宅地建物の取引は、権利関係や取引条件が極めて複雑になることが一般的であり、それらを十分に調査、確認しないで契約を締結すると、当初予定していた利用ができなかったり、不測の損害を被ることとなります。
そこで、宅地建物取引業法では、購入者等が宅地建物に係る権利関係や取引条件等について十分理解して契約を締結できるようにするため、宅地建物取引業者に重要事項の説明義務を課しているところです。この重要事項説明については、現在「対面」で行うこととされていますが、ITを活用することで移動コスト等が削減できるとの意見も踏まえて、検討を行った結果、「ITを活用した重要事項説明」を実施することについて社会実験を行うこととなりましたので、ご紹介します。
「ITを活用した重要事項説明」に係る社会実験の概要は以下のとおりです。通常の重要事項説明と異なる取扱いがありますので、ご注意ください。
事前に国土交通省に参加登録をした宅地建物取引業者のみが「ITを活用した重要事項説明」を行うことができます。登録されている宅地建物取引業者については、以下のURLにて確認することができます。
ITを活用した重要事項説明に係る社会実験を実施する登録事業者の決定について
社会実験の対象とする取引は賃貸取引と法人間取引です。個人を売主又は買主とする売買取引は対象外です。
社会実験に用いることができるツールは、テレビ会議やテレビ電話など、動画と音声を同時にかつ双方向でやり取りできるシステムとなっており、メールのみで重要事項説明をすることはできません。
社会実験においては、通常の重要事項説明と異なり、登録事業者と消費者等(ここでは説明の相手方のことを言い、法人も含みます。)は主に以下の手順に従う必要があります。
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消費者等に「ITを活用した重要事項説明」を実施することができる物件であると、視覚的に認識して頂くために、国土交通省において「ロゴマーク」と「フレーズ」を作成しました。「ロゴマーク」と「フレーズ」は、ポータルサイトの物件紹介ページ等に記載されますので、対象物件かどうかを事前に確認することができます。
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※「ITを活用した重要事項説明」は「IT重説」とすることも可能としております。
詳しくは国土交通省ホームページ(「ITを活用した重要事項説明」に係る社会実験)を参照ください。
※執筆の内容は、2015年7月末時点によるものです。