住宅の購入時にかかる諸費用

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住宅を購入するときは、物件の代金以外に諸費用が発生します。その金額は新築で物件価格の3~5%、中古で5~10%程度が目安で、原則現金で用意しておくことになります。

たとえば物件が3,500万円で、10%とすると350万円となり大きな金額です。購入する物件や、借入先によって違いがあるので、どういった費用がかかるのかを不動産会社や金融機関に確認しておきましょう。

購入と同時に現在の住まいを売却する方は『不動産売却の入門書』もご覧ください。

この記事の監修者
秋山 芳生
家計簿アプリマネーフォワードMEの元事業責任者。
複数のベンチャー企業での上場経験を通じて資産構築をしFIREを達成。現在はFPとして講演・執筆・面談を行う傍らYouTube(チャンネル登録2万人以上)で情報発信するなどマルチに活動をしている。
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1. 売買契約時にかかる諸費用

不動産会社に仲介を依頼して購入する際の仲介手数料、売買契約書を交わす時の印紙税が必要です。

1-1. 仲介手数料

不動産会社の仲介によって家を買った時に払うお金です。新築ではかからないことが多いですが、物件によって異なるので聞いておきましょう。売買契約時と引き渡し時に分けて支払うことも多いようです。

※金額は、「取引価格×3%+60,000円」(消費税別)が上限です。

1-2. 印紙税

物件の「売買契約書」に貼る印紙代。契約書に記載された金額によって印紙の額が決まります。

※例:1,000万円超5,000万円以下の場合、20,000円です。
※2026年(令和8年)3月31日作成までの軽減措置では10,000円です。

2. 住宅ローン借り入れ時にかかる諸費用

住宅ローンを借りる際は、実行時に保証料や事務手数料を借入先に支払うことになります。その金額は金融機関によってまちまちですので、金利だけでなく初期費用もチェックしましょう。

不動産を購入する際、仲介手数料や印紙税など、思ったより現金出費があります。特に仲介手数料は物件価格によって変わるので、事前にしっかりと確認することが大切です。

また取引価格の3%+6万円(消費税)の3%は上限でしかないので、値引き交渉をする余地もあります。

印紙税も契約書の金額によって異なります。購入時の諸費用は、家計にも大きく影響するので事前に計算しておくことが安心への第一歩ですね。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

2-1. ローン保証料

借り入れするために保証会社の保証が必要な時、保証会社に支払うお金です。融資時に一括支払い、金利に上乗せして支払い、無料など金融機関によって異なります。

2-2. 事務手数料

ローンを利用する時に金融機関に支払うお金となります。同じ金額を借りるとしても、手数料には開きがあるので、しっかり検討しましょう。

※30,000~100,000円前後が一般的です。

2-3. 印紙税

住宅ローンを借りる時の「金銭消費貸借契約書」に貼る印紙代。契約書に記載された金額によって印紙の額が決まります。

※例:1,000万円超5,000万円以下の場合、20,000円です。

2-4. 団体信用生命保険料

借入期間中に死亡、高度障害になった場合に、本人に代わって生命保険会社がローン残金を支払うための保険です。金利に含まれている金融機関もあります。

2-5. 火災保険料、地震保険料

購入した物件に対して保険加入が必要なときに支払うお金です。補償内容や保険期間などにより金額は変わります。

3. 登記手続き時にかかる諸費用

登記とは、購入した土地や建物の所有者住所・氏名を登記簿に記載する手続きのことです。住宅ローンを借りる場合は、物件がその担保になっていることを示す抵当権設定登記も行います。

3-1. 登録免許税

登記手続きの際に必要となる税金。金額は課税標準額となる固定資産税評価額に税率をかけたものになり、軽減税率も設定されています。

※例:新築住宅の場合、所定の要件を満たすと通常の税率が0.4%のところ、軽減税率0.15%が適用されます。また、認定長期優良住宅・認定低炭素住宅の場合は、0.1%が適用されます。いずれも2026年(令和8年)3月31日までです。

住宅ローンを組む際には、保証料や事務手数料など、さまざまな諸費用が必要になります。これらの費用は、金融機関によって異なることがあるので、金利だけでなく、これらの初期費用も見落とさないようにしてくださいね。

また、購入後の登記手続きにかかる登録免許税や司法書士報酬なども見落とさず、準備しておきましょう!

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

3-2. 司法書士報酬

登記の手続きを司法書士に依頼した場合の報酬です。報酬はケースによって異なりますが、5~10万円前後かかります。

4. 入居後にかかる諸費用

不動産取得税は一度のみ、固定資産税、都市計画税は毎年支払うことになるお金です。

4-1. 不動産取得税

土地・建物の取得をした場合に課税される税金です。所定の要件を満たせば軽減措置が設けられています。

※例:不動産取得税を計算する際の固定資産税評価額が2分の1に軽減〔2027年(令和9年)3月31日まで〕されます。取得する住宅によって控除される額が決まります。

4-2. 固定資産税、都市計画税

固定資産税評価額から算出します。条件を満たす新築の場合、一定期間は軽減措置が設けられています。

※例:新築住宅の場合、床面積の要件を満たすと、居住部分の120平米相当分までは固定資産税が2分の1になります。一般の住宅の場合、3階建て以上の耐火構造住宅などで5年、それ以外が3年減額されます。2026年(令和8年)3月31日までに新築した住宅が対象です。

都市計画税は、小規模住宅宅地で1戸あたり200平米までは、課税基準(固定資産評価額)の3分の1になります。

5. 諸費用が現金で用意できないときは?

諸費用を現金で準備できない場合は、住宅ローンと一緒に借りる、諸費用ローンを利用する方法があります。ただし返済額の負担が多くなるため、将来の生活も考えて支払っていけるかどうかも含めて十分検討しましょう。

6. ほかにも考えておくべき費用がある!

住み替えをする際は、引っ越し代はもちろん、新居の家具やカーテンなどのインテリア費用も用意しておくことになります。入居前にリフォームすることになった、手持ちの家電が新居には置けない、など想定外のお金が発生することもあるため、余裕をみた資金計画を行いましょう。

住宅の購入時にかかる税金については、こちらのページで詳しく紹介しています。あわせてご確認ください。

住宅を取得すると不動産取得税がかかり、さらに毎年固定資産税と都市計画税もかかります。買うときばかりではなく、買った後の出費もしっかり試算しておきましょう。

また、新居には新しい家具や家電が欲しくなるもの。数百万、数千万円の住宅の買い物をしていると、1万円や10万円が小さい数字に感じて財布のひもが緩みやすくなります。気をつけてくださいね!

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生

このように、住宅を買う時はさまざまな費用が必要となってきマス。特に住み替えの場合は、今の家を売却するための費用も一緒にかかるので、しっかりと資金計画を立てておいたほうが安心ですネ。できるだけゆとりあるプランニングをしましょう。
売却の時にかかる諸費用は、こちららのページに詳しく説明していますので、買い替えをする方はこちらもご確認ください。
また、新居を探すなら、中古住宅HOME4Uが便利デス。全国の物件が掲載されていますので、お気に入りのお家を見つけてくださいネ。

住宅の購入には、住宅そのものの費用以外にも、様々な手数料や税金がかかります。

ここを見落としてしまっていると、予想外の出費に計画が合わなくなってしまうことも。不動産会社などとしっかりコミュニケーションを取って、トータルコストを把握しておきましょう。

また、税金は買うときばかりではなく、買った後も毎年かかります。新築住宅の場合、はじめの数年間は固定資産税の軽減が受けられますが、その後、本来の税額に戻り負担が増します。返済と合わせて、税負担も考慮して計画を立ててください。

ファイナンシャルプランナー 秋山 芳生