマンションの管理会社が保有し、入居時にコピーされたものが、その他の書類と一緒に手渡されるのが一般的です。手もとにない場合は、仲介をしてくれた不動産会社かマンション管理会社に連絡をし、売却の際に添付する書類として送ってもらいます。

I. 本人確認書類

売主本人の確認書類として以下のものが必要です。

身分証明書
運転免許証・パスポート・マイナンバーカードなど
実印と印鑑証明書
不動産売買には、印鑑登録をした印鑑(実印)と、印鑑証明書が必要です。実印がない場合は、自治体で印鑑登録をしてから、証明書を発行してもらいます。有効期限は発行日から3か月です。
住民票
住民票は登記上の住所と現住所が異なる場合に必要です。有効期限は発行日から3か月です。

売却する不動産が、夫婦や子供などと共有名義の場合、その不動産の共有者全員分の身分証明書が必要になり、揃うまでは売却ができません。特に相続の場合、共有者が遠方や海外に住んでいる、当事者が高齢であるなどの理由で、書類が揃うまでにかなりの時間がかかるケースも考えられますので、入念な準備が必要です。

J. パンフレット(あれば)

不動産を購入するときに見た、パンフレットやリーフレットなどが手元にあれば、資料としてそろえておきます。

不動産売却塾 コラム

“買い取り価格の相場も調べておこう”

売却準備の段階で、必要書類をそろえるのと同じくらい大事なことが、不動産価格の相場を把握しておくことです。不動産会社に買い取ってもらう場合、不動産会社はその物件にリフォームやリノベーションなどの手を加え、売り易い物件に仕上げをしてから再販をします。物件に手を加えるための費用とその間の管理なども含めたコストがかかりますので、不動産買取の価格は市場価格の60~80%程度の金額になるのが一般的です。

不動産会社の買い取りは、確実に買い取ってくれるので安心ではありますが、その買い取り査定額が適切かどうかは、売却物件の市場価格を知らないと判断のしようがありません。ご自身がこれから売却する不動産の相場を調べる方法はいくつかありますので、「だいたいこのくらい」という程度でもよいので把握しておけば、買取査定をしたときに提示された査定額が妥当かどうかも、ご自身で判別できるようになります。

買取価格とその相場が理解できれば、適切または良心的な不動産会社を選ぶことができます。

不動産相場をじぶんで調べる方法

1-2.価格査定

不動産買取を申し込みの流れ

書類の準備ができて、だいたいの相場も把握したら、不動産会社に買取査定を依頼します。査定方法には、不動産データなどをもとにした机上査定(簡易査定)と現地を訪問して精密な査定を行う訪問査定の2種類がありますが、より正確な査定価格を知るためにも、必ず訪問査定を選択し、入念な現地調査を行った上で査定額を出してもらうようにしましょう。

査定をしてもらう不動産会社は、一つ一つ自分で検索するよりも、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U (ホームフォーユー)」などの一括査定依頼ができるサイトを利用し、複数の会社に同時に不動産買取査定をしてもらうことをおすすめします。

査定をお願いしたからといって、必ずしも買い取りをお願いしなければならないわけではないので、はじめから不動産会社を絞り込まず、複数の不動産会社からの回答を比較検討してから、実際の買い取りをしてもらう不動産会社を決定するようにします。「不動産売却 HOME4U」であれば、全国の優良企業・大手企業を含めた厳選1,500社の中から、不動産買取の相談に乗ってくれる大手企業を最大6社までに絞って紹介することができます。

現地調査終了後、不動産会社は複数の資料やデータをもとに査定額を提示してきます。査定額の決定までには、早くて2~3日、長いと7日くらいかかることもあるので、買取までの日程に余裕がない場合は、そのこともあらかじめ伝えておきます。

1-3.売買契約の締結

不動産買取を申し込みの流れ

買取査定の資料が集まったら、よく比較検討します。複数社の金額に差がある場合は、各社担当者に、なぜその金額提示になっているのかを直接確認しましょう。それぞれの担当者の言い分を聞き、納得がいかなければ、その会社は候補から除外します。

買取査定をした大手不動産会社の中から、1社を選び、買取の契約申し込みをします。担当者から、物件引き渡し時期とその他条件など確認したら、契約書を作成し売買契約を行います

1-4.引渡

不動産買取を申し込みの流れ

買取の場合は基本的に、引き渡しと決済が同時です。決済当日は、司法書士立ち合いのもと登記手続きを行い、不動産の権利などもその時に変更します。1準備のところで解説をした、不動産の権利書(登記識別情報)や固定資産税納付書などはこの時に必要となり、揃っていないと、決済日の先延ばしをすることになります。

登記費用などは、この日に支払うことが多いので、現金の準備も必要になります。契約締結または決済日決定のタイミングで、担当者から必要な費用と当日必要な書類などの指示が来ますので、それに従います。

※現在住んでいる家を引き渡す場合は、ご自身の引っ越し準備も買取のタイミングと同時に進めておく必要がありますので、日程調整と売却活動の計画は入念にしておきます。

不動産売却にかかる期間

2章 不動産買取を大手でするメリット・デメリット

本章では、不動産買取を大手でするメリットとデメリットを比較してみました。

不動産買取を大手でするメリット 不動産買取を大手でするデメリット
資金力がある 担当者が抱える案件が多く、受け身の営業が多い
全国に強い販売ネットワークと豊富な顧客リスト マニュアル通りの対応になりがち
大企業のブランド力で安心して取引できる マニュアル優先・特殊なケースに対応できないことがある

2-1.不動産買取を大手でするメリット

2-1-1. 資金力がある

大手不動産会社は資金力がありますので、たとえば、買取価格が莫大な金額査定であっても応じることができます。これは、中小不動産会社やその他の専門業者にはマネのできない、一番の特徴であり強みです。

また、資金力を使ってテレビコマーシャル・雑誌・ネット・SNSなどを利用した大規模な宣伝広告活動ができますので、買取保証で申し込みをしても、短期間のうちに普通の仲介で売れてしまう可能性が高まります。

2-1-2. 全国に強い販売ネットワークと豊富な顧客リストがある

大手の不動産会社は全国規模で支社と支店がありますので、企業内でも大規模な情報発信をしていくことができます。サイトなども、一企業で数百サイト以上を所有し、日々情報更新をしています。

特に、買取はネットでの査定と申し込みがメインなので、大規模にサイト展開をしている大手企業に、中小や専門業者は全く適いません。毎日、大量の案件申し込みがあり、大量の買取実績が自然と積み上げられていくので、より適切で公平な査定をする傾向にあります。

買取保証の場合は、企業内に情報が流れた時点で、社外に情報公開する前に、物件が売れる可能性もあります。また、インターネット以外でも、大手不動産会社は豊富な顧客リストを持っていますので、買取申し込みの時点である程度、再販先の目星をつけられることが多いため、ほとんどの買取申し込みに応じてくれます。

2-1-3. 大企業のブランド力で安心して取引できる

大手不動産会社だからこそのブランド力があるので、安心した取引ができます。ほとんどの不動産会社では適正で誠実な取引をしてくれますが、中には少数の悪質な会社があることも事実です。高額な査定見積もりに釣られて名の通っていない会社と契約をした結果、ひどく買いたたかれる・一方的な契約解除・支払い遅延・未払い、などのトラブルが発生する可能性がないとは言い切れません。

不動産は動く金額が大きいため、一つのミスで、大きな損失が生まれる可能性が高まります。特に、買取申し込みをするほうは個人ですので、人生に大きな影響を与えます。このような不動産売買にまつわるトラブルに巻き込まれる可能性は、大手不動産会社での買取であれば、ほとんど心配する必要がありません。

また、万が一、何かが起きた場合でも、大手企業はより大きなクレームになるのを嫌うため、最速で適切な対応をしてくれ、嫌な思いをすることは極力少ないでしょう。個人の消費者にとっては、基本はトラブルが起こらない、万が一の場合は責任の持っていきどころがあるというのは大きな安心につながります。また、売却した不動産は中古物件となりますので、その物件を買う購入者も、安心度が高くブランド力のある大手不動産会社から購入しようと考えるのは自然であり、必然的に、良い条件の人と物件が集まってくるのが大手の特徴です。

2-2.不動産買取を大手でするデメリットとその対策

不動産買取を大手でするデメリット
担当者が抱える案件が多く、基本は受け身
マニュアル通りの対応になりがち
マニュアル優先・特殊なケースに対応できないことがある

2-2-1.担当者が抱えている案件が多く、基本は受け身

大手の不動産会社は、一人の担当者が抱えている案件数が多いため、対応などが受け身に感じることがあります。大手は宣伝による露出も多く、自前の全国版サイトからも常に申し込みがあるので、ガツガツと営業をしなくても、ある程度は成約をしていきます。そのため、受け身なのではなく、余裕があるというほうが合っているのかもしれません。

例えば、買取査定の申し込みをして、現地調査に来てもらった場合でも、必要書類・資料やデータをもとにした正確で適正な診断をしてくれますが、一歩踏み込んで、売却予定の不動産のメリットなどを自ら探し出してくれるような熱血タイプの方は、大手の不動産会社には少ない傾向があります。地元の小さな不動産会社のほうが、こういった親身な対応をしてくれることが多いかもしれません。

対策
買取保証をお願いした場合は、出来ることならば買主がついて、買取よりも高い値で売れるほうが、売主にとっては良いことです。あらかじめ、買取をしてもらう物件の特徴になること、少しでも値段が上がる要素などの「住んだ人にしかわからない良いところ」などを、リストしして担当者に手渡すなどのアピールも積極的にしておきましょう。
買取保証の仲介中に、購入希望者が現れたときには、その資料に沿って、担当者が適切な説明をしてくれます。また、豊富な顧客リストの中から、該当する人物に打診をしてくれたりもします。

2-2-2.マニュアル通りの対応になりがち

大手の不動産会社は顧客対応などにも厳格なマニュアルがあるため、特定の顧客に肩入れをするタイプの対応はしない傾向にあります。例えば、営業担当者と他の物件などを通じて長年のおつきあいがあったとしても、それとビジネス契約は別であり、値段に色を付けてくれるなどのことは、基本的には期待しないほうが良いでしょう。これは、企業のブランドイメージを守るために徹底した社員教育をしているためと、業務上で不正を起こさせないための会社の営業方針なのです。

対策
マニュアル通りの営業内容に不安がある場合は、大手不動産会社の買取査定とは別に、地元に強い中小の不動産会社にも買取査定を申し込んで、査定額と対応も比較してみましょう。大きな差がない場合には、納得がいくほうを選びます。
都心や都会では不動産大手による買取、郊外や田舎になるほど地元で長く経営をしている不動産会社による買取のほうが、適切な対応をしてくれる傾向があります。地元には商工会議所などを中心とした、地元独自のビジネスネットワークが存在し、不動産会社の社長と長年懇意にしている資産家や事業主も多く存在します。そういう地元でのネットワークから買主が見つかることもあり、ケースによっては大手の買取査定額よりも高い提示額なこともあります。

小規模な不動産会社は家族的経営をしていて親身な対応をしてくれるため、事情を話せば多少の融通はしてくれるのも、大手とは違うところです。買取価格を知るための一括査定依頼は、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U」の利用をおすすめします。申込時の備考欄に「買取希望」と記入すれば、その後のやり取りがスムーズです。

2-2-3.特殊なケースには対応できないこともある

買取は、即時買取でも買取保証でも、買い取った後にリフォームなどをかけて再販することが目的で買い取りますので、リフォームやリノベーションなどができないほど大きな問題のある物件の場合は、大手不動産会社ではマニュアルや社内規定によって買取を断られるか、想定していたよりもかなり低い査定になることがあります。

対策
大手の不動産会社で買取を断られるほど問題のある物件とは、以下のようなものです。そのため、ほとんどの方は該当しないと思って良いでしょう。
建物全体の水漏れ・雨漏り・ドア開閉の問題などがある物件

マンションなどの集合住宅で、建物自体に大きな瑕疵がある場合は、リフォームによる状態の改善ができないため、再販が
難しいため、買取をしないケースがあります。

一軒家で躯体が傾いているなど、修繕や修理では対応できない物件

一軒家で躯体に傾きがある場合は、構造をいじる必要があるので、不動産会社の中でも、ハウスメーカーじゃないと対応ができません。ただし、土地とエリアの条件が良ければ取り壊し前提で買取されることもあります。

マンションなどの集合住宅で、構造のメインの部分に傾きがあることがわかっている場合は、建築法上、取り壊しになりますので買取が成立しません。

文化住宅や古民家など普通よりも維持に大きな経費が掛かる家

一般的な建築資材で補修ができない不動産は、維持費がかかる上に再販が難しいため、避けられる傾向があります。ただし、顧客リストにそのような物件を探している方がいれば買取も可能です。

工場や化学薬品を使った土地

工場・工場跡地・化学薬品を使っていた土地は、地盤調査や薬害の検査などで再販までに時間とコストがかかるため、敬遠される傾向があります。

法律上、建て替えや修理修繕などができない物件

法律上、リフォームなどができない家やマンションは、リフォームができず再販が難しいため、断られる傾向があります。ただし一軒家で土地とエリアが良い条件の場合は、とりあえず相談をしてみましょう。

宗教団体や暴力団事務所などが近隣または建物内にある物件

一軒家で問題のある団体が近隣にある場合や、マンションの建物内に事務所などがある場合は、その団体の活動内容によっては、買取を断られるケースがあります。

などです。一般的な事件・事故物件、自然災害によるトラブルがあった物件に関しては、その建物・部屋・周辺の状態などによって総合的に判断されますので、一度、買取の一括調査依頼をする際に、コメント欄でその旨を書いておき、後日、現地調査の際に相談をしてみるとよいでしょう。

大手不動産会社で買取を断られた場合は、中小不動産会社に再度打診し、それでもダメな場合は、買取専門会社へと打診をしてみましょう。買取専門会社の中には、ワケアリ物件を専門で扱うところもありますので、最終的にどこも買い取り先が見つからないというケースはまれです。

戸建て売却は「買取」と「仲介」どちらを選ぶべき?選ぶポイントも解説

3章 失敗しにくい不動産買取会社選びの基準

本章では、不動産買取をする会社選びの基準として、大切なことをまとめてあります。

3-1.不動産買い取り価格は市場価格の7割程度だと想定しておく

買取の場合は、買主が不動産会社になります。そのため、買う直前の値段交渉などもありません。現地調査をしての買取提示額は、そのまま買取価格になりますので、多くの不動産会社の中から、少しでも高く買い取ってくれる会社を選ぶようにしましょう。

買取査定額は、市場価格の60~80%と言われていますが、特に大きな問題のない物件であれば70%程度だと思って相場を調べておき、提示額がそれよりも高いところから選ぶようにします

「不動産を売りたい」と悩んでいる方へ
  • 「不動産を売りたいけど、どうしたらいいか分からない方」は、まず不動産会社に相談を
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3-2.口コミや書き込みも参考にする

複数の不動産買取会社を比較するときには、ユーザーからの評価や口コミも含めて不動産会社を見るようにすれば、より良い不動産買取のパートナーを選びやすくなります。特に、大手不動産会社での買取を比較検討している場合、各社の差がつきづらく、どこをポイントに決めればよいのかわからなくなる時があります。

口コミには各不動産会社の営業担当者の態度・契約時の対応・買取の際のトラブル対応などを含め、大企業の公式サイトだけでは見えてこない、買取現場の実態が垣間見えることがあります。口コミなどの確認方法は

【インターネット・スマホの場合】

検索窓に「任意の不動産会社名 + 評判」と入れると、口コミ表示がされます。無作為に出てきますので、2ページ目くらいまでを一通り確認するつもりで読みましょう。

【ツイッターなどSNSの場合】

ツイッターで「#不動産会社名」を入れると、まずはその不動産会社の公式ツイートが出てきますが、そのあとに、その不動産会社の#(ハッシュタグ)がついた、一般人のつぶやきがズラッと並びます。良いことも悪いこともたくさん載っていますので、あまり選別せずに一通り見てみましょう。時には、その会社の社員が何かつぶやいていることもあります。

ツイッター上で炎上している場合は、現在、何らかのトラブルの最中である可能性が高いため、選択の優先順位を少し下げる程度に参考にします。

その他のSNSなども同じように検索してみると、誰かが何かを書き込んでいることがありますので、その場合も、内容によって優先順位を少し下げる・上げる程度に参考にしてみます。ただし、どの媒体であっても、似たようなクレームに近い内容が複数の方から書かれている場合は、注意しておきましょう。

3-3.必ず一括査定依頼をして、一度に数社を比較する

不動産買取を大手で依頼する場合でも、その他の不動産会社で依頼をする場合でも、一番大事なのは、はじめから不動産会社を絞り込むのではなく、出来るだけ多くの会社に査定依頼をして、少しでも高く買ってくれる不動産会社を選ぶことです。

不動産会社への査定依頼は、NTTデータグループが運営する「不動産売却 HOME4U」の一括査定依頼をおすすめします。「不動産売却 HOME4U」は、不動産売却に関して長年の実績がある、日本で最も古い不動産一括査定のサイトです。運営は情報通信の最大手NTTデータグループであるNTTデータ・スマートソーシングですので、情報管理の信頼性は他の一括査定サービスの追随を許しません。

全国から厳選した2,300社もの大企業から地元の優良企業までを含めた、信頼と実績のある不動産会社だけを集めてあります。買取希望の場合はお申込み時に「備考欄」に「買取希望」と入力すればその後は無しがスムーズに進みます

仲介での売却も考えている方は『不動産売却の依頼先で悩んだときの判断基準や依頼方法』もご覧ください。
買取査定だけではなく仲介の査定結果も比較することで、より後悔のない判断ができるようになります。

まとめ

不動産売却 HOME4U」は、情報サービス事業で業界最大手であるNTTデータグループが運営しており、官公庁や銀行などの日本最高クラスのセキュリティで培った安全なシステム運用で個人情報を確実に保護しますので安心してご利用いただけます。全国から2,300社の厳選された、不動産買取に実績と信頼のある不動産会社を最大6社までに絞って紹介をします。ご自身でチェックを入れた会社以外からは一切の連絡が来ませんので、営業電話の対応をする必要もなく、安心してご利用いただけます。大手の不動産会社をお探しの際は、「不動産売却 HOME4U」をご活用ください。